米国マーケットの最前線

米国マーケットの最前線-経済動向から日本への影響まで-(随時更新)

世界一の規模を誇る米国マーケット。経済動向や注目トピックの解説、そして日本に与える影響まで踏み込んだ旬な情報をお届けいたします。

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

雇用統計直前レポート

ADP雇用統計(前月差) 3月 +18.9万人 市場予想 +22.5万人 前月 +21.4万人(上方修正)

(予想)非農業部門雇用者数 3月 市場予想 +24.5万人 マネックス証券 +20-21万人

ISM製造業景況感指数 3月 51.5 市場予想 52.5 前月 52.9

新車販売台数(年率換算) 3月 1715万台 前月 1623万台

■非農業部門雇用者数は20-21万人増を予想

米雇用関連会社のオートマチック・データ・プロセッシング (ADP)が1日に発表した3月のADP雇用統計で「民間非 農業部門雇用者数」は前月から18.9万人増と2014年1月 以来1年3ヶ月ぶりに20万人の節目を割り込み、市場予想 を下回る結果となった(グラフ参照)。ADP雇用統計は3ヶ 月連続で前月から雇用者数の伸びが鈍化した格好だ。

ADP雇用統計は期待を下回る結果となったが、元々単月 のブレが大きい数字のため今月の結果だけで米国の雇 用状況に陰りが見られるとまでは言えない。現に、2日に 発表された新規失業保険申請件数は26万8000件と市場 予想を大きく下回る(好ましい)申請件数だった(グラフ参 照)。

労働関連指標がまちまちで判断が難しいが、マネックス証券では雇用統計の非農業部門雇用者数を前月からやや増加ペースが鈍ると想定し、前月差20-21万人増と予想している。なお、今月雇用統計が発表される3日は聖金曜日のため米国株式市場は休場となる。

■鈍化続くISM製造業指数と反発した新車販売台数

1日に発表されたISM製造業景況感指数は51.5と前月 の52.5から悪化し、市場予想(51.5)も下回った。ヘッド ラインが前月から悪化したのは12月以降4ヶ月連続で、 気づけば悪化と改善の境目となる50を伺う水準まで低 下した。指数の内訳を見ても、ヘッドラインを構成する5 項目のうち「生産」が前月から小幅に悪化したのを除 いて、「新規受注」・「在庫」・「雇用」・「入荷遅延」の4項 目はいずれも前月から悪化した(グラフ参照)。

一方、2日に発表された3月の新車販売台数は年率換 算1715万台と昨年11月以来の1700万台超えで、4ヶ月ぶりに増加に転じた(グラフ参照)。3月以降に発表さ れた米国の経済指標の多くが、前月から悪化したり、市場予想を下回ったりする中で、久々に重要指標が改 善に転じたことは好材料として捉えて良いだろう。

上値の重い米国市場だが、今後は1-3月期の米国 企業の決算発表に注目が移っていくことになる。株価 の見通しや決算速報は別途レポートでお伝えした い。

■用語解説

雇用統計(米国)

米政府による雇用環境を調査した統計。発表される 統計のなかでも、失業率(働く意欲がある人口に占める失業者の割合)と非農業部門雇用者数変化(農業従 事者を除いた雇用者数の増減)が市場で注目されやすい。通常は月初の金曜日に前月分が公表される。

ISM景況感指数

ISM(Institute for Supply Management 供給管理協会)が発表する景気転換の先行指標である。供給管理 協会が企業の担当者にアンケート調査を実施して作成しており、主要経済指標の中ではいち早く発表される ことから景気の先行指標として重要視されている。数値が50を上回れば企業の景況感が好転、50を下回れ ば悪化していることを示す。製造業、非製造業それぞれ別に指標が発表される。

新車販売台数

オートデータ社が毎月月初に前月分を発表する米国の新車販売台数。販売台数は個人消費動向の確認に 加えて、関連部品などが多岐にわたり製造業全体に影響をあたえるため注目を集める。

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