なぜ今、FXで高金利国の対円通貨ペアに注目すべきなのか
突然ですが、FX(外国為替証拠金取引)には「スワップポイント」という、利金のような「インカムゲイン」が狙える仕組みがあることを、ご存知でしょうか。
FXでは取引により、主に「キャピタルゲイン」にあたる売買差益を狙います。一方、例えばトルコリラ/円で1万リラの「買い」建玉を持った上で営業日を跨ぐと、その時点で「プラスのスワップポイント」が90円ほど付与されるという(2018年2月14日の場合)、利金に似た利益を狙うこともできます。
※スワップポイントは日々、変動し固定されておりません。預金の金利とは異なります。
これが、FXで金利相当分の「インカムゲイン」を狙える「スワップポイント」という仕組みです。スワップポイントは、その通貨同士...トルコリラ/円であればトルコリラと日本円の金利差によって発生する金利の調整分ですが、トルコの金利が高く、日本の金利がゼロの現在においては、トルコリラの「買い」建玉によって、プラスの金利調整分のお金が、トルコリラを保持している側であるお客様に入ってくるという仕組みです。
※一方「マイナスのスワップポイント」も存在します。多くの場合、例えば買い建玉がプラスであった場合、同じ通貨の売り建玉に発生するスワップポイントはマイナスとなります。また、市況により買い売り双方の建玉でスワップポイントがマイナスとなる場合もありますので、ご注意ください。
なお現在、日本では長い金融緩和...つまりゼロ(もしくはマイナス)金利時代が続いています。一方で米国は量的緩和(QE)に見切りをつけ段階的な利上げを実施中です。欧州も今はまだゼロ(もしくはマイナス)金利ですが、今後はテーパリング(金融緩和の段階的終了)を検討する段階に入っています。世界の「経済三極」のうち、日本だけが今後もゼロ金利を続けることを表明し続けている状況です。
スワップポイントの「金利調整分」という一面を考えると、対円で且つ、高金利国の通貨を扱う通貨ペアは今後も「買い」建玉で、「プラスのスワップポイント」が続いていく可能性が高いのです。
これが、FXで高金利国の対円通貨ペアに注目すべき理由です。
スワップポイント狙いに適した通貨ペアとは
では、その高金利国とはどの国でしょうか。
表1は各国政策金利の比較表です。実際のスワップポイントは、政策金利ではなく短期金利市場の金利より算出されますが、少なくともトルコ、メキシコ、南アフリカ、中国の金利がとても高い水準にあります。なお、トルコリラ/円、メキシコペソ/円、人民元/円について2018年1月から当社FX PLUSでの取扱いが開始されたため、高金利国上位4ヶ国全ての対円通貨ペアへの投資が可能になりました。
表1.2018年2月現在の各国政策金利(マネックス証券調べ)
国名 | 政策金利名 | 政策金利 | |
---|---|---|---|
1位 | トルコ | 1週間物レポート | 8.00% |
2位 | メキシコ | 翌日物銀行間レート | 7.50% |
3位 | 南アフリカ | レポ金利 | 6.75% |
4位 | 中国 | 1年物貸出基準金利 | 4.35% |
ニュージーランド | オフィシャル・キャッシュレート | 1.75% | |
香港 | ベースレート(基本金利) | 1.75% | |
オーストラリア | キャッシュレート | 1.50% | |
米国 | フェデラルファンド金利 | 1.25%~1.50% | |
カナダ | 翌日物金利 | 1.25% | |
英国 | 準備預金金利 | 0.50% | |
日本 | 日銀当座預金 超過準備預金金利 | -0.10% | |
EU | 中銀預金金利 | -0.40% | |
スイス | 3ヶ月LIBOR | -1.25%~-0.25% |
実際このような情勢を受けて、当社の買いのスワップポイントも表2のとおり高い水準となっております。しかし、スワップポイントだけ見ても、通貨価値や証拠金額が通貨ペアによりそれぞれ異なるので、費用対効果を一概に比べられません。 そこで、仮に証拠金1万円で12.5倍のレバレッジをかけて1年間運用した場合の累積スワップポイントを一番右の列に計算しました。これだと容易に、スワップの好し悪しが比較できるのではないでしょうか。
表2.2018年2月14日時点の、FX PLUSの1日分スワップを基とした対円通貨ペアの証拠金1万円あたり年間利益想定額※(マネックス証券調べ)
通貨ペア | 買建玉スワップ | 売建玉スワップ | 必要証拠金(ASK) | 1万円あたりの年間利益想定 |
---|---|---|---|---|
USD/JPY | 52 | -55 | 42,890 | 2,213 |
EUR/JPY | -3 | 0 | 53,070 | -103 |
GBP/JPY | 20 | -23 | 59,610 | 612 |
AUD/JPY | 46 | -49 | 33,770 | 2,486 |
NZD/JPY | 42 | -45 | 31,360 | 2,444 |
CAD/JPY | 29 | -34 | 34,110 | 1,552 |
CHF/JPY | -17 | 12 | 45,970 | -675 |
ZAR/JPY | 14 | -17 | 7,210 | 3,544 |
TRY/JPY | 90 | -95 | 22,560 | 7,281 |
MXN/JPY | 11 | -14 | 4,610 | 4,355 |
CNH/JPY | 9 | -12 | 13,540 | 1,213 |
SGD/JPY | 23 | 33 | 32,500 | 1,292 |
HKD/JPY | 0 | -3 | 10,960 | 0 |
※(1日分買いスワップ ÷ 必要証拠金 × 10,000円 × 365日)を12.5倍のレバレッジに換算
