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◆昨日は、中国の輸入統計の予想比下振れを受けて中国景気減速懸念が再燃し、世界的な株安・コモディティ安、そして豪ドルなどコモディティ通貨やブラジルレアルなど新興国通貨の下落に繋がった。
◆本日早朝に、ウィーラーRBNZ総裁が追加緩和の可能性が強いと述べNZドルが大幅続落したことから、豪ドルもつれ安となり下落が加速した。
◆ドル/円は米利回り低下と共にじり安となり、一時119.55円の安値をつけた。
◆昨日はポンドが大きく上下した。アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)による英SABミラー買収合意との報道が流れると一時1.5388ドルへ上昇したが、その後英9月CPIが前年比-0.1%と市場予想を下回り再びマイナス圏となったこと、更にブリハBoE新金融政策委員がインフレが低すぎるなどとハト派的なトーンの議会証言をしたこともあり1.5201ドルへ急反落した。
◆本日は、中国9月CPIおよびPPI(10:30)、ノボトニー・オーストリア中銀総裁発言(16:00)、英8月週平均賃金(17:30)、ユーロ圏8月鉱工業生産(18:00)、米小売売上高およびコアPPI(21:30)、ブラード・セントルイス連銀総裁およびダドリーNY連銀総裁発言(23:30)、米地区連銀経済報告(3:00)などが予定されている。
◆中では米景気の牽引役である個人消費動向の代表的指標である米小売売上高が注目だが、予想を上回ると米年内利上げ開始期待の高まりから米利回りとドルに上昇圧力がかかる一方、米株安に繋がると、豪ドルや米利回りそして米ドルの上値抑制要因となる面もあり、ドル/円は119-121円のレンジを抜けられそうにない。
◆他方、中国CPI、PPIが市場予想を更に下回ると、悪材料だが逆にデフレ懸念から人民銀による追加緩和期待が高まる可能性があり、豪ドルなどの下支え材料となるかもしれない。
昨日までの世界:中国景気減速懸念が再燃、テクニカルリバウンド終了
ドル/円は、中国9月輸出入統計で、輸出は前年比-1.1%とマイナス幅が予想比小幅だったものの、中国の内需の強弱を表す輸入が-17.7%とマイナス幅が予想よりも大きかったことから、中国の景気減速懸念が再燃し、米利回り低下と共に、120円丁度近辺からNY時間にかけてじり安となり一時119.55円の安値をつけた。但し引けにかけては小反発し、引き続き119.5-121.5円の狭いレンジ内での取引が続いている。
ユーロ/ドルは、中国輸入統計の予想比下振れを受けた米利回り低下とドル安の影響を受けて、1.13ドル台半ばから一時1.1411ドルへ強含みとなった。但し引けにかけては、1.13ドル台後半へ小反落している。
ユーロ/円は、ユーロと円が対ドルでほぼ同程度上昇したことから、136円台前半で概ね横ばいとなった。
豪ドル/米ドルは、中国輸入統計の予想比下振れを受けて0.73ドル割れとなった。その後小反発する局面もみられたが、原油などコモディティ価格の下落や欧米株安を眺めて再び下落基調となり、0.72ドル台半ばへ続落した。更に、本日早朝にウィーラーRBNZ総裁が追加利下げの可能性が強そうだと述べNZドルが大幅続落したことから、豪ドルもつれ安となり一時0.7199ドルの安値をつけた。
豪ドル/円も中国輸入統計の下振れやコモディティ価格の下落を受けて、88円台前半から86円台前半へ大幅下落、一時86.20円の安値をつけた。
きょうの高慢な偏見:中国インフレ低下は救世主となるか?
ドル/円は中では米景気の牽引役である個人消費動向の代表的指標である米小売売上高が注目だが、予想を上回ると米年内利上げ開始期待の高まりから米利回りとドルに上昇圧力がかかる一方、米株安に繋がると、豪ドルや米利回り、そして米ドルの上値抑制要因となる面もあり、ドル/円は119-121円のレンジを抜けられそうにない。因みに、小売売上高の中でもGDP算出に用いられ最も注目度が高いコア小売売上高(除く自動車、ガソリン、建築資材、飲食店)は前月比+0.3%の予想となっている。
なお、アジア時間の中国インフレ指標は、市場予想(各々前年比+1.8%、-5.9%)を更に下回ると悪材料ではあるが、逆にデフレ懸念から人民銀による追加緩和期待が高まる面もあり、ドル/円への影響は限定的となりそうだ。
ユーロ/ドルは、ドル/円と同様にドル動向に左右される展開となりそうだ。米小売売上高が予想を上回ると1.14ドルで上値の重さが確認される一方、予想を下回ると1.14ドルを明確に上抜けし、レンジ相場からじり高トレンドへ転換することになる。
豪ドル/米ドルはコモディティ価格と中国経済指標睨みの展開となる。コモディティ価格の下落が続けば下落基調が強まる一方、中国CPI、PPIが市場予想(各々前年比+1.8%、-5.9%)を更に下回ると、デフレ懸念から逆に人民銀による追加緩和期待が高まり、豪ドルの下支え材料となる可能性もある。
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