シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之が日本企業の決算内容や業界分析等を分かりやすく解説します。
【決算メモ】ハニーズ(2792)
生産のアセアンシフトで国内の競争力が回復
ハニーズが5日に発表した2016年5月期の業績は売上高が前期比1.3%減の582億円、営業利益が同30.2%増の28億円となり、売上高は計画を若干下回ったものの、営業利益は計画を大きく上回って着地しました。また、同時に発表した2017年5月期の業績予想は売上高が1.4%減の574億円、営業利益が32.9%増の37億円の計画となっています。
このように大幅増益が続くのは、中国は百貨店での出店が中心で依然として厳しいものの、消費者の低価格指向が一段と強まるなか生産のアセアンシフトによりリーズナブルな価格設定が可能となったことで国内の競争力が回復しているためです。既存店の客数をみると前期の上期が1.3%減とマイナスだったのに対し、商品価格を引き下げた下期は1.6%増と増加に転じ、6月は9.1%増と大きな伸びを示しています。
このように国内既存店の回復がみられるなか、円高で国内の利益率の改善も期待できそうです。ドル円で110円を前提に今期の国内事業の粗利益率は前期比横ばいに設定されています。足元のドル円の水準からみると保守的で上振れる可能性がありそうです。
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