シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之が日本企業の決算内容や業界分析等を分かりやすく解説します。
【決算メモ】ハイデ日高(7611)
13年連続の最高益更新と11年連続の増配に向け順調な折り返し
ハイデ日高が9月28日に発表した上期(2-8月期)決算は売上高が前年同期比7%の増収、営業利益が同11%の増益となりました。新規出店は計画を下回ったものの、既存店売上高が2.4%増と順調に推移し、売上高、営業利益とも計画を上回って着地しました。通期予想は営業利益で前期比6%増という従来予想を据え置きました。やや保守的にもみえますが、13期連続の最高益更新に向けて順調な折り返しになったといえます。
ハイデ日高は東京、千葉、埼玉、神奈川といった1都3県を中心に8月末で360店舗余りを展開するラーメンチェーンで、他のラーメンチェーンと異なって駅前などの繁華街一等立地で店舗を展開するのが特徴です。繁華街の好立地に出店することで競合が少なく価格競争などに巻き込まれないといったメリットがあり、こうした店舗で低価格の主力メニューに加え、季節に応じた期間限定のメニューを投入することや、チョイ飲み需要をうまく取り込むことで成長を続けています。
年間30店舗の出店目標という出店投資を踏まえて配当性向は25%以上を目処としていますが、継続的な利益成長を受けて11年連続で配当も増え続けています。今期の年間の配当予想は1株当たり36円と前期から横ばいですが、1.2株の株式分割を考慮すると実質的には増配となります。9月も既存店売上高は前年同月比0.7%増と前年を上回っています。11年連続に向けて順調なスタートを切ったといえます。
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