毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式に関しては、流動性拡大が引き続き支援材料となると考えることから中立の見通しを維持しています。社債に関しては、米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、新興国中央銀行が広くハト派姿勢を示していることがテクニカル面で支援材料であると判断、やや強気の見通しを維持しています。
資産クラスの見通し
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
---|---|---|---|
流動性拡大が引き続き支援材料となると考えることから中立の見通しを維持しています。 |
バリュエーションの魅力度は低減していますが、モメンタム(勢い)が底堅く、経済指標の低迷は国債にとって支援材料であることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、新興国中央銀行が広くハト派姿勢を示していることがテクニカル面で支援材料であると判断、やや強気の見通しを維持しています。 |
金に対するやや強気の見通しは、景気減速懸念が他コモディティ資産に与える影響を相殺すると考えることからコモディティ全体の見通しを中立からやや強気に引き上げました。 |
見通しの表示:++強気、+やや強気、0中立、-やや弱気、--弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス、分類(地域、通貨)毎の見通し
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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株式 | 米国 | バリュエーションは徐々に割高になりつつあり、企業業績見通しが低下し始めていることをうけ、やや強気の見通しを中立に引き下げました。 |
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欧州 | 2019年の企業業績見通しが低下しており、さらに低下する可能性もあることからやや弱気の見通しを維持しています。一方でユーロ安が支援材料となる可能性も残ります。 |
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日本 | 国内経済は改善がみられるものの、輸出の低迷および円高が引き続き懸念材料となることから中立の見通しを維持しています。 |
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アジア太平洋 (除く日本) |
緩和的な金融政策の実施が期待されていますが、企業業績見通しやモメンタムに改善がみられていないことから見通しを中立としています。 |
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新興国 | 米中貿易摩擦懸念の高まりは、輸出関連を中心に新興国市場にとってリスクとなることから、見通しを中立で維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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国債 | 米国 | 米国債は景気減速時にヘッジ手段として重要な役割を担うことに加え、他地域に比べ金利水準が高いことから、やや強気の見通しを強気に引き上げました。 |
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欧州 (ドイツ国債) |
経済の低迷は続いているものの、バリュエーションが過度な水準に達していると判断されること、またECBによる金融緩和の余地は限定的とみられていることから、見通しを中立で維持しています。 |
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新興国 (米ドル建て) |
テクニカル面が堅調であることや、新興国中央銀行の多くがハト派姿勢を取っていることからやや強気の見通しを維持しています。 |
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新興国 (現地通貨建て) |
スプレッドの縮小や高まる景気減速懸念を背景に、中立の見通しを維持しています。 |
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インフレ連動債 | 関税の影響や足元でのコアCPIの上昇を加味して見通しを中立からやや強気に引き上げました。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
投資適格 社債 |
米国 | テクニカル面で堅調な推移が続いていることに加え、FRBが緩和姿勢を維持していることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
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欧州 | 利回りの低下や、高い供給水準を踏まえ、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
ハイイールド 社債 |
米国 | デフォルト率見通しがやや上昇しているものの、バリュエーションおよびテクニカル面を考慮してやや強気の見通しを維持しています。 |
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欧州 | ファンダメンタルズの悪化が懸念されることや、市場が織り込むよりも繰上償還リスクが高いと判断することから中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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コモディティ (商品先物) |
エネルギー | 地政学リスクの高まりが世界景気減速懸念による影響を相殺すると考えることから、中立の見通しを維持しています。 |
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金 | 景気減速懸念を背景とした中央銀行のハト派姿勢や、地政学リスクの上昇が支援材料であることから、引き続きやや強気の見通しを維持しています。 |
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産業用金属 | 景気サイクルにおける立ち位置を踏まえると産業用金属価格の上昇幅は限定的と見込まれる一方で、中央銀行によるハト派姿勢を考慮すると下落幅も限定的であると考えることから中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
通貨 | 米ドル | 米国の経済指標の減速により世界経済成長見通しは低下している一方で、市場の金融緩和期待はやや後退していることから判断して、見通しをやや強気から中立へ引き下げました。 |
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ユーロ | ECBの金融政策の緩和姿勢の強化は、ユーロにとってマイナス要因ではありますが、イタリア政局リスクの後退やドイツによる財政出動の可能性など、好材料も存在することから、引き続き中立の見通しを維持しています。 |
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日本円 | 米中貿易摩擦懸念の緩和による投資家心理の改善や、流動性拡大を考慮してやや強気の見通しを中立に引き下げました。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2019年10月上旬に英語で作成されたものを10月下旬に日本語に翻訳しています。
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