INTERVIEW
ラジオと留学で開けた海外への扉
米国株のエキスパートである岡元さんですが、海外に興味を持ったきっかけを教えてください。
生まれ育った場所は、宮崎県です。青春時代に新しい刺激に触れる機会が少なかったこともあり、世界中の英語放送を聴ける短波ラジオに夢中になりました。しかし、その頃は全然英語はできず、中学の成績ではビリから2番目(笑)。でも、短波ラジオから流れる海外の英語放送で言われていることを理解したかったのです。それで、テープレコーダーで録音したニュース番組を何度も聞いて、辞書を引きながら訳し始めました。翌日、英語の先生に合っているか聞くと、先生にも難しいようで、一緒に頭を悩ませてくれました。
そんな努力をしているうちに英語がわかるようになってきて、16歳のときには、交換留学制度で1年間カナダに行きました。さらにもう1年、米国のメンフィスで過ごし、そのまま現地の高校を卒業しました。当時は日本に電話すると3分間で4,000円ぐらいかかる時代でした。もちろんインターネットもありません。日本との接点はほとんどなく、どっぷり米国の生活に浸かったことで一気に視野が広がりました。
金融の面白さに芽生えて
高校卒業後は現地の大学に進学したのですか?
いえ。米国に残る選択肢もありましたが、日本人としてのアイデンティティを確立するために、帰国して上智大学に進学しました。アルバイト先は、米国3大ネットワークの1つ、NBC放送の報道局でした。お茶くみからコピー取り、米国人の特派員の通訳から日本語ニュースの翻訳まで何でもこなしました。
特に衝撃的な体験だったのが、米国に亡命していたフィリピンのアキノ元大統領の夫が、フィリピンに戻った際に空港で暗殺された事件でした。取材に業務用無線トランシーバーが必要だったのですが、当時のマルコス政権の手に渡ればクーデターに使われる可能性がある、とんでもないものです。でも、誰かがそれを持っていかなければならない。そこで白羽の矢が立ったのが僕でした。「パスポートは持っている?持っているなら、明日マニラに飛んでちょうだい」と。
突然のことで考える時間がなかったのですが、現地に着いたらやっぱり怖くなってしまいましたね……。観光客が訪れない時期に、日本人の若者が大きな箱を持っているということで怪しまれ、箱を開けた瞬間、「いくら払うのか?」と聞かれたわけです。そこで、持っていた200ドルを渡すと、“Now, you can go” と言われました。一歩間違えれば捕まってもおかしくない経験でしたが、この出来事があって以来、大抵のことでは驚かなくなりました。
米国の放送局でアルバイトをされていた岡元さんですが、その後どのような経緯で金融業界に興味を持ったのですか?
大学時代の後半は日本の投資信託の運用会社で翻訳のアルバイトをしました。それがきっかけで金融・投資への興味が芽生えました。情報を得て放送するのがテレビ局であれば、情報を活用してお金を動かすことができるのが金融です。その2つは情報ビジネスという点では同じですが、お金が絡む金融のほうが面白そうだと思って就職試験を受けたのが、外資系投資銀行のソロモン・ブラザーズでした。一時的に損をしてもくよくよしない性格だと思うのでトレーダーに向いていると面接官に伝えたところ、「お前は営業向きだ!」と言われ、26年間、機関投資家向けの営業を担当しました。
1か所の外資系企業に長年勤務する人は珍しいのですが、米国からだんだんとアジア、ヨーロッパ、ラテン、アフリカ、中東地域へと担当するマーケットの領域を拡大させて、自分の責任で面白いことをさせてもらえたおかげで、26年も続いたのだと思います。
お客様から届く声は自分にとってのビタミン
現在の仕事に対する想いを聞かせてください。
僕の仕事は、お客様に米国株への理解を深めていただき、長期的な資産形成のための投資をしていただく啓蒙活動です。かっこよく言えば、毎日がチャレンジです。外国株を見てきてかれこれ30年ほど経ちましたが、同じマーケットというのは一度もありません。似た瞬間があっても、次の瞬間にはガラッと展開が変わってしまいます。毎日違うからこそ、ものすごくチャレンジングな仕事です。
現職に就いて嬉しかったことは、お客様から生のフィードバックが聞けることです。お客様から様々なお声をいただくたびに「より良い情報をお届けしなければ」という意欲が増していきます。セミナーではアンケートを取り、必ずプリントアウトして家でじっくり読みます。個人投資家の方々のフィードバックは本当に明解です。お客様の声は僕にとって元気を頂けるビタミンのようなものです。
PERSONALITY
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出身地とその思い出
宮崎県日南市
子供の頃は田舎でつまらないと思っていましたが、今行くと素晴らしいと感動します。最近は年に2回帰省しています。
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アナリストになってなかったら?
売れる歌手
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思わず凝ってしまうこと
セミナー資料の作成
尊敬する人
イーロン・マスク
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おしゃれのこだわり
こだわりはほとんどなし
妻の言う通りに着るというのが一番のこだわりかもしれない。
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ペットを飼っていますか?
ゴールデンレトリバーのアルバくん
散歩中に「可愛いですね」「賢いですね」と言われるため、親として誇らしいです。
ハッチ 岡元 兵八郎
マネックス証券 チーフ・外国株コンサルタント
兼 マネックス・ユニバーシティ シニアフェロー
上智大学を卒業後、ソロモン・ブラザーズ証券(現シティグループ証券)入社。東京、ニューヨーク本社勤務を含め26年間同社にて一貫して外国株式のマーケティング、外国株式関連商品業務に携わり、外国株式部の上級管理職として機関投資家相手の外国株式ビジネスの拡大に努める。新しい海外株式市場への投資への啓蒙活動を精力的に行い、日本の機関投資家が世界54か国の株式市場へ投資を行うサポートを行ってきた。その後4年半はSMBC日興証券株式会社で、エクイティ部、投資情報部にて米国株式市場・企業情報の情報収集、分析、顧客向け資料作成業務の責任者として、個人投資家向けに米国株式投資の啓蒙活動を行うなどし米国株式仲介事業の拡大に貢献。北米滞在10年、世界80か国を訪問、33か国を超える北南米、アジア、欧州、アフリカの証券取引所、証券会社、上場企業のマネージメントへの訪問を行うなど、グローバルな金融サービス部門において確かな実績を築く。2019年10月より現職。
著書
『日本人が知らない海外投資の儲け方』(ダイヤモンド社)/『資産を増やす米国株投資入門』(ビジネス社)/『本当に資産を増やす米国株投資』(ビジネス社)