シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之が日本企業の決算内容や業界分析等を分かりやすく解説します。
【決算メモ】亀田製菓(2220)
柿の種の値上げ効果で大幅増益
亀田製菓が10月31日に発表した上期決算は、売上高が前年同期比2.4%増収、営業利益が同77.5%増益となりました。売上高は計画を下回ったものの、営業利益は計画を小幅に上回り、売上高、営業利益はともに過去最高を更新しています。
上期の国内の売上高は小幅に前年を下回りました。これは店頭での価格維持を強力に進めている「柿の種」を値上げし、主力商品である柿の種の販売数量が前年割れとなったためですが、値上げによる採算改善などで国内の営業利益は前年上期を5割近く上回る増益となっています。
採算重視の国内に対して海外は規模拡大を進めています。この上期も北米を中心に海外は1割余りの増収となっています。しかし、先行投資負担もあって海外事業の営業損益は赤字ですが、今期は前期より赤字額が縮小する見込みです。
新規事業では長期保存食が好調です。備蓄食料の買い替えサイクル期にあたったことと、熊本地震により需要が増加しています。新規事業の利益額はまだ小さいものの、今期の営業利益は前期比で倍増となる見通しです。
(※)印刷用PDFはこちらよりダウンロードいただけます。