若い起業家から「大塚さんは、何に注力するかをどのように決めていますか?」と聞かれることがあります。
私自身は、リーダーが自分の時間をどう使うかを判断する際、「比較優位の原理」に従うのが最も合理的だと考えています。
ここでいう「比較優位の原理」とは、数ある重要な経営課題の中でも、「自分以上にその課題に適切に対処できる人が組織内に誰一人いないもの」にこそ集中すべき、という考え方です。
ビジネスの世界で勝ち抜くための方程式を表すなら、次のようになると思います。
「勝つためのリーダーシップ」=「勝負する市場と勝ち方を選ぶ」 × 「自分の比較優位性が活かせるタスクに集中する(他は捨てる・権限移譲する)」
まず、「勝負する市場」とは、どの市場でビジネスを行うかという選択です。成長市場で戦うことは極めて重要です。
次に「勝ち方を選ぶ」とは、どのようなビジネスモデルを構築し、どのようなプロダクトやマーケティングで勝つのかという、いわば『戦略』にあたります。
そして最後の要素が、「自分の比較優位性が活かせるタスクに集中する」ということ。人間の時間は1日24時間しかありません。だからこそ、「自分がやりたいこと」や「得意なこと」ではなく、「自分以上にうまくできる人がいない課題」に時間を使うべきです。その他の業務は、思い切って捨てるか、適切に権限移譲しましょう。
「何に注力するか」を決めることは、意外と難しい判断を伴います。しかし、これは訓練によって磨かれるスキルでもあります。
これは、ビジネスに限らず、スポーツなど、人生の様々な時にも、応用できる考え方なのかなと思っています。
参考になるかもと思っていただいた方は、試してみてはいかがでしょうか?
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