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山本 雅文「FX戦略デイリー」

シニア・ストラテジスト 山本 雅文が国内外のファンダメンタルズ分析を基に、主に米ドル、ユーロ、豪ドル相場の先行き見通しを分かりやすく、かつ深く鋭く分析し予想するレポートです。
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シニア・ストラテジスト 山本 雅文のレポートは2015年10月30日をもって更新は終了しました。これまでご愛読いただきありがとうございました。
(10月 5日収録)
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2015年10月08日

欧米のミニッツ・マングローブはタカハト見分けがつくか

<ポイント>

◆昨日はまちまちの動きとなった。原油などコモディティ価格は上昇が一服したが豪ドルやNZドルなどのコモディティ通貨はプラス圏を維持し続伸となった。他方、ドル/円は米中長期債利回りは持ち直しが続いたが、日銀決定会合での追加緩和見送りを受けて120円台から119円台後半へ小幅下落した。
◆なお、今週入り後は弱い米雇用統計を受けた米利上げ期待の後退と資源価格の反発の中で、これまで大きく売り込まれていた新興国通貨の反発が著しい。先週末対比で、ロシアルーブル、インドネシアルピア、マレーシアリンギットは対ドルで各々7.5%、6.1%、4.7%の上昇となっている。個別の好材料が出ている訳ではないが、これだけ大きな反発となると、弱気見通しが後退する可能性が出てくる。
◆本日は、本邦8月経常収支(8:50)、本邦9月景気ウォッチャー調査(14:00)、英BoE金融政策決定・議事要旨(20:00)、ECB議事要旨(20:30)、米新規失業保険申請件数(21:30)、ブラード・セントルイス連銀総裁発言(22:30)、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁発言(2:00)、米FOMC議事要旨(3:00)、カーニー英BoE総裁発言(3:00)、ウィリアムズSF連銀総裁発言(4:30)などが予定されている。
◆ドル/円ではFOMC議事要旨が注目で、弱い米雇用統計前の議論ではあるが、9月FOMC声明文よりもタカ派的で利上げに向けた議論が多く含まれたタカ派的な内容となるリスクがあり、ドル下支え要因となりそうだ。とは言え、今回の議事要旨で年内利上げ期待が強まるとは想定しづらく、ドル/円は119-121円のレンジ相場が続きそうだ。

昨日までの世界:正午過ぎの円高

ドル/円は、日銀決定会合で一部に追加緩和期待があったものの追加緩和が決定されず現状維持となり、景気・物価認識も前月から変化しなかったことから、タカ派的な内容と受け止められ、失望から円高となり、120.30円前後から119円台後半へ下落した。その後は、米中長期債の米雇用統計後の持ち直し傾向が続く中で120円台を回復する局面もあったが、NY時間に再び下落し、一時119.75円の安値をつけた。

黒田総裁記者会見でも、目先の追加緩和姿勢は全く示されなかったといっていいが、市場では今回見送りでも次回10月30日に成長率・物価見通しの引下げと共に追加緩和を行うとの期待が根強く、ドル/円の下落は限定的となった。但し筆者は、政府・日銀の最近の姿勢変化を踏まえると年内は追加緩和が見送られ、ドル/円は米利上げ期待頼みの展開になるとみている(詳細は昨日付け投資戦略テーマ「ドル/円:追加緩和はまぼろし?」を参照)。

ユーロ/ドルは、欧米時間にかけて1.12ドル台後半から1.12ドル台前半へ軟化した。ドイツ鉱工業生産が前月比-1.2%と予想外の大幅マイナスとなり、ドイツ10年債利回りが低下したことなどが背景にあるが、基本的に小動きで、1.12ドルを中心としたレンジ内推移が続いている。ドイツ鉱工業生産も前月分は上方修正されている。
ユーロ/円は、ドル/円とユーロ/ドルが共に下落したことから、135円台半ばから134円台後半へ下落した。

豪ドル/米ドルは、原油などコモディティ価格の反発や、米雇用統計後の新興国通貨全般の反発基調の中で持ち直しが続き、0.71ドル台半ばから一時07235ドルの高値をつけた。但し引けにかけては、原油価格が反落したことから反落している。
豪ドル/円も、86円丁度近辺からじり高となり一時86.89円の高値をつけた。

きょうの高慢な偏見:欧米のミニッツ・マングローブはタカハト見分けがつくか

ドル/円はFOMC議事要旨(ミニッツ)が注目で、弱い米雇用統計前の議論ではあるが、ハト派的と解釈された9月FOMC声明文よりも、利上げに向けた議論が多く含まれたタカ派的な内容となるリスクがあり、ドル下支え要因となりそうだ。とは言え、今回の議事要旨で年内利上げ期待が強まるとは想定しづらく、ドル/円は119-121円のレンジ相場が続きそうだ。

ユーロ/ドルは引き続き1.12ドル丁度を中心としたレンジ取引が続きそうだ。ECB9月3日定例政策理事会の議事要旨が発表されるが、最近のECB高官発言と同様に、原油安を受けた総合インフレ低迷継続リスクが指摘される一方で、追加緩和には慎重な姿勢が改めて示される可能性が高く、どちらかというとハト派度の後退からユーロ下支えとなる可能性がある。

豪ドル/米ドルは、再開する中国株価やコモディティ価格、そして反発が著しいインドネシアルピアやマレーシアリンギットなどのアジア通貨動向を睨んだ展開となる。コモディティ価格やこれらアジア通貨の上昇が続けば豪ドルの持ち直し基調が続きそうだが、原油のように昨晩で上昇が一服したとすると、再び上値が重くなるリスクがある。

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