ストラテジーレポート

チーフ・ストラテジスト 広木 隆が、実践的な株式投資戦略をご提供します。

広木 隆が投資戦略の考え方となる礎を執筆しているコラム広木隆の「新潮流」はこちらでお読みいただけます。

広木 隆 プロフィール Twitter(@TakashiHiroki)

続・24日のトレーディング・アイデア <フォローアップ>

昨日のレポートの続きとポイントの修正である。

一昨年のスコットランド独立を巡る国民投票の際に、改めて「イギリス」という国家のことを勉強し直したひともいるだろう(実は僕もそのひとりである)。正式名称は、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」であり、そのなかに、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国がある。これはサッカーファンなら、現在開催中のユーロカップやワールドカップに出場するのは、「英国」というチームはなく、イングランドやウェールズがそれぞれのユニフォームと国旗を掲げて戦っていることで馴染みがあろう。

今回のEU離脱を問う国民投票は、「英国」全土で382の集計所(英語ではCounting Officer)で行われ、それを12の地方で集計するシステムになっている。12の地方とは、9つの地方があるイングランドにウェールズ、スコットランド、北アイルランドの合計である。

このうち、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドは残留でほぼ決まりとみてよい。問題はイングランドである。漁業問題で不満の多い沿岸部や東欧からの移民が多い東部は離脱派が多い。地図で赤く塗った地方だ。但し、人口はそれほど多くないのでこれらの地方が離脱多数となっても全国レベルの決定打にはなるまい。

やはり人口850万人を抱えるロンドンが鍵を握る。ロンドンはビジネスの拠点であり、そもそもリベラルな国際都市だ。残留派優位である。

もうひとつの目玉はケント州などのあるサウスイースタン。一部がロンドンのベッドタウンにもなっていることから人口はロンドンを上回る。この地域の世論は離脱・残留で拮抗しておりどちらに転ぶかわからない。

地方別の開票時間を見ると、ロンドンやスコットランドなど残留優位の地方は早い時間に開票が進む。だから24日は最初は残留期待の高まりから株高・円安となる可能性が高い。だが、そのうち離脱派の多い地方の開票が進むと再び不透明感が増すだろう。なので、勝負はサウスイースタンの票の行方である。ここを集中的に見ていくべきだろう。サウスイースタンの態勢がほぼ決まるのは午後1時前だ。勝負はこの時間までに決すると思われる。昨日のトレーディング戦略を若干修正したい。

【お知らせ】「メールマガジン新潮流」(ご登録は無料です。)

チーフ・ストラテジスト広木 隆の<今週の相場展望>とコラム「新潮流」とチーフ・アナリスト大槻 奈那が金融市場でのさまざまな出来事を女性目線で発信する「アナリスト夜話」などを毎週原則月曜日に配信します。メールマガジンのご登録はこちらから

(※)印刷用PDFはこちらよりダウンロードいただけます。

レポートをお読みになったご感想・ご意見をお聞かせください。

過去のレポート


マネックスレポート一覧

当社の口座開設・維持費は無料です。口座開設にあたっては、「契約締結前交付書面」で内容をよくご確認ください。
当社は、本書の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本書の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。

利益相反に関する開示事項

当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、ならびに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。