シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之が日本企業の決算内容や業界分析等を分かりやすく解説します。
【決算メモ】ダイドードリンコ(2590)
自販機での相互販売に注目
2月26日に発表されたダイドードリンコの2016年1月期決算は売上高がほぼ横ばい、営業利益が小幅減益となりました。営業利益はコーヒー豆等の原材料価格の高騰による粗利益の減少で前期比3.6%減の49億円となったものの、自動販売機に関わる費用の減少などで計画を5億円近く上回っての着地となりました。
今期は主力の飲料販売部門が前期比1.5%増となる見通しで売上高は同2.0%の増収を確保する見込みです。営業利益は販促費増加などによるコスト増はあるものの、飲料販売部門の販売数量増と原価低減による粗利益の増加でカバーし、前期実績をわずかに上回る50億円となる見通しです。
ダイドードリンコでは4月からキリンビバレッジと自販機での相互製品販売を開始する予定です。ダイドーが主力の「ダイドーブレンド」シリーズのコーヒー飲料2商品をキリンビバレッジに供給する一方で、キリンビバレッジの「午後の紅茶」2商品をダイドードリンコが販売する予定です。
これはダイドードリンコにとって初の自販機での業務提携で、ある意味独立独歩でやってきたダイドードリンコにとって大きな方向転換にもみえます。ダイドードリンコのコーヒー飲料は強いブランド力を有しているだけに、こうした動きがキリンビバレッジ以外にも広がるかが注目されます。
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