チーフ・アナリスト大槻 奈那が、金融市場でのさまざまな出来事を女性目線で発信します。
第53回 史上最大級イベントの感動効果
この週末は、弊社の投資セミナーを横浜で開催させていただきました。台風前の雨模様にも関わらず、約800人の方々にご来場いただきました。ありがとうございました。
今回のゲストはウィズダムツリー・ジャパンCEOのイエスパー・コールさん。彼の中期的な日経平均予想は4万円です。先週金曜日に27年ぶりの高値圏に達した局面で、元気のいいトーンで会場を盛り上げていただきました。
確かに、来年から翌2020年にかけ、日本はイベント目白押しです。来年5月に新天皇が即位し、次いで6月にG20サミットが初めて日本で開かれます。その後9月にラグビーのW杯。10月の消費増税に備えての景気対策もその前後に実行されるでしょう。そして翌年7月24日から、56年ぶりのオリンピックです。
過去、サミットとオリンピックという、いわば文武両方のトップイベントが連続で実施された国は、1983~4年のアメリカしかありません。当時はレーガノミクス最盛期でもあり、実質成長率は驚異の7.3%に達しました。
日本も、来年からの2年間のイベントの経済効果の合計は、直接的なものだけで2兆円を超えるとも試算されます。この期間、日本ほど世界のメディアで頻繁かつ、ポジティブなトーンで報道される国はないでしょう。
大きなイベントは単に経済を刺激するだけでなく、人々の心も刺激します。過去のさまざまな実験でも、スポーツ観戦等による「感涙」は、気持ちをリセットし盛り上げるとされています。「笑い」と違い、フェイクはNGで、玉ねぎで涙を流しても同じ効果は生じないとのことです。そして、景気は気から。ドラマの数だけ市場にもプラス効果が生じそうです。
私事で恐縮ですが、先日、出版社を営む友人から、よく当たるという占いの本をいただきました。これによれば、私の運気は今年が底で、来年から、うまくいけば上向き始めるかも、とのこと。ちょうどこうしたイベントも始まることですし、感涙効果で、なんとか運気も上げていきたいところです。