シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之が日本企業の決算内容や業界分析等を分かりやすく解説します。
第3四半期 決算集計報告
1月の下旬からスタートした3月期決算企業の第3四半期決算も2月中旬に終わりました。そこでその結果をTOPIX500採用の3月期決算銘柄を対象に集計してみると、上方修正に踏み切った企業数56に対して、下方修正に追い込まれた企業44と、上方修正が下方修正を上回りました。
しかし、金額でみると下方修正が上方修正を大きく上回ります。原油価格の下落や新興国の景気減速、スマホの失速などを受けて下方修正が1兆円余りに上ったのに対して、上方修正は2800億円強に止まり、トータルでは7300億円程度の下方修正となりました。
下方修正で金額が特に大きかったのがJXホールディングス(5020)で、1100億円の営業黒字予想が1000億円の営業赤字と2100億円の下方修正となっています。また、不適切会計問題で揺れた東芝(6502)が営業利益を900億円引き下げたほか、日立(6501)も当期利益を700億円下方修正しています。
一方で上方修正が目立ったのが原油価格下落の恩恵を受けた電力や医薬品で、中部電力(9502)を初め3つの電力会社が営業利益を上方修正しています。また、医薬品では武田薬品工業(4502)や田辺三菱製薬(4508)、第一三共(4568)、小野薬品工業(4528)などが営業利益の見通しを引き上げています。
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