日本株銘柄フォーカス

シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之が日本企業の決算内容や業界分析等を分かりやすく解説します。

金山 敏之 プロフィール

【決算メモ】 ライトオン(7445)

今後の既存店動向に注意

ライトオンが27日に発表した2016年8月期の決算は、売上高が前期比10.5%増収、営業利益が同61.3%増益となりました。売上高は3月に上方修正した修正計画を小幅に下回りましたが、商品強化や販促効果などにより既存店売上高が9.2%増と高い伸びをみせたことで二桁の増収を確保しています。また、営業利益は季節商品の値下げロス増加による粗利益率の悪化を販管費率の低下でカバーし、ほぼ計画通りの水準に着地し大幅な増益となっています。

今期は粗利益率の改善(1.7ポイント)や既存店売上高3%増などを前提に、売上高が前期比5.2%増収、営業利益が同8.5%増益の計画です。しかし、今期のスタートは厳しいものとなっています。9月(8月21日-9月20日まで)の既存店売上高は、全国的に平年に比べ気温が高かったうえ、度重なる台風の影響もあって羽織物やアウターなどの秋物が苦戦したことなどから12.2%減と二桁の減少となっています。

気候不順により不振となった9月の既存店売上高ですが、そもそも今期の既存店売上高のハードルは高いといえます。昨年10月の既存店売上高は「モコモコジーンズ」のテレビCM効果でのヒットもあって24.5%増と高い伸びとなっています。11月以降も二桁の伸びを示した月が4回あり、前期に前年割れとなったのは今年の7月のみです。今期の既存店売上高の計画は前期実績に比べて高くないものの、今後の既存店の動向には注意が必要です。

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