今年は戦後80年という節目の年。子どもの頃、関西の小学校の修学旅行といえば広島の原爆ドームが定番でした。平和記念資料館の展示は小学生には衝撃が強く、怖くて目をつぶってやり過ごした記憶があります。でも、その「怖さ」があったからこそ、命の尊さや平和のありがたさが深く刻まれたのだと思います。
80年という時間は、人ひとりの一生に匹敵します。祖父母の世代は戦争から立ち上がり、復興を成し遂げ、豊かさを築きました。私たちはその努力の上に暮らしています。時代が変われば向き合う課題も変わりますが、「次の世代に何を渡すか」という問いは変わりません。
この歳になると、祖父母だけでなく、親しい人の旅立ちにも直面するようになりました。2023年、小学生の頃からの親友が45歳で亡くなりました。中学生当時は、恋の話、夢の話、くだらない話まで、何通もの手紙を交わしました。あの頃の言葉が詰まった手紙の束が、今も手元にあります。文字には声があり、気持ちがあり、時間を超えて語りかけてくれる力があります。
The大阪人らしいムードメーカーの彼女と大人になってからもよく遊びましたが、亡くなる5日前、病床でふと「くーこ、ずっとありがとうな」と涙を一粒こぼしました。彼女だけが私をそう呼んでいました。「せいめいゆうこ→せんべいくうこ」からの「くーこ」。謎すぎる変換です(笑)。もうそう呼ぶ人はいませんが、私は「あなたの分までアホに生きて楽しむで!」と、今でも心の中で返事を書いています。
もうすぐお盆です。ご先祖や大切な人が帰ってくるとされる時期。私は毎年、心の中で同じ約束をしています。誠実に、一所懸命に生きること。そして挑戦をやめないこと。その約束は、亡き人に向けたものであり、今を生きる自分自身への誓いでもあります。
戦後80年の夏に迎える今年のお盆、皆さんは、どんな人と、どんな約束を心の中で交わしますか?
過去の「マネックスみんなのつぶやき」はこちら(マネクリへ移動します。)