※スワップポイントは預金の金利でなく、固定されているものではありません。
※為替レートの差損益は考慮されていません。
※ZAR/JPY、TRY/JPY、CNH/JPY、MXN/JPY、HKD/JPYの必要証拠金率は8%、その他の通貨ペアは4%です。実際の必要証拠金額は、リアルタイムの為替レートを反映し、算出されます。
つまりトルコリラ/円の買い建玉を、12.5倍のレバレッジで保持した結果、証拠金1万円につき7,281円のスワップポイントが付与されることになります。(2018年2月14日のスワップが毎日続いた場合)
このように見ると、トルコリラやメキシコペソなどは特に、他の通貨に比べて金利が高く、またその恩恵を「FXのスワップポイント」という形で、買い建玉さえ入れておけば享受することができるわけです。高金利国への投資とリターンの獲得が、FXで気軽に可能である一方、トルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドは先進国の通貨に比べ、為替市場での流動性が低くカントリーリスクがありますのでご注意ください。
買いで1年間放置...危険な取引!?実際の取引手法を紹介
買い建玉を保有するだけで恩恵を受けられる、スワップポイントを狙う取引は、一般的なFXのイメージにあるように、「緻密な相場分析のもと売買を何度も繰り返す」といった難解なトレード手法に習熟する必要がない、シンプルで手間のかからない取引手法なのです。
とはいえ、買い建玉を1年間放置するなどということは、FXでは方法によって危険な取引と言わざるを得ません。なぜなら為替レートは変動するわけで、証拠金を積み増さなければ変動幅によって「ロスカット」という売買差損の確定が、自動的に強制執行されてしまう場合もあります。「買い」で入る以上、結局恐れるべきは「値下がり」です。そこで実際のマーケットを見てみましょう。
図1は、当社「MonexTraderFX」の「比較チャート」です。さらにその中で、各通貨ペアの終値をバーチャートにした「価格比較」を表示しました。ZAR/JPYやMXN/JPYは表示の2011年以降から今に至るまで、長期的なチャートで見た場合、レートに大きな変動がないことがわかります。突発的な値下がりに備えてレバレッジは低く抑える必要はありますが、例えば、もしお客様が「今後もこの平坦な値動きが続く」とお考えになるなら、この二つの通貨ペアはスワップポイント狙いの取引に向いていると考えられます。ただし、何が起きるかは分からないので、レバレッジは例えば3倍など、低めに抑えるべきでしょう。
図1. 2011年以降の価格比較チャート(MonexTraderより)
一方で、図2は上記と同じ「比較チャート」の「変動率比較」です。これは、その名のとおり起点となる時点でのレート(この場合2011年1月)をゼロとし、その後の価格変動を数値化したものです。このような機能を使って、最大下落/上昇幅から、掛けるべきレバレッジをある程度算出することもできます。人民元/円やトルコリラ/円は、下落/上昇の別をあえて考えないとすると過去7年間で、最大約50%変動したことになります。例えばトルコリラが30円のレートから15円になるという可能性もある訳です。証拠金維持率が8%だとして、30円が15円になってもロスカットせずに耐え得るレバレッジは1.5倍程度となり、2倍にしたら危険です。
つまり高金利国の対円通貨ぺアの代表格たるトルコリラ/円を完全放置したい場合、レバレッジは、過去の実績から1.5倍程度でなければならないという結論になります。ただしこれは、「7年間も放置する場合」です。もう少し短い期間の、例えば数ヶ月~1年間であれば、以下のデータによれば変動幅は25%程度となります。レバレッジも、前述の7年の期間よりはかけられる、と考えられます。
図2. 2011年1月基準 変動率比較チャート(MonexTraderより)
このように当社ツールを利用すれば、スワップポイント狙いの取引手法も、リスクをしっかり計算した上でエントリーできます。しかしそもそも、レバレッジや期間を考えるのが面倒であると考える方には、売買差損リスクを極限まで限定した取引手法もあります。
スワップポイントというのは、以下のようにお客様の建玉が営業日を跨いで保持されたときに発生します。建玉の保有時間(=滞空時間や)取引回数は関係がありません。
図3. スワップポイント発生の考え方
図3でいうと、「A」と「B」と「C」の取引、どれも同じ「2日分」のスワップが付与されます。この中で、最も売買差損リスクが少ないのは、滞空時間が少ない「B」の取引ですよね。FXの営業日は毎朝6:55に終わり、7:10に始まります。(夏時間は1時間遅れ、月曜は7:00開始) つまりこの直前~直後だけ建玉を保持する事を、上記のように3回続ければ、スワップ付与の観点では3日間=72時間建玉を保持し続けたことと全く同じことになります。一方でこの取引手法は、実際の滞空時間は数分になります。つまりレート変動の影響は極少ですよね。毎朝早起きする必要はありますが...、決済だけはOCO注文などで自動化することもできます。これもスワップポイント狙いの取引手法の一例です。
専門家による市況解説もチェックしよう
このようにリスクを勘案し、取引手法まで考えれば、あとは最近の市況をおさらいして準備万端となります。
大手商社や投資顧問会社で活躍された江守哲氏による、2018年2月23日に実施された「高金利国への投資を」セミナーの録画を公開しております。この動画以外にも、FX PLUSなら為替市況等のレポートを1日に1回ペースで更新中です。口座開設さえすれば、取引画面内からどなたでもご覧いただけます。
リスクを抑えたスワップポイント狙いのFXトレードを、この機会にぜひ試してみませんか。
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