日本株銘柄フォーカス

シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之が日本企業の決算内容や業界分析等を分かりやすく解説します。

金山 敏之 プロフィール

【決算メモ】日立(6501)

円高に修正も業績予想は据え置き

日立が28日に発表した上期決算は、売上高が円高や日立物流と空調事業の再編の影響で前年同期比9.4%減収、営業利益が同15.0%減益となりました。しかし、営業利益は円高の影響を除くと前期並みの水準で、事業部門別では9セクター中8セクターが円高の影響を除くと増益を確保しています。

通期の業績予想は、為替の想定レートが円高に見直されたにも関わらず売上高で9兆円、営業利益で5400億円と従来予想から据え置きとなりました。下期の想定レートはドル円で110円から100円に、ユーロ円で120円から110円に修正されており、この見直しによるマイナスはポンドと元の影響も加えて売上高で1800億円、営業利益で270億円となります。

それでも業績予想が据え置かれたのは、上期の営業利益が情報・通信システム事業や電子装置・システム事業などを中心に未公表の社内計画をトータルで300億円上振れたことに加え、構造改革や原価低減策の効果が期待できるためです。為替の想定レートが円高に修正されたにも関わらず業績予想が据え置かれたことで決算発表翌営業日(10月31日)の日立の株価は5%高となっています。

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