シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之が日本企業の決算内容や業界分析等を分かりやすく解説します。
【決算メモ】クリエイトSDホールディングス(3148)
引き続き最高益予想ながら出店が課題
神奈川県を中心にドラッグストアーを展開するクリエイトSDホールディングスが11日に発表した2016年5月期の業績は売上高が前期比8.4%増の2318億円、営業利益が同30.1%増の139億円となり、営業利益は過去最高を更新しています。
既存店売上高は、客数と客単価の両方が伸びたことで3.5%増と堅調に推移しました。客数が品揃えの充実と単品ごとの特売価格政策により1.0%増となったほか、客単価も売価の見直しや高付加価値品・大容量品の展開により1.4%増となっています。
営業利益は売上高が順調な伸びを示すなか、粗利益率の上昇に加え、販管費比率の低下もあって3割増の大幅増益となりました。粗利益率は特売品価格を抑制し、単品ごとの特売価格政策をとったことや、高付加価値品の展開で前期比0.5ポイント上昇しています。また、販管費比率は水道光熱費や物流費などを抑えたことで0.5ポイント低下しています。
今期の計画は売上高が前期比6.8%増の2477億円、営業利益が5.3%増の147億円で、営業利益は引き続き最高益更新が見込まれています。新規出店はドラッグストアーで40店、調剤薬局で23店の予定で前期を大きく上回ります。店舗開発の人員を増員してはいるものの、出店基準が厳しく設定されていることもあって前期同様に計画に届かない可能性もありそうです。
(※)印刷用PDFはこちらよりダウンロードいただけます。