毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式に関しては、今後見込まれる景気回復シナリオについて、様々な期待が株式市場に織り込まれる中、ボラティリティの高い市場局面が継続することが見込まれます。足元での株式市場は楽観的すぎる見方が織り込まれていると考えています。社債に関しては、3月中旬までに大幅に売り込まれバリュエーションの魅力度が上昇したほか、中央銀行による市場支援策の導入により、流動性が改善したことが支援材料と判断しています。
資産クラスの見通し
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
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今後見込まれる景気回復シナリオについて、様々な期待が株式市場に織り込まれる中、ボラティリティの高い市場局面が継続することが見込まれます。足元での株式市場は楽観的すぎる見方が織り込まれていると考えています。 |
バリュエーションは過去最高水準の割高な水準にあるものの、新型コロナウイルスに伴う経済減速や中央銀行による市場支援策は下支え要因といえます。 |
3月中旬までに大幅に売り込まれバリュエーションの魅力度が上昇したほか、中央銀行による市場支援策の導入により、流動性が改善したことが支援材料と判断しています。 |
新型コロナウイルスの影響で当面はエネルギーや産業用金属の需要の低迷が見込まれます。一方で、世界経済成長の減速から金についてはやや強気の見通しとしています。 |
見通しの表示:++強気、+やや強気、0中立、-やや弱気、--弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス、分類(地域、通貨)毎の見通し
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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株式 | 米国 | バリュエーションは割安な水準となっていますが、新型コロナウイルス感染拡大が経済や企業に与える影響が不透明である中、米国株式市場は、楽観的すぎる見方が織り込まれていると考えます。 |
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欧州 | 新型コロナウイルス感染拡大がもたらす経済への影響や、経済支援策が不統一であることなどが懸念材料といえます。 |
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日本 | 新型コロナウイルス感染拡大によるサプライチェーン寸断懸念や、他主要国に比べた緊急事態宣言発令等の措置の時期の遅さが懸念材料といえます。 |
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アジア太平洋 (除く日本) |
豪州の銀行セクターについて、減配が見込まれるほか、シンガポールや香港で新型コロナウイルス感染の第2波の可能性が懸念されます。 |
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新興国 | 魅力的なバリュエーションや中国経済活動の回復の兆しは支援材料であるものの、企業業績や経済指標の悪化がマイナス要因と考えます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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国債 | 米国 | 利回りは引き続き低水準で推移している一方、経済減速に対するヘッジ手段としては有効であると考えており、利回りのより高い30年国債を選好しています。 |
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欧州 (ドイツ国債) |
新型コロナウイルス問題を巡りドイツはロックダウンなどの措置を早期で取っていたことから、早期での緩和に向けた対応が見込まれるものの、利回りは低水準で推移しているほか、今後のさらなる利回り低下余地は限定的とみています。 |
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新興国 (米ドル建て) |
バリュエーションが魅力的な水準にあると考えており、銘柄選択においてクオリティを選好すべきと考えます。 |
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新興国 (現地通貨建て) |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で中国の2020年1-3月期の経済成長率がマイナスとなり、他の新興国経済への影響も見られ始める事が予想されます。 |
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インフレ連動債 | インフレ連動債は、足元回復しているものの、FRB(米連邦準備制度理事会)のインフレ目標を下回る推移が続いています。デフレ圧力が続きますが、経済再開に向けた動きを踏まえ、今後大幅な下落局面がみられた場合は、投資機会と考えます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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投資適格 社債 |
米国 | FRBによる資産買い入れの市場支援策がクレジット市場に流動性を促す事が期待されます。また、バリュエーションが魅力的であると判断しており、さらなるスプレッドの縮小の可能性もあると考えます。 |
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欧州 | ECB(欧州中央銀行)による資産購入プログラム実施が支援材料といえます。バリュエーションは魅力的である一方、ファンダメンタルズは引き続き注視する必要があると考えます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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ハイイールド 社債 |
米国 | バリュエーションが魅力的であるほか、FRBが投機的格付けに格下げされた社債を含めた資産買い入れを決定したことが支援材料と判断します。 |
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欧州 | バリュエーションの観点から、強気の見通しとしています。米国と同様に欧州ハイイールド社債についても、スプレッドの縮小を見込んでいます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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コモディティ (商品先物) |
エネルギー | 供給過剰と新型コロナウイルスの影響による需要の低下を背景に、不透明感が強く残る中、中立の見通しを維持します。 |
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金 | 経済指標の減速、中央銀行による緩和政策、実質金利の低下などが支援材料と判断することから、やや強気の見通しを維持しています。 |
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産業用金属 | 新型コロナウイルス感染拡大防止措置が、経済活動停滞や産業用金属の需要低迷につながっており、当面はボラティリティの高い市場環境が続くと考えています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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通貨 | 米ドル | 低経済成長、流動性拡大等プラス要因とマイナス要因が入り混じる環境であることから、中立の見通しを維持します。 |
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ユーロ | ECBの金融緩和余地は限定的であることや、財政を巡る政治的不透明感が懸念材料であると考えます。 |
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日本円 | 金利の大幅な変動は見込まれないため、リスクセンチメントが日本円の動因と考えます。流動性の拡大などがプラス要因である一方、経済成長減速はマイナス要因といえます。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2020年4月上旬に英語で作成されたものを4月下旬に日本語に翻訳しています。
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