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◆昨日は、FOMC声明文で景気認識が若干上方修正され、次回9月利上げに向けて一歩近づいたとの見方から、発表後にドルが対主要通貨で一瞬下落したあと最終的には小幅高となったのが特徴的だった。
◆ドル/円は発表前に123円台半ばから123円台後半へじり高となったあと、発表後に一時124.02円へ続伸した。
◆ユーロ/ドルも同様に、1.10ドル台半ばで弱含みで推移した後、発表後に一時1.0967ドルへユーロ安ドル高となった。
◆FOMC声明文発表後の動きとしては、米中長期債利回りは発表後小幅低下したが発表前の小幅上昇を維持、米株価は景気認識の上方修正を受けて小幅高、ドルは対主要通貨で小幅高に留まった一方、新興国通貨売りには繋がらず、コモディティ価格も下落せずと、Fedからみてまずまずの反応といえるかもしれない。
◆本日は、Stevens・RBA総裁発言、豪住宅建設許可件数、ドイツ7月HICP(インフレ率)、そして米2QGDP速報値が発表予定となっているが、最大の注目点は米GDP成長率で、2%台半ばの市場予想程度に留まっても安心材料となりドル下支え材料となるが、年内2回利上げ期待の高まりとドル大幅上昇には、3%近い成長率が必要となりそうだ。
昨日までの世界:まずまずの反応?
ドル/円は、FOMC声明文発表前にかけて123円台半ばから123円台後半へじり高となったあと、声明文で景気認識が若干上方修正され、次回9月利上げに向けて一歩近づいたとの見方から、発表後に米中長期債利回りの低下と共に一瞬下落した後、反発し最終的には124.02円へ小幅続伸となった。米中長期債利回りの小幅低下にも拘らず、為替市場は利回りよりも声明文そのものを解釈して反応したかたちとなった。
FOMC声明文発表後の動きとしては、米中長期債利回りは発表後小幅低下したが発表前の小幅上昇を維持、米株価は景気認識の上方修正を受けて小幅高、ドルは対主要通貨で小幅高に留まった一方、新興国通貨売りには繋がらず、コモディティ価格も下落せずと、Fedからみてまずまずの反応といえるかもしれない。
ユーロ/ドルは、ユーロ/ドルも同様に、1.10ドル台半ばで弱含みで推移した後、発表後に一瞬上昇した後、結果的に1.0967ドルへユーロ安ドル高となった。
ユーロ/円は、136.60円前後でもみ合い推移となった後、FOMC結果発表後は、ドルが対円よりも対ユーロで大きく上昇したことから、一時135.98円と136円割れとなった。
豪ドル/米ドルは、アジア時間の中国株価の上昇やその後の原油価格の上昇には殆ど反応せず、むしろFOMCに向けて米中長期債利回りがじり高となったことから0.73ドル丁度方向へじり安となった後、声明発表後は一瞬上昇したもののすぐに下落基調に戻り、0.7282ドルへ下落した。
豪ドル/円は、アジア時間に90円台後半から90円台前半へ軟化した後は、豪ドルと円が対米ドルでほぼ同程度の動きとなったため、90円台半ばで方向感なくもみ合い推移となった。
きょうの高慢な偏見:米高成長は商品高につながりそうにない
ドル/円の最大の注目点は米GDP成長率で、2%台半ばの市場予想程度に留まっても安心材料となりドル下支え材料となり、黒田総裁の円安牽制発言が想起される124円台で定着できるかが焦点となる。因みに市場予想は前期比年率+2.5%で、前期にほぼ的中させたアトランタ連銀のリアルタイム予測(GDPナウ)も27日時点で+2.4%とほぼ同じ伸び率の見込みとなっている。とは言え、年内2回利上げ期待が高まり125円方向へ大幅上昇するには、3%近い成長率が必要だろう。
ユーロ/ドルは昨日の下落で7月27日の高値である1.1129ドルが目先の上値として意識されやすくなり、1.08-1.12ドルのレンジ観が強まっている。米GDPが余程大きく上下に振れない限り、このレンジは維持されそうだ。
豪ドル/米ドルは、米GDPが市場予想を上回る強い結果となる場合は、米ドル高主導で下落基調の再開がテーマとなりそうで、まずは直近安値である0.7257ドル割れを目指す展開となりそうだ。米経済の高成長でも、銅や鉄鉱石などコモディティ価格下支えには不十分で、コモディティ価格押し上げは期待できそうにないだろう。なお、本日は豪州でStevens総裁発言や住宅建設許可件数が発表予定となっているが、Stevens総裁は先週既に発言しており、1週間で内容がガラッと変わるとはみられず、注目度は低い。
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