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伝説の投資家ウォーレン・バフェットを、知る。

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本コンテンツはバークシャー・ハサウェイ社が公開している「株主への手紙(英文)」およびSEC(米国証券取引委員会)に提出した「フォーム13F」を基に、バフェット氏の投資成績や投資先などの情報を提供することを目的としてマネックス証券で作成したものです。投資その他の行動を勧誘したり、コンテンツ中の個別銘柄やバークシャー・ハサウェイへの投資を勧誘、推奨したりするものではございません。銘柄の選択などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断にてお願いいたします。

ウォーレン・バフェットってどんな人?

ウォーレン・バフェットは、1930年に米国のネブラスカ州オマハで生まれ、現在もオマハに暮らしながら投資会社バークシャー・ハサウェイの会長兼CEOを務めている。繊維会社だったバークシャー・ハサウェイ社を1965年に買収し再建に乗り出した。結局、繊維事業を立て直すことはできなかったが、保険事業を中心とした投資会社として生まれ変わり、数々の企業への投資を繰り返してきた。今では、世界でもトップクラスの巨大企業へと成長している。

バークシャー・ハサウェイの本社が入るビル

莫大な寄付による社会貢献

バークシャー・ハサウェイの株式の約38%を所有するウォーレン・バフェットは、世界でも屈指の資産家だが、とても質素な生活を送っている。2006年には、資産の85%、当時の金額で約3兆円をマイクロソフト創業者、ビル・ゲイツとその妻が運営するビル&メリンダ・ゲイツ財団へ寄付すると発表した。ビル・ゲイツはバークシャー・ハサウェイの社外取締役を務めるなど、公私にわたってバフェットと仲が良いことが知られている。

世界一楽しい株主総会?

バフェットが会長兼CEOを務めるバークシャー・ハサウェイは毎年5月にオマハで株主総会を開催している。わずか人口40万人の街に、バフェットをひと目見ようと世界中から株主が集まるのだ。2015年はその数、約4万人(現地メディア報道)。バフェットと共同経営者であるチャーリー・マンガーが二人で株主からの質問に長時間答え続けるのがバークシャー・ハサウェイの株主総会の名物だ。その他にも、株主総会の開催期間に、バークシャー・ハサウェイの関連会社が一堂に集まり、自社の商品を割引価格で販売することも恒例行事となっている。株主総会というよりも、もはやお祭りのようなイベントと言っても過言ではないかもしれない。

株主総会の会場の様子

バフェットの50年間の年間平均リターン(複利)はなんと◯◯%

バフェットは、自社の保険事業から得られる資金を企業投資へと回し、驚異的なパフォーマンスを上げてきた。米国を代表する株価指数であるS&P500とバークシャー・ハサウェイの成績を1965年から2014年までの50年間で比較した表が下のとおりだ。

年収益率(複利)1965年~2014年 全期間の収益率
バークシャーの経営成績(※) 19.4% 751,113%
S&P500(配当込み)の成績 9.9% 11,196%

※バークシャーの経営成績は報告書ベースの1株純資産成長率で計算されています。
出所:株主への手紙を元にマネックス証券作成

S&P500は、過去約50年間に年間平均9.9%のリターン(複利)と十分素晴らしい成績を残しているが、それを遥かに上回るのがバークシャー・ハサウェイの成績だ。なんと50年間の年間平均リターン(複利)が約20%という驚くべき数字を叩き出している。棒グラフで年間の成績も見てみよう。

グラフを見ると、バークシャー・ハサウェイの成績である青い線が、S&P500の成績である赤い線を大きく上回っている回数が多いことがわかる。バークシャー・ハサウェイのリターンはS&P500に対して50年間でなんと39勝11敗。さらにバークシャーの年間の収益率がマイナスだったのはわずか2回しかない。単年の収支でなく、これだけ長期間に渡って驚異的なリターンをあげてきたのが、バフェットが伝説の投資家と言われる所以なのだ。

バフェットの投資手法は?

バフェットは、「バリュー投資」を実践している。バリュー投資とは、実際の価値よりも割安に放置されている株を購入し、本来の価値に戻った時に売却して利益を得る投資手法だ。バフェットは、割安と思った株式であれば、株価が下がった時を見計らい、すぐさま購入に向かう。2008年の金融危機はバフェットにとっては絶好の買い場であったと考えられる。

バフェットが投資している銘柄は?

それでは、一体バフェットはどんな銘柄を保有しているのだろう。
これがバークシャー・ハサウェイのポートフォリオを構成する上位10銘柄だ。(2016年9月末時点)

銘柄名 ティッカー ポートフォリオ内比率
クラフト・ハインツ KHC 22.63%
ウェルズ・ファーゴ WFC 16.49%
コカコーラ KO 13.14%
アイビーエム IBM 10.02%
アメリカン・エクスプレス AXP 7.54%
フィリップス66 PSX 5.05%
ユー・エス・バンコープ USB 2.83%
ムーディーズ MCO 2.07%
チャーター・コミュニケーションズ クラスA CHTR 1.98%
ダビーダ・ヘルスケア・パートナーズ DVA 1.98%

(出所)iBillionaire

ウェルズ・ファーゴ、コカコーラ、アイビーエム、アメリカン・エクスプレスの4銘柄で全体の約半分を占めている。これらの銘柄は、「バフェットのBIG4」とも呼ばれ、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオの根幹となっている。

株式投資だけはない、バフェットの事業ポートフォリオ

バークシャー・ハサウェイは上場企業への投資だけではなく、未上場企業にも投資している。未上場企業への投資としては、ビジネスジェットを運営するネットジェッツ、チョコレート製造・販売のシーズ・キャンディーズ、住宅建設のクレイトン・ホームズなどが知られている。また2009年にはバーリントン・ノーザン・サンタフェという鉄道会社を約440億ドルで買収した。直近では2015年8月に宇宙事業向けの航空機部品の製造などを手がけるプレシジョン・キャスト・パーツを約372億ドル(発表時の為替レートで換算して約4兆6400億円)で買収すると発表した。バフェットは、本来の企業価値に比べて割安だと判断すれば巨額の買収も厭わないのだ。

バフェットのことを少しでもご理解いただけただろうか。
マネックス証券では、バークシャー・ハサウェイの保有銘柄などを確認できるiBillionaireというサイトを提供している。
バフェット流の投資術を身につけて、米国株投資を始めてはどうだろうか。

<ウォーレン・バフェットについて書かれた関連書籍>
株で富を築くバフェットの法則 最新版
億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術
スノーボール 改訂新版 ウォーレン・バフェット伝 上
スノーボール 改訂新版 ウォーレン・バフェット伝 中
スノーボール 改訂新版 ウォーレン・バフェット伝 下

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