マーケット・アナリスト兼インベストメント・アドバイザー 益嶋 裕が様々な角度から焦点をあてて日本企業を紹介していきます。
成長加速!なのに過去と比べて低評価に甘んじている銘柄は
日本株は割安との見方変わらず
9日の日経平均は508円安の21,382円と大幅に反落しました。気付けば日経平均は直近の高値である1月23日の終値24,124円から3,000円近く値下がりしたことになります。日経平均の9日時点の予想PERは13.1倍まで低下しました。企業業績は変わらず好調で、日経平均の予想1株当たり利益(EPS)は足元で1,634円と決算発表シーズン入りする前の昨年末から120円以上上方修正されています。現在の株価は業績の割に売られすぎで割安であるとの筆者の見方は変わっていません。以下のグラフに示したように、日経平均の予想PER14割れというのは、過去5年程度を振り返ると結果として買い場となることが多くありました。今回の調整も、やや長めの目線で見れば押し目買いの好機になる可能性が高いのではと考えています。
好業績で成長加速見込みも評価が上がっていない銘柄とは
上述したように現在の日本株は全体として割安な水準にあると考えています。そしてそれにもまして、こういった暴落の局面では本来は業績が好調で成長力のある魅力的な銘柄が全体の下げに巻き込まれて本来の価値よりも割安になりやすいと考えています。そこで今回の銘柄フォーカスでは、「業績が好調で成長が加速する見込みなのに、市場の評価が過去に比べて低い銘柄」をリストアップしました。具体的なスクリーニング条件は以下の通りです。
上記の条件で抽出したところ、以下の15銘柄がリストアップされました。
直近の予想PERと2016年初~2017年末の2年間の平均予想PERは下記の表にしました。
リストに出てきたのは、リニカル(2183)、サントリー食品インターナショナル(2587)、エービーシー・マート(2670)、あい ホールディングス(3076)、クリエイトSDホールディングス(3148)、ユニゾホールディングス(3258)、メディアドゥホールディングス(3678)、セレス(3696)、Ubicomホールディングス(3937)、旭有機材(4216)、野村総合研究所(4307)、パラカ(4809)、ヨータイ(5357)、エボラブルアジア(6191)、日本エアーテック(6291)、シンフォニア テクノロジー(6507)、アルビス(7475)、日本エム・ディ・エム(7600)、東京エレクトロン(8035)、ヤオコー(8279)、九州リースサービス(8596)、京王電鉄(9008)です。
今回もかなり銘柄が多くなったので、上記から10銘柄をピックアップしてビジネスの内容や業績推移についてマネックス銘柄スカウターを活用してご紹介します。ご参考になれば幸いです。
リニカル(2183)サービス業
治験などの医薬品開発受託業務を行う。売上の約2割は海外。
エービーシー・マート(2670)小売業
靴小売の最大手。業績伸び鈍化も足元は回復傾向に。
あい ホールディングス(3076)卸売業
防犯カメラシステムの運営などを手掛ける。
クリエイトSDホールディングス(3148)小売業
神奈川を中心に展開するドラッグストア。着実に増収も足元は2四半期連続で営業減益とやや苦戦。
ユニゾホールディングス(3258)不動産業
東京を中心にオフィスビルを展開。また、ビジネスホテルも積極的に開業している。
野村総合研究所(4307)情報・通信業
野村證券系で、コンサルティングやシステム開発などを手掛ける。
日本エム・ディ・エム(7600)卸売業
骨接合材料や人工関節などの医療関連機器を製造、販売。
ヤオコー(8279)小売業
埼玉県を中心に関東で食品スーパーを展開。
九州リースサービス(8596)その他金融業
リース、ファイナンス、不動産関連ビジネスを九州で展開。
京王電鉄(9008)陸運業
鉄道、バス、不動産、百貨店、ホテルなどを展開。
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