日本株銘柄フォーカス

シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之が日本企業の決算内容や業界分析等を分かりやすく解説します。

金山 敏之 プロフィール

【決算メモ】セブン&アイ・ホールディングス(3382)

米スノコLPからのコンビニ買収を好感

セブン&アイ・ホールディングが6日に発表した2017年2月期の決算は、売上高に当たる営業収益が前期比3.5%減収、営業利益が同3.5%増益となりました。営業収益は円高の影響で減収となりましたが、営業利益は堅調なコンビニ事業に加え、イトーヨーカ堂の大幅な収益改善もあって増益を確保し、過去最高益を更新しています。

今期は営業収益が前期比4.5%増収、営業利益が同6.0%増益となる見通しです。海外を中心にコンビニ事業が引き続き好調なほか、イトーヨーカ堂での改善が続くうえ、百貨店事業も好転する計画となっています。コンビニ事業の利益計画は保守的にもみえますが、その一方でイトーヨーカ堂や百貨店事業の計画はハードルが高そうにみえます。

決算発表翌日(7日)のセブン&アイ・ホールディングの株価は4%以上上昇しました。決算には大きなサプライズはありませんでしたが、同時に発表された米国のスノコLP(SUN)からのコンビニエンスストア買収が好感されました。セブン&アイ・ホールディングはガソリンスタンド併設型のコンビニエンスストア1,108店舗をおよそ33億ドルで買収する計画です。

セブン&アイ・ホールディングの説明によれば、買収するコンビニは米国で展開するセブンイレブンの店舗と同等かそれ以上の実績を残しているようです。買収する店舗の1店舗当たりの日販は米国のセブンイレブンの店舗と同等以上で、ブランド力が高いガソリンの販売量はセブンイレブンの1.5倍にのぼるとのことです。

このため今後15年間にわたりスノコLPよりガソリンの供給を受ける契約を締結する予定です。それによりブランド力のあるガソリンをセブンイレブンの店舗でも販売することが可能になり、ガソリン販売の拡大も期待できるとしています。また、出店地域もセブンイレブンの店舗と重複しており、ドミナント化が図れる点もメリットとだとしています。

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