シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之が日本企業の決算内容や業界分析等を分かりやすく解説します。
【決算メモ】ツルハホールディングス(3391)
ほぼ計画通りの折り返し
ドラッグストアー大手のツルハホールディングスが19日に発表した2017年5月期の上期決算は、売上高が前年同期比19.4%増収の2890億円、営業利益が同30.9%増益の188億円となりました。売上高は、既存店売上高が食品の取り扱いを開始した店舗での来店客数が大きく伸びたことや、重点商品への注力、売れ筋商品の売り場拡大などにより前年同期比1.0%増と堅調に推移したことなどから、会社予想に8億ほど届かなかったもののほほ計画通りとなっています。
粗利益率はおよそ3000SKU (ストック・キーピング・ユニット 在庫管理の単位)で販売価格の見直しを行ったことや、PB商品の絞り込みなどで前年上期の28.1%から28.5%へと改善しています。また、販管費比率も人件費比率の低下から前年上期の0.2ポイント低下し、この結果、営業利益は会社予想に対して1億円弱の未達となったものの、こちらもほぼ計画通りとなり順調な折り返しとなっています。
ツルハホールディングスでは、上期の新規出店数55店舗をあわせて今期125店舗の新規出店を計画していますが、残りもほぼ契約が完了していることから計画通りの出店ができる見込みです。こうしたなか上期の業績がほぼ計画に沿った着地となったことから、売上高で前期比10.5%増収の5830億円、営業利益で同18.4%増益の371億円といった通期の業績予想を据え置いています。計画通りとなれば営業利益は前期に続いて過去最高益となる見通しです。
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