毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式に関しては、米中貿易摩擦懸念の緩和などをうけた投資家心理の改善や流動性拡大が支援材料となると考えるほか、債券と比べバリュエーションの魅力度が高いと判断することから、見通しを中立からやや強気に引き上げました。国債に関しては、引き続きバリュエーションの魅力度が低いことに加え、モメンタムの鈍化や、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和サイクルの休止を示唆したことを背景にやや強気の見通しを中立に引き下げました。
資産クラスの見通し
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
---|---|---|---|
米中貿易摩擦懸念の緩和などをうけた投資家心理の改善や流動性拡大が支援材料となると考えるほか、債券と比べバリュエーションの魅力度が高いと判断することから、見通しを中立からやや強気に引き上げました。 |
引き続きバリュエーションの魅力度が低いことに加え、モメンタム(勢い)の鈍化や、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和サイクルの休止を示唆したことを背景にやや強気の見通しを中立に引き下げました。 |
FRB、欧州中央銀行(ECB)、新興国の中央銀行が広くハト派姿勢を示していることがテクニカル面で支援材料であると判断、やや強気の見通しを維持しています。 |
金の見通しをやや強気で維持しているほか、流動性も拡大していることから、コモディティ全体の見通しをやや強気で維持しています。 |
見通しの表示:++強気、+やや強気、0中立、-やや弱気、--弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス、分類(地域、通貨)毎の見通し
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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株式 | 米国 | バリュエーションの魅力度の低減、楽観的な企業業績見通し、2020年大統領選挙リスクに注視する必要があると考えます。 |
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欧州 | 企業業績見通しが過度に楽観的な水準でなく、ソフトデータに安定化の兆候もみられるほか、ユーロ安が支援材料となる可能性があることから見通しを中立に引き上げました。 |
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日本 | 他の先進国に比べバリュエーションが魅力的な水準と判断すること、輸出にとって逆風である円高等も今後改善へ向かうと考えることから見通しを中立からやや強気に引き上げました。 |
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アジア太平洋 (除く日本) |
モメンタムは引き続き低迷していおり、さらなる緩和的な金融政策への期待はすでに市場に織り込み済みであると考えます。 |
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新興国 | 魅力的なバリュエーション、企業業績の上方修正、ドル安が支援材料となると判断することから、中立の見通しをやや強気に引き上げました。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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国債 | 米国 | 米中貿易摩擦問題に進展がみられるなど足元では地政学リスクが低下していることからやや強気の見通しを中立に引き下げました。 |
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欧州 (ドイツ国債) |
経済指標に安定化の兆しがみられること、またECBによる金融緩和の余地は限定的とみられていることから、やや弱気の見通しを弱気に引き下げました。 |
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新興国 (米ドル建て) |
需要の堅調さや、新興国中央銀行の多くがハト派姿勢を取っていることからやや強気の見通しを維持しています。 |
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新興国 (現地通貨建て) |
スプレッドの大幅な縮小やバリュエーションの水準を考慮して、中立の見通しを維持しています。 |
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インフレ連動債 | 関税の影響や足元でのコアCPIの上昇を加味してやや強気の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
投資適格 社債 |
米国 | テクニカル面で堅調な推移が続いていることに加え、FRBが緩和姿勢を維持していることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
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欧州 | 利回りが低下傾向にあることや、起債も高水準であることを踏まえると、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
ハイイールド 社債 |
米国 | FRBによるハト派姿勢や、今年に入ってからも起債が急激に拡大している状態になく安定的であることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
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欧州 | ファンダメンタルズの悪化が懸念されることや、市場が織り込むよりも繰上償還リスクが高いと判断することから中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
コモディティ (商品先物) |
エネルギー | 産油国の地政学リスクがもたらす影響は、世界景気減速懸念による影響を相殺すると考えることから、中立の見通しを維持しています。 |
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金 | 景気サイクルモデルは景気減速を示唆しているほか、中央銀行による流動性供給が支援材料となると考えることから、引き続きやや強気の見通しを維持しています。 |
|||
産業用金属 | 景気サイクルにおける立ち位置を踏まえると産業用金属価格の上昇幅は限定的と見込まれる一方で、中央銀行によるハト派姿勢を考慮すると下落幅も限定的であると考えることから中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
通貨 | 米ドル | これまで米国に比べ軟調に推移してきた米国以外の経済指標に回復の兆候がみられつつあるものの、さらなる改善がみられるまで米ドルに対してやや強気の見通しとします。 |
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ユーロ | 見通しは徐々にやや強気に傾きつつあるものの、欧州経済指標のさらなる改善がみられるまで中立の見通しを維持します。 |
|||
日本円 | 安全通貨としての需要の観点から、世界経済の回復がみられるまで見通しを中立で維持します。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2019年11月上旬に英語で作成されたものを11月下旬に日本語に翻訳しています。
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