この「つぶやき」は、マネックス証券が開業する前夜1999年8月10日から、一営業日も休まずに書き続けてきました。マネックスメールは今日で第5842号ですので、5842回書き続けてきたことになります。正確には、911の同時多発テロの直後に3日間、「つぶやき」というタイトルを停止して、つぶやき内容を書き続けたことがあり、一方何回か週末に番外でマネックスメールを発行して、そこにつぶやきを書いたこともあります。
一営業日も休まずにとは、こう書くと短い言葉ですが、実際はかなりの長さになります。23年と10ヶ月間、雨が降っても槍が降っても、熱を出していようが、海外出張中であろうが、仕事の上でもプライベートでも、自分の身の回りにどんなことが起きていても、35歳から59歳までの間、全ての営業日書き続けてきました。これはもう、松本大という人間のコピーに近い代物だと思います。
元々は開業準備中に、完全なるベンチャー企業だった当社は、広告宣伝するお金もなかったので、メルマガならお金掛からないよね、ということでマネックスメールを始めたのですが、創刊日の直前、もしくは創刊日に、マネックスメールの編集長から、「社長、コンテンツが足りないんで何か書いてください」のひと言でこの「つぶやき」を書き始めたのです。一度書くと次の日も書かざるを得ない。そうすると翌週も、そして翌月、翌年と、止められなくなったのでした。
そして当社は創業してから16ヶ月で上場したのですが(注:これはREITや企業からのスピンアウトでないゼロからのスタートアップの上場の速さとしては、未だに記録だと思います)、ウルトラベンチャー企業の最大のリスクは経営者であり、上場企業として、お客さまのお金を預かる金融機関として、最大のリスクである経営者のディスクロージャー・開示をすべきだと考え、毎日書き続けました。
会社のこと、マーケットのこと、社会のこと、世界のこと、そして個人的な様々な話。会社や世の中で何かが起きた時、それについて書くのもメッセージ、書かないのもメッセージ。何か言葉を書くのでさえ辛い時もありました。そんな「つぶやき」は、私にとって実は掛け替えのないデータベースです。過去24年間、様々なことが起きた中で、その時私はどう感じ、考え、判断したか、を全ての営業日について知ることが出来るのです。ですから私にとって大きな財産です。
一切書き溜めをしないことにして来たので、締め切り時間前は苦しむことも多くありました。世界に「ブログ」というものが生まれる前から書き続けてきました。最初に付けた名前が「つぶやき」。英語だとTwitterですね。或る意味、かなり先駆的だったと思います。
さてマネックスも25年目に入り、様々な変化を起こそうとしているこの時に、初めて、つぶやきのフォーマットも変えることにしました。来月から、週に一回だけつぶやくことにします。芸風(?)も少し変わっていくかも知れません。今月いっぱいは今まで通り毎日書きます。来月からも毎週書きます。これからもよろしくお付き合いください!
過去の「松本大のつぶやき」はこちら(マネクリへ移動します。)