ストラテジーレポート

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円安を背景に日本株は堅調な展開を予想 中国指標警戒も日経平均は9月高値を試す場面も

先週は月曜日が祝日だったためメルマガ「新潮流」も休刊させていただき、「今週のマーケット展望」はストラテジーレポートとして配信した。そこではこう述べた。

<週を通じてどこまでドル高円安基調を取り戻していけるかが今週の焦点。あくまでもトレンドの確認ができれば上出来なので、日経平均も上値追いはなく、上値17000円-下値16500円のレンジ内推移にとどまるだろう。>

先週の相場の動きはほぼこの見立て通りだった。「上出来」である。ドル円相場は、一目均衡表の雲に絡む動きで、この雲を今年初めて抜けたばかりだから、雲のうえに明確に出ようという動きは続くだろうと書いた。そして実際にその通りの展開となった。

今週の焦点は、ドル円が一目均衡表の雲から放れてさらに円安が進むかどうかである。材料となりそうな経済指標は、17日に発表される米国の9月鉱工業生産。8月は前月比マイナス0.4%と大きく下振れしたがISM製造業景況感指数が持ち直していることから鉱工業生産も回復するだろう。

そして最大の注目は18日に発表される9月のCPIだ。8月はコアCPI(除食品・エネルギー)が住宅、医療費の上昇で2月以来の大幅な伸びとなった。前年比では2月と並んで2.3%の上昇だった。これは12年5月以来の高水準。仮に前月の水準からさらに伸びが加速すれば今回の景気回復局面でもっとも高いインフレ率となる。例えば8月よりも0.1%高い前年比2.4%という数字になれば、それはリーマン危機直前の2008年8月に記録した2.5%以来の水準だ。12月利上げ確率が一段と高まり、ドル高要因となる可能性がある。

そのほかでは19日発表のベージュブック(地区連銀経済報告)、9月住宅着工件数、翌20日の9月中古住宅販売件数などがある。

先週、久しぶりに中国の経済指標で相場が荒れる場面があったから今週発表される中国の指標も必然的に警戒感をもって見守られるだろう。19日に1-9月固定資産投資、9月鉱工業生産、9月小売売上高、そして7-9月GDPが発表される。先週発表された貿易統計は市場のかく乱要因になったが、続いて発表された9月の物価統計では、生産者物価指数(PPI)が前年比0.1%上昇と、2012年1月以来初めて前年比でプラスになった。消費者物価指数(CPI)も市場予想以上に上昇が加速した。今週発表される指標も警戒視はされるが、案外堅調な結果となるのではないか。

経済指標以外では19日に行われる米大統領選の両候補の第3回目テレビ討論会と20日のECB理事会が大きな材料か。ECB理事会は政策変更はないと予想されるが、会合後のドラギ総裁の記者会見に注目が集まる。

毎回おなじみだが20日の安川電機(6506)を皮切りに国内ではいよいよ決算発表シーズンが始まる。安川電機と言えば前回7月の4~6月期の決算発表は印象的だった。決算発表翌日、安川電機の株価は一時前日比6%高まで上昇し、約6カ月ぶりの高値をつけた。決算は大幅減益だったが、主力の制御機器などの中国向け受注が回復傾向にあることが判明。好感した買いが集まったのだ。これ以降、決算の数字自体は振るわなくても内容が悪くなければ株価が好反応を示すケースが散見された。

市場では4-9月期の決算発表に関して、円高による業績下方修正懸念が根強いようだが、米国や中国の経済指標が堅調で円高が修正されるなか、前回の安川電機のようなケースが今回の決算発表シーズンでも多くみられるのではないか。

今週のメインシナリオは米国景気の堅調さを背景としてドル円相場が105円台を伺う展開を基本とし、日経平均は再度1万7000円台を回復、9月高値の1万7156円を抜く場面もあると予想する。

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