毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式に関しては、経済減速や地政学リスクなどに伴うボラティリティの高まりが懸念されるも、流動性拡大や低金利環境が支援材料となると考えることから中立の見通しを維持しています。社債に関しては、当面は、主要中央銀行によるハト派姿勢が支援材料となることに加え、8月にはスプレッド(上乗せ金利)が拡大したことから、やや強気の見通しを維持しています。
資産クラスの見通し
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
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経済減速や地政学リスクなどに伴うボラティリティ(変動性)の高まりが懸念されるも、流動性拡大や低金利環境が支援材料となると考えることから中立の見通しを維持しています。 |
バリュエーションの魅力度は低減していますが、モメンタム(勢い)が底堅く、経済指標が景気の減速を示唆していることは、国債にとって支援材料であることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
当面は、主要中央銀行によるハト派姿勢が支援材料となることに加え、8月にはスプレッド(上乗せ金利)が拡大したことから、やや強気の見通しを維持しています。 |
モメンタムは低迷が続いているものの、地政学リスク等に対するヘッジ手段として金の見通しをやや強気としており、コモディティ全体の見通しは中立を維持しています。 |
見通しの表示:++強気、+やや強気、0中立、-やや弱気、--弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス、分類(地域、通貨)毎の見通し
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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株式 | 米国 | バリュエーションは徐々に割高になりつつあるものの、過度な水準に達しているとは考えておらず、企業業績の下方修正は収まりつつあると考えられることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
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欧州 | 2019年の企業業績見通しが低下していることをうけ、見通しを中立からやや弱気に引き下げました。 |
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日本 | 国内経済は改善がみられるものの、輸出の低迷および円高が引き続き懸念材料となることから中立の見通しを維持しています。 |
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アジア太平洋 (除く日本) |
緩和的な金融政策の実施が期待されていますが、企業業績見通しやモメンタムに改善がみられていないことから見通しを中立としています。 |
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新興国 | 米中貿易摩擦懸念の高まりは、輸出関連を中心に新興国市場にとってリスクとなることから、見通しを中立で維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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国債 | 米国 | 景気減速に対するヘッジ手段としての需要および、相対的に他地域に比べ、金利水準が高いことから、やや強気の見通しを維持しています。 |
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欧州 (ドイツ国債) |
経済の低迷は続いているものの、バリュエーションが過度な水準に達していると判断されること、また欧州中央銀行(ECB)による金融緩和の余地は限定的とみられていることから、見通しをやや強気から中立に引き下げました。 |
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新興国 (米ドル建て) |
8月にアルゼンチン国債の売りが進んだことに連動して、バリュエーションの魅力度が高まったと判断、見通しを中立からやや強気に引き上げました。 |
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新興国 (現地通貨建て) |
スプレッドの縮小や高まる景気減速懸念を背景に、見通しをやや強気から中立に引き下げました。 |
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インフレ連動債 | 追加関税が物価の押し上げ要因となるものの、経済見通しの改善は見込まれないことから、見通しを中立で維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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投資適格 社債 |
米国 | テクニカル面で堅調な推移が続いていることに加え、バリュエーションの魅力度が相対的に高いと判断することから、やや強気の見通しを維持しています。 |
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欧州 | 利回りの低下や、高い供給水準を踏まえ、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
ハイイールド 社債 |
米国 | クレジット・クオリティを巡る懸念材料は依然として残るものの、需給面での下支えより相殺されると考えることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
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欧州 | バリュエーションの魅力に乏しいと考えるほか、ファンダメンタルズ悪化が懸念されることから中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
コモディティ (商品先物) |
エネルギー | 地政学リスクの高まりが世界景気減速懸念による影響を相殺すると考えることから、中立の見通しを維持しています。 |
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金 | 景気減速懸念を背景とした中央銀行のハト派姿勢や、地政学リスクの上昇が支援材料であることから、引き続きやや強気の見通しを維持しています。 |
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産業用金属 | 景気サイクルにおける立ち位置を踏まえると産業用金属価格の上昇幅は限定的と見込まれる一方で、中央銀行によるハト派姿勢や中国の財政刺激を考慮すると下落幅も限定的であると考えることから中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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通貨 | 米ドル | 世界経済成長がさらに減速する可能性や、各国中央銀行の利下げ実施によるボラティリティの上昇や方向感に欠ける市場の動きが見込まれるため、やや強気の見通しを維持しています。 |
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ユーロ | ECBの金融政策の緩和姿勢の強化は、ユーロにとってマイナス要因ではありますが、イタリア政局リスクの後退やドイツによる財政出動の可能性など、好材料も存在することから、引き続き中立の見通しを維持しています。 |
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日本円 | 世界景気減速懸念や高まる地政学リスクを背景とした安全資産としての日本円への需要を考慮して、やや強気の見通しを維持しています。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2019年9月上旬に英語で作成されたものを9月下旬に日本語に翻訳しています。
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