マーケット・アナリスト兼インベストメント・アドバイザー 益嶋 裕が様々な角度から焦点をあてて日本企業を紹介していきます。
<速報>訪日外国人は順調な拡大続く
7月の訪日外国人客数は191.8万人と過去最高を更新
本日(8月19日)14時に7月の訪日外国人客数が発表されました。191.8万人と単月として過去最高を更新し、前年同月比51%の大幅増となりました。6月末から始まった中国株の大幅下落によって、中国人訪日客への悪影響が大きいのではないかとの懸念がありました。結果的に7月の中国人訪日客数は57.7万人とすべての国・地域を通じて初めて単月で50万人を突破しました。グラフに示したように、中国人観光客の前年同月比の増加率は105.1%と前月の167.2%に比べるとやや鈍化しました。現時点では株安の影響がどの程度出ているのかは判断できませんが、引き続き中国人観光客の訪日意欲は旺盛に推移したようです。
人民元切り下げで今後は伸びが鈍化?
ただ、8月以降の中国人の訪日にはもう1つ不安要素があります。それは、8月11日から3日連続で人民銀行が対ドル基準レートの切り下げを行って元安が進んだことです。8月以降は中国株安の影響に加えて、元安の影響がどの程度出てくるかがポイントとなります。巻末の表に示したようにいわゆるインバウンド関連株は外国人観光客の増加による業績加速への期待が高く、株価の上昇が目立っていました。
筆者はグラフに示したように人民元の対円レートがいまだに高値圏にあることから、急激な来日鈍化にはつながらないと見ていますが、いずれにせよ9月16日に発表される8月分の訪日客数にはいつも以上に注目が集まりそうです。
(ご参考)インバウンド関連銘柄の株価バリュエーション(8月18日時点)
(※)印刷用PDFはこちらよりダウンロードいただけます。