シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之が日本企業の決算内容や業界分析等を分かりやすく解説します。
【決算メモ】ニトリホールディングス(9843)
30期連続の増収増益を達成
ニトリホールディングスが28日に発表した2017年2月期の決算は、売上高が前期比12.0%増収の5129億円、経常利益が同16.7%増の875億円となりました。30期連続の増収増益を達成し、この30年で売上高は50倍、経常利益は164倍となっています。
既存店売上高は5.5%増となりこの5年間で最も高い伸びとなりました。客単価が横ばいとなるなか客数が伸びたことで2.9%増という会社計画を上回っています。そしてこうした既存店の高い伸びもあって売上高は5000億円という会社計画を3%近く上回って着地しています。
粗利益率は6円42銭の円安による悪化(2.0ポイント)を、商品入れ替えなどによる原価対策による改善(3.0ポイント)で吸収し1.0ポイント上昇しました。悪化を見込んでいた粗利益率が予想に反して改善したこともあって経常利益は会社計画を1割近く上回っています。
今期の会社計画は、既存店売上高1.9%増、ドル円104円(予約済み)を前提に売上高が前期比10.7%増の5680億円、経常利益が同14.2%増の1000億円となっています。ただ、この計画は経常利益1000億円ありきの計画にもみえます。
数字を積み上げた結果とニトリでは説明していますが、4円余りの円高になるにも関わらず粗利益率が0.2ポイントの改善に止まる計画で保守的な印象です。好調な都心部での出店もあって今期も前期同様に会社計画を上回る結果となりそうです。
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