日本株銘柄フォーカス

シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之が日本企業の決算内容や業界分析等を分かりやすく解説します。

金山 敏之 プロフィール

【決算メモ】ニトリホールディングス(9843)

30期連続の増収増益へ

28日に発表したニトリホールディングスの2016年2月期の前期実績は売上高が前期比9.8%増収の4581億円、営業利益が同10.2%増益の730億円となり、会社計画を売上高、営業利益ともに3%程度上回って着地しました。既存店売上高が3.2%増と前年を上回ったうえ、販管費の増加を原価の改善で吸収し29期連続の増収増益を達成しています。

円安が業績にマイナスに働くニトリですが、前期は円安による減益要因を商品入替等の原価改善でカバーしています。1円の円安が16億円の減益要因となることから前期は円安が粗利益率を0.9ポイント引き下げたものの、円安によるマイナスを上回る商品入替等による原価改善で粗利益率は53.2%と前々期から0.9ポイント改善しています。

今期は円安の影響をカバーし切れず粗利益率は悪化する見込みです。今期は半分程度の商品を入れ替える予定で、これが粗利益率を2.1ポイント押し上げますが、円安による悪化を補い切れず粗利益率は前期に比べ0.6ポイント低下する予定です。しかし、既存店売上高が2.9%増と引き続き伸びる見込みのうえ、販管費比率の低下もあって営業利益は前期比8.2%増益の790億円となる見通しです。

会社計画におけるドル円の前提は110円ですが、今期は108円で既に予約済みです。したがって売り上げが大きく上振れてスポットで為替をとりにいくようなことがなければ、為替のマイナス影響が結果的に小さくなる可能性もあります。今期も二桁の営業増益で30期連続の増収増益に期待したいところです。

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