日経平均が10月2日につけた高値24,270円から一時21,000円程度まで下落するなど、マーケットは大荒れの様相です。いつが底値なのかは誰にもわからず、不安を強めている方もいらっしゃるかもしれません。本コンテンツでは、大荒れマーケットを乗り切るために比較的簡単に保有する日本株のリスクヘッジをする方法と注意点を合わせてご紹介します。
本コンテンツは情報提供が目的であり、投資その他の行動を勧誘する、あるいは、コンテンツ中の個別銘柄を勧誘、推奨するものではございません。また、過去の実績は将来の投資成果を保証するものではありません。銘柄の選択などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断にてお願いいたします。
また、ブル型・ベア型ETFの値動きはそれらのETFの運用で目指している値動きをする前提で記載しています。
ETFの運用状況によっては、上記記載のような値動きにならないことがありますのでご注意ください。
(出所)マネックス証券ウェブサイト
比較的簡単に保有する日本株のリスクヘッジをする公式とは?
※日経平均やTOPIXのダブルインバース型であればその他のETFでも代替可能
なぜこれがリスクヘッジになる?
厳密にはお客様のポートフォリオごとにリスクヘッジするための金額は異なりますが、本コンテンツでは「ざっくりと市場の変動に対してリスクヘッジしておく」という考え方を採用しています。
以下のグラフのように日経平均ダブルインバース・インデックスETFは概ね日経平均のマイナス2倍の値動きをします。お客様の保有するポートフォリオが概ね日経平均と同じ値動きをすると仮定すると、保有するポートフォリオ金額の半分(0.5倍)の日経平均ダブルインバース・インデックスETFを購入すれば、リスクヘッジができる計算になります。
※後述するようにインバースETFの活用にはデメリットや注意点もあります。
(出所)QUICKデータよりマネックス証券作成
本当に有効?2018年2月の株価急落の際に当てはめてみる
本当に「保有する株式ポートフォリオの金額の半分の金額のNEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース(1357)」を購入することがリスクヘッジになるのか、2018年2月の株価急落の際に当てはめて確かめてみましょう。日経平均は2018年1月23日に24,124円の高値をつけましたが、やや調整した後、2月5日に592円安、6日に1,071円安と急落しました。600円近く下げた2月5日にリスクを感じてダブルインバースETFを購入することにしたと仮定して考えます。
実際の損益を考えるために、当社で保有されているお客様が多い、みずほフィナンシャルグループ(8411)、イオン(8267)、トヨタ自動車(7203)、吉野家ホールディングス(9861)、ソニー(6758)の5銘柄を保有したポートフォリオがあるとします。みずほは株価水準が低いため1,000株、その他の4銘柄は100株保有しているとすると、日経平均が急落した2月5日時点で以下の通り保有金額は約190万円でした。上記でご紹介した公式に当てはめると、190万円×0.5倍=95万円分のダブルインバースETFを保有していればリスクヘッジができることになります。本当にリスクヘッジになったのか、その後の損益の変化を見ていきましょう。
2018年2月5日時点の評価額
銘柄名(保有株数) | 評価額 |
---|---|
みずほ(1,000株) | ¥204,900 |
イオン(100株) | ¥188,100 |
トヨタ自動車(100株) | ¥750,100 |
吉野家(100株) | ¥194,100 |
ソニー(100株) | ¥556,800 |
合計 | ¥1,894,000 |
(出所)QUICKデータよりマネックス証券作成
損益はどう変化した?
日経平均はところどころで反発しながらも下落基調をたどり、3月23日に終値で20,617円の安値をつけました。5銘柄のみのポートフォリオの場合2月5日から3月23日にかけて約8%下落しましたが、ダブルインバースETFを加えたポートフォリオであれば、損益は安定して推移しており3月23日時点でもほぼ2月5日と変わらない損益でした。このように、リスクヘッジの仕方として一定有効なことがご確認いただけたのではないでしょうか。
※取引手数料等は考慮しておりません。
(出所)QUICKデータよりマネックス証券作成
インバース型ETFとは?
インバース型ETFとは日経平均株価やTOPIXなどのベンチマーク(基準となる指数)が下落した場合に価格が上昇するETFを指しています。インバース型ETFの1つに、NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)(日経平均ダブルインバースETF)があります。日経平均ダブルインバースETFは「日経平均の前営業日からの騰落率×マイナス2倍」の値動きを目指して運用されています。
日経平均ダブルインバースETFとは?
銘柄コード | 銘柄名 | 対象指標 | 商品概要 |
---|---|---|---|
1357 | NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 | 日経平均ダブルインバース・ インデックス |
野村アセットマネジメント ウェブサイト |
対象指標の特徴と留意事項
- 日経平均ダブルインバース・インデックスは、常に、前営業日に対する当営業日の当インデックスの騰落率が、同期間の日経平均株価の騰落率の「-2倍」(マイナス2倍)となるよう計算されます。しかしながら、2営業日以上離れた期間における日経平均ダブルインバース・インデックスの騰落率は、一般に日経平均株価の「-2倍」とはならず、計算上、差(ずれ)が不可避に生じます。
2営業日以上離れた期間における日経平均ダブルインバース・インデックスの騰落率と日経平均株価の騰落率の「-2倍」との差(ずれ)は、当該期間中の日経平均株価の値動きによって変化し、プラスの方向にもマイナスの方向にもどちらにも生じる可能性がありますが、一般に、日経平均株価の値動きが上昇・下降を繰り返した場合に、マイナスの方向に差(ずれ)が生じる可能性が高くなります。また、一般に、期間が長くなれば長くなるほど、その差(ずれ)が大きくなる傾向があります。
したがって、NEXT FUNDS日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(日経ダブルインバース指数ETF)は、一般的に長期間の投資には向かず、比較的短期間の市況の値動きを捉えるための投資に向いている金融商品です。 - 指数の動きと実際のファンドの値動きの乖離に関する注意点
実際のファンドの基準価額は、信託報酬等のコスト負担や追加設定・一部解約の影響、日経平均の値動きと日経平均先物の値動きの差異の影響などにより、運用目標が完全に達成できるとは限りません。また、ファンドの市場価格は、取引所における競争売買を通じ、需給を反映して決まります。したがって、市場価格は基準価額とは必ずしも一致するものではありません。
野村アセットマネジメント NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信マンスリーレポート(9月28日)より引用
インバース型ETFを活用する上での注意点は?
NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバースETFをリスクヘッジに活用する場合注意しておくべき点があります。
主な注意点
- 同ETFをポートフォリオに組み込んだままにしていると株価の反発局面でリターンが得られない
- 同ETFは信託報酬が年率0.8%(税抜)と保有コストが発生する
- インバース型ETFは必ず想定した値動きになるとは限らず、思ったようなリスクヘッジ効果が得られない場合がある
あくまで短期的なリスクヘッジと考えることが大切