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山本 雅文「FX戦略デイリー」

シニア・ストラテジスト 山本 雅文が国内外のファンダメンタルズ分析を基に、主に米ドル、ユーロ、豪ドル相場の先行き見通しを分かりやすく、かつ深く鋭く分析し予想するレポートです。
(毎営業日の朝更新)

[ プロフィール ]

シニア・ストラテジスト 山本 雅文のレポートは2015年10月30日をもって更新は終了しました。これまでご愛読いただきありがとうございました。
(10月26日収録)
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2015年10月30日

昼下がりのじゅう(さん)じ

大変恐縮ながら、本日をもちまして当FX戦略デイリーレポートの発行は終了となります。短い間ではございましたが、ご愛読、誠に有難うございました。

<ポイント>

◆昨日は、ユーロなど対欧州通貨でドルが下落した一方、ドル/円は下に行って来い、コモディティ通貨も豪ドルは下落基調が続いた一方でNZドルは中国の一人っ子政策廃止を受けて上昇するなど、まちまちの展開だった。
◆前日にFOMCを受けて121円台に上昇していたドル/円は、本邦鉱工業生産が予想外のプラスとなり日銀追加緩和期待が後退したことから120円台半ばへ反落する局面もあったが、その後は米3QGDPが市場予想程度の減速に留まったためか、米中長期債利回りが上昇に向かったことから121円台を回復して引けた。
◆本日は、本邦9月全国CPIおよび全世帯家計調査(8:30)、豪9月民間部門信用(9:30)、日銀決定会合(結果発表時刻は未定)、展望レポート公表(15:00)および黒田総裁記者会見(15:30)、ユーロ圏10月HICP速報(19:00)、米3Q雇用コスト指数、9月個人所得・支出、コアPCEデフレータ(21:30)、カナダ8月GDP(21:30)、米10月シカゴPMI(22:45)、米10月ミシガン大消費者信頼感・確報(23:00)、ウィリアムズSF連銀総裁発言(23:00)などが予定されている。
◆最大の注目は日銀決定会合で追加緩和が決定されるか否かだ。市場では見送りと追加緩和決定で割れているとみられ、どちらに転んでもドル/円相場は大きく動きそうだ。追加緩和を決定する場合には、ドル/円は122円方向へ再上昇となる一方、見送りの場合には120円丁度方向への下落となりそうだ。但し、追加緩和を実施する場合、目先の緩和打ち止め感が意識され上値が限定的になるリスクがあるほか、見送りの場合でも11月16日に本邦3QGDP発表を控えていることから追加緩和期待が残り下値が限定的となるリスクもある。

昨日までの世界:ひトリッ子・オア・トリート

ドル/円は、前日にFOMCを受けて121円台に上昇していたが、本邦9月鉱工業生産が前月比+1.0%と予想外のプラスとなり、10月生産予測も+4.1%と高い伸びが予想されていたことから日銀追加緩和期待が後退、一時120円台半ばへ反落する局面もあった。もっとも、その後は米3QGDPが前期比年率で+1.5%と市場予想(+1.6%)程度の減速に留まったためか、米中長期債利回りが上昇に向かったことから121円台を回復して引けた。


ユーロ/ドルは、東京時間午後5時以降五月雨式に発表されたドイツ各州分CPIが前年比で前月から0.2%ポイント以上の反発を示し、全ドイツ分も前年比+0.2%と前月の-0.2%、市場予想のゼロ%を大きく上回ったことから、本日発表のユーロ圏分も市場予想(ゼロ%、前月は-0.1%)を上回るとの期待が高まり、1.09ドル丁度近辺から1.10ドル手前へ反発した。
ユーロ/円も、朝方は131.60円へ続落していたが、ユーロ/ドル回復と共にじり高となり、一時133円台へ反発した。

豪ドル/米ドルは、鉄鉱石や銅などコモディティ価格の軟調が続く中、前日の大幅下落が続き、0.7068ドルの安値をつけた。この間、東京時間午後8時以降に中国の5中全会の結果を受けて、一人っ子政策の廃止などが流れると、乳製品が主要輸出品であるNZドルが恩恵を受けるとの見方からNZドルは小幅に押し上げられたが、豪ドルは殆ど恩恵を受けなかった。
豪ドル/円は、85円台後半で方向感なく横ばいの展開だった。

きょうの高慢な偏見:昼下がりのじゅう(さん)じ

ドル/円は、日銀決定会合で追加緩和が決定されるか否かが最大の焦点となる。市場では見送りと追加緩和決定で割れているとみられ、どちらに転んでもドル/円相場は大きく動きそうだ。結果発表時刻は未定だが、4月、10月など月2回開催される月の2回目の会合での発表時刻は(09年以降の平均)、政策変更なしの場合13:18、政策変更ありの場合が13:41となっている。昨年10月の追加緩和決定時の発表時刻は13:44だった。2014年4月30日は12:51と早い時刻に決定された時もあり(政策変更なし)、13時前から準備しておく必要がありそうだ。

追加緩和を決定する場合には、ドル/円は8月末高値(121.75円)あるいは122円方向へ続伸となる一方、見送りの場合には120円丁度方向への下落となりそうだ。筆者は、この後の米国の利上げや本邦GDPなどのイベントを控えていること、政治的にインフレ押上げが最重要課題ではなくむしろ円安・輸入物価上昇の弊害が懸念されていることなどを背景に、年内追加緩和は行われないと見ており、今回見送りで120円方向への円高がメインシナリオだ(詳細は投資戦略テーマ「ドル/円:追加緩和はまぼろし?」を参照)。

但し、追加緩和を実施する場合、目先の緩和打ち止め感が意識され上値が限定的になるリスクがあるほか、見送りの場合でも11月16日に本邦3QGDP発表を控えていることから追加緩和期待が残り下値が限定的となりそうだ。

なお、本日は本邦CPIも発表される。本来日銀がターゲットとしているコアCPIは前年比-0.2%とマイナス幅が拡大する見込みとなっている一方、最近日銀が注目している、生鮮食品・エネルギーを除くCPIは前年比+1%台となっている中で、後者と連動性が高いコアコアCPI(除く食品・エネルギー)が市場予想(前年比+0.8%から+0.9%へ)以上に加速するようだと、追加緩和期待が後退し円高要因となる可能性もある。

ユーロ/ドルはユーロ圏HICPが注目で、既に昨日発表のドイツ分で持ち直しが示されている中で、本日のユーロ圏分でインフレ率低下の一服が確認されると、12月3日の次回ECB理事会での追加緩和期待が更に後退しユーロ続伸リスクがある。

豪ドル/米ドルはどちらかというと原油などコモディティ価格を睨んだ展開となりそうだ。28日以降の原油価格反発が続くようだと豪ドルも下支えされるが、豪RBAの利下げ期待が足許高まっている中で上値は重そうで、原油価格が再び下落したり、米経済指標が上振れする場合の豪ドル下落の方が大きくなりそうだ。

(※)印刷用PDFはこちらよりダウンロードいただけます。

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