毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式に関しては、中央銀行のハト派姿勢は支援材料であるものの、経済指標は景気の減速を示唆していることから見通しを中立で維持しています。他方、国債に関しては、バリュエーションの魅力度は低減していますが、モメンタムが堅調であることに加え、経済指標が景気の減速を示唆していることは、国債にとって支援材料であることから、やや強気の見通しを維持しています。
資産クラスの見通し
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
---|---|---|---|
中央銀行のハト派姿勢は支援材料であるものの、経済指標は景気の減速を示唆していることから見通しを中立で維持しています。 |
バリュエーションの魅力度は低減していますが、モメンタム(勢い)が堅調であることに加え、経済指標が景気の減速を示唆していることは、国債にとって支援材料であることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
6月にスプレッドは縮小しましたが、テクニカル面での下支え、および足元でのクレジットの穏やかな推移は、クレジット・クオリティを巡る長期的懸念を相殺すると考えることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
モメンタムは低迷が続いているものの、地政学リスクに対するヘッジ手段として金の見通しをやや強気としており、コモディティ全体の見通しは中立を維持しています。 |
見通しの表示:++強気、+やや強気、0中立、-やや弱気、--弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス、分類(地域、通貨)毎の見通し
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
株式 | 米国 | バリュエーションの魅力度は低減しつつあるものの、モメンタムが他の主要国株式市場と比べ相対的に堅調であることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
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欧州 | 米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派姿勢がドル安(ユーロ高)を齎す場合、今後の企業業績見通しの重しとなる可能性がありますが、足元では中立の見通しを維持しています。 |
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日本 | 出遅れ感があった業績モメンタムは徐々に改善がみられていますが、輸出の低迷が引き続き懸念材料となることから中立の見通しを維持しています。 |
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アジア太平洋 (除く日本) |
シンガポールの輸出の低迷が引き続き足かせとなっているほか、モメンタムについても出遅れ感があり、今後の動向を見極める必要があることから見通しを中立としています。 |
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新興国 | G20の結果は、当面は懸念の緩和要因となり得るものの、米中貿易摩擦懸念は今後も残ると考えます。 底堅い内需に着目して市場の選択を行うことで貿易を巡るリスクを軽減できると考えることからやや強気の見通しを維持します。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
国債 | 米国 | 経済見通しは引き続き減速傾向を示しており、米中貿易摩擦懸念も依然として残ることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
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欧州 (ドイツ国債) |
流動性の拡大、投資家が現金よりも高い利回りを模索する動き、欧州中央銀行(ECB)への金融緩和期待は、より長期の国債にとって好材料であると判断することから、見通しをやや強気から強気に引き上げました。 |
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新興国 (米ドル建て) |
FRBのハト派姿勢は短期的には支援材料となるものの、引き続きバリュエーションの魅力度は低いと判断することから中立の見通しを維持しています。 |
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新興国 (現地通貨建て) |
主要国中央銀行が緩和姿勢を強化したことをうけ、今後強まると見込まれる投資家による利回りを模索する動きが支援材料となると考えており、見通しを中立からやや強気に引き上げました。 |
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インフレ連動債 | 原油価格の高騰が発生した場合のインフレ上昇に対するヘッジとして、インフレ連動債は有効であると考えることからやや強気の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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投資適格 社債 |
米国 | テクニカルの面では改善がみられるものの、バリュエーションの魅力度が低減したため中立の見通しを維持しています。 |
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欧州 | ECBによるハト派な声明や次期ECB総裁の金融政策に対するスタンスから、緩和的な金融政策への期待を高めており、企業の資金調達の観点で支援材料となると判断することからやや強気の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
ハイイールド 社債 |
米国 | クレジット・クオリティを巡る懸念材料は依然として残るものの、テクニカル面での下支え、および足元でのクレジットの穏やかな推移により相殺されると考えることから見通しを中立で維持しています。 |
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欧州 | 足元でのスプレッド縮小をうけ、バリュエーションの魅力度は低減しましたが、ファンダメンタルズは堅調であると判断することからやや強気の見通しを維持します。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
コモディティ (商品先物) |
エネルギー | 地政学リスクの高まりが世界景気減速懸念による影響を相殺すると考えることから、中立の見通しを維持しています。 |
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金 | FRBのハト派姿勢が支援材料であるほか、中東での地政学リスクの高まりを背景にモメンタムが堅調であることから、引き続きやや強気の見通しを維持しています。 |
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産業用金属 | 景気サイクルにおける立ち位置を踏まえると産業用金属価格の上昇幅は限定的と見込まれる一方で、中央銀行によるハト派姿勢や中国の財政刺激を考慮すると下落幅も限定的であると考えることから中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
通貨 | 米ドル | 中央銀行への金融緩和期待が後退した場合のリスク資産への影響をヘッジする手段として米ドルは有効であると考えることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
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ユーロ | ECBの金融政策の緩和姿勢の強化は、ユーロにとってマイナス要因ではありますが、引き続き中立の見通しを維持しています。 |
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日本円 | 経済の低迷が続く環境下、安全資産としての日本円への需要が高まると考えることからやや強気の見通しを維持しています。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2019年7月上旬に英語で作成されたものを7月下旬に日本語に翻訳しています。
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