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山本 雅文「FX戦略デイリー」

シニア・ストラテジスト 山本 雅文が国内外のファンダメンタルズ分析を基に、主に米ドル、ユーロ、豪ドル相場の先行き見通しを分かりやすく、かつ深く鋭く分析し予想するレポートです。
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シニア・ストラテジスト 山本 雅文のレポートは2015年10月30日をもって更新は終了しました。これまでご愛読いただきありがとうございました。
(10月19日収録)
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2015年10月21日

ECB追加緩和期待は再び高まるか?

<ポイント>

◆昨日は、ECB銀行貸出サーベイで与信環境の改善が示され、ECBの追加緩和期待が後退しドイツ10年債利回りの上昇と共にユーロが上昇したほか、ドル/円も欧州時間以降の米中長期債利回りの上昇につれ120円丁度手前まで上昇したのが特徴的だった。他方、NZドルは月2回の世界乳製品取引オークションで価格が5回ぶりに反落したことが嫌気され大幅に下落した。
◆本日は、本邦9月通関貿易収支(8:50)、南ア9月CPI(17:00)、トルコ中銀金融政策決定(20:00)、南ア財務相による財政政策発表(21:00)、カナダ中銀金融政策決定・四半期金融政策報告公表(23:00)、ポロズ・カナダ中銀総裁記者会見(0:15)、カーニー英BoE総裁発言(2:00)、パウエルFRB理事発言(2:30)、エディRBA総裁補発言(7:45)、ブラジル中銀金融政策決定(時刻未定、過去は翌朝8時前後)、など中銀金融政策決定が多く予定されている。総選挙が終わったカナダでは一部に利下げ予想があるが、政策変更がコンセンサスとなっている国はない。低成長だが通貨安・インフレ圧力リスクに直面する中、トルコとブラジルは高金利とタカ派姿勢を維持するしか選択肢がなさそうだ。
◆ドル/円は日米材料が少ない中で、15日に118円丁度前後の下値の固さを確認し120円丁度近辺へ回帰してきており、ますますレンジ観が強まりそうだ。
◆ユーロは、明日22日のECB政策理事会を控えて、コンセンサスとしては政策変更は予想されていないものの追加緩和への警戒感からユーロが再度軟調となるリスクに注意したい。
◆豪ドルも小康状態だが、カナダ中銀がハト派度を強めたり利下げに踏み切るようだと豪ドルもつれ安となるリスクがある。

昨日までの世界:ECB追加緩和期待が後退

ドル/円は、特段のドル買い円売り材料はなかったが、欧州時間以降にドイツ10年債利回りと共に上昇した米中長期債利回りにつれて上昇基調となり、一時119.96円と120円丁度手前まで上昇したのが特徴的だった。この間発表された米経済指標では、住宅着工件数は120.6万件と前月および市場予想を上回ったが、天候などの影響を受けにくいとされる建設許可件数は110.3万件と前月および市場予想を下回るなど、まちまちの結果となっている。

ユーロ/ドルは、ECB月次銀行貸出サーベイで与信環境の改善が示されたことから、22日にECB定例政策理事会を控え追加緩和期待が後退しドイツ10年債利回りが上昇したことから、欧州時間に1.13ドル台前半から1.1387ドルへ上昇した。但しNY時間にかけては、米住宅着工の予想比上振れなどを受けたドル買いがみられ、1.13ドル台半ばへ反落した。
ユーロ/円は、欧州時間にドル/円とユーロ/ドルが共に上昇したことから、135円台半ばから136.23円へ上昇、その後も136円丁度近辺を維持した。

豪ドル/米ドルは、特段の買い材料はなかったがアジア時間から欧州時間にかけて0.72ドル台半ばから0.73ドル丁度手前まで上昇した。但し、NZドルが月2回の世界乳製品取引オークションで価格が5回ぶりに反落したことが嫌気され大幅に下落すると、つれ安となって再び0.72ドル台半ばへ反落している。
豪ドル/円は、米ドル/円と豪ドル/米ドルが共に上昇したことから、86円台半ばから一時87.36円へ上昇、その後も概ね87円台を維持している。

きょうの高慢な偏見:ECB追加緩和期待は再び高まるか?

ドル/円は、日米材料が少ない中で、15日に118円丁度前後の下値の固さを確認し120円丁度近辺へ回帰してきており、ますますレンジ観が強まりそうだ。なお、本邦では通関貿易収支が発表され、季節調整前で+870億円の黒字予想となっているが僅かな黒字に過ぎず、よりトレンドを示す季節調整済み計数では-634億円と小幅ながら赤字拡大予想となっており、現時点では円高材料としては捉えられそうにない。他方、景気動向の面ではこのところ軟化している輸出の伸びが注目され、市場予想では前年比+3.8%へ加速の見込みだが下振れるようだと、むしろ追加緩和期待から円売り圧力となるかもしれない。但し基調的に物価が上昇傾向にあるという日銀のスタンスを大きく変えるものとはならなそうだ(日銀の追加緩和については投資戦略テーマ「ドル/円:追加緩和はまぼろし?」を参照)。

ユーロ/ドルは、昨日はECB銀行貸し出しサーベイにおける与信環境改善から追加緩和期待がやや後退したものの、明日22日のECB政策理事会を控えて、コンセンサスとしては政策変更は予想されていないものの追加緩和への警戒感からユーロが再度軟調となるリスクに注意したい。

豪ドル/米ドルは、0.72ドル台でやや落ち着いて推移しているが、カナダ中銀がハト派的なトーンを強めたり、据え置きのコンセンサスに対して利下げを行う場合には、つれ安となる可能性がある。

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