シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之が日本企業の決算内容や業界分析等を分かりやすく解説します。
【決算メモ】ブロンコビリー(3091)
客数増で既存店が堅調
東海地区を中心に関東や関西地区でステーキチェーンを展開するブロンコビリーが15日に発表した上期(1-6月期)決算は、売上高が前年同期比19.1%増、営業利益が同30.0%増と二桁の増収増益となり、売上高、営業利益とも中間期として過去最高を更新しました。会社計画に対しても売上高が2%以上、営業利益が7%近く上振れて着地し、順調な折り返しとなりました。
ブロンコビリーでは様々なキャンペーンやイベントを実施することで客数が伸びています。客数減を客単価アップで補う会社が目立つなかで、ブロンコビリーでは客数増を背景に既存店が伸びており、この上期の既存店売上高は2.0%増となっています。通期の既存店売上高はほぼ横ばいが前提となっていますが、上期の既存店が堅調な伸びをみせるなか保守的な計画にみえます。
通期の粗利益率の前提も保守的です。上期の粗利益率が1.1ポイント改善したのに対し、通期の粗利益率は0.2ポイントの改善に止まる計画となっています。足元で円高が進行していることや、牛肉の需給がオーストラリアからの中国や米国に対する輸出が減って緩んでいることなどを考慮すると粗利益率の一段の改善が期待できそうで、据え置きとなった通期予想の上振れもありそうです。
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