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◆昨日は、先週金曜の中国追加緩和を受けたドル高が小幅に反転、米新築住宅販売の予想比下振れもあってドル利食いが優勢となったようだ。ドル/円は121円台半ばからNY時間にかけて一時120.61円へ反落した。ユーロ/ドルも1.10ドル割れから1.10ドル台半ばへ小反発した。
◆本日は、中国9月工業利益(10:30)、英3QGDP速報(17:30)、ノボトニー・オーストリア中銀総裁発言(20:15)、米9月耐久財受注(21:30)、米8月S&Pケースシラー住宅価格(22:45)、米10月消費者信頼感指数(23:00)、クーレECB理事発言(翌朝7:00)などが予定されている。
◆明日のFOMCを控えて市場の反応は比較的限定的になると見られるが、前月にマイナス幅拡大で相場に悪影響があった中国工業利益は比較的注目度が高そうだ。前月計数(前年比-8.8%)からマイナス幅が拡大すると、豪ドルやドル/円に下押し圧力がかかりそうだ。また、足許米経済指標がやや芳しくない中で、耐久財受注や消費者信頼感が市場予想を下回ると、ドル上値が更に重くなりそうだ。
昨日までの世界:ドル小反落
ドル/円は、週明け早朝には先週金曜の中国サプライズ追加緩和を受けたドル高基調が続き、一時121.56円へ小幅続伸していた。もっとも、その後はドル利食い売りが優勢になったと見られ、欧州時間にかけて121円われへ反落した。更に、米9月新築住宅販売が46.8万件と前月および市場予想を下回り、前月計数も下方修正されたことから一次120.61円の安値をつけた。但し引けにかけては121円台を回復している。
ユーロ/ドルも、ドイツ2年債、10年債利回りは先週金曜に小反発した後に再び小幅低下に向かったが、ユーロ売りドル買いポジションの利食い売りが持ち込まれたと見られ、週明け早朝の安値である1.0989ドルから1.10ドル台半ばへ反発した。
ユーロ/円はドル/円の下落の方がユーロ/ドルの上昇よりもやや大きかったことから、NY時間にかけて続落し133.15円の安値をつけたが、引けにかけては133
円台後半へ反発した。
豪ドル/米ドルも米ドルの全般的な反落傾向の中で0.72ドル丁度近辺から0.72ドル半ばへ反発した。なお、欧米時間には原油価格が大きく続落したが、豪ドルはあまり影響を受けなかった。
豪ドル/円は、87円台後半で方向感のない小動きとなった。
きょうの高慢な偏見:ドル反落はいつまで
ドル/円は、明日のFOMCを控えてポジションを一方向に傾けにくい状況で、動意薄となりそうだ。なお、前月発表時にマイナス幅拡大で相場に悪影響があった中国工業利益は比較的注目度が高そうだ。前月計数(前年比-8.8%)からマイナス幅が拡大するとドル」/円にも下押し圧力がかかりそうだ。また、足許米経済指標がやや芳しくない中で、耐久財受注や消費者信頼感が市場予想を下回ると、ドル上値が更に重くなりそうだ。
ユーロ/ドルも、基本的には次回12月3日のECB政策理事会に向けて追加緩和期待から下落方向とみられるが、ごく短期的には、中国と米国の経済指標の下振れリスクやから買戻しが入りやすいと見られ、1.1070ドルを明確に上抜けすると先週金曜の中国金融緩和発表前の水準に戻り、下落一服となるリスクもはらんでいる。
豪ドル/米ドルは、0.72ドル台でやや方向感がなくなりつつあるが、中国工業利益の前年比マイナス幅が更に拡大すると再び0.72ドル割れを試す展開となりそうだ。
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