シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之が日本企業の決算内容や業界分析等を分かりやすく解説します。
【決算メモ】ハニーズ(2792)
生産のアセアンシフトで国内は回復 中国の立て直しが課題
7日に発表となったハニーズの上期(2015年6-11月期)決算は売上高が前年同期比1%増の291億円、営業利益が同2.2倍の16.7億円となりました。売上高は計画に届きませんでしたが、営業利益は国内の回復もあって計画を大きく上回って着地しています。
国内売上高は既存店売上高が伸び悩んだこともあり前年同期比で小幅な減収となりました。しかし、生産のアセアンシフトを進めた効果によって粗利益率が改善したことや、経費コントロールにより国内の営業利益は同2.4倍と急回復をみせています。
中国は同業他社の売り上げが前年の8割程度の水準に落ち込んでいるとみられるなかで健闘し、堅調に推移しました。上期の既存店売上高が前年同期比3.7%増と前年の水準を上回ったこともあって中国の上期売上高は同11%増となっています。
しかし、滞留在庫の処分などにより粗利益率が悪化し、中国の営業利益は引き続き低水準のままです。中国では不採算店舗からの撤退など改革を進めていますが、9月以降の既存店売上高に陰りもみられるなど厳しい環境が続きそうで、引き続き中国の立て直しが課題となっています。
(※)印刷用PDFはこちらよりダウンロードいただけます。