自動車業界激動の理由とは?EV関連銘柄もご紹介

自動車業界激動の理由とは?EV関連銘柄もご紹介

米大手自動車会社のゼネラルモーターズ(GM)はコスト削減を行い、EVや自動運転車の開発に注力する方針を発表しました。Electric Vihicle、EVと呼ばれる電気自動車は世界の大手企業から(米)テスラなどの新興企業までが注力するなど、世界が注目しているテーマです。国内では、三菱自動車工業(7211)の「i-MiEV」や日産自動車(7201)「リーフ」で知られているEVですが、なぜEV市場が注目されているのか、本コンテンツで説明いたします。またEV関連銘柄(日本株)についてもご紹介します。

本コンテンツは情報提供が目的であり、投資その他の行動を勧誘する、あるいは、コンテンツ中の個別銘柄を勧誘、推奨するものではございません。また、過去の実績は将来の投資成果を保証するものではありません。銘柄の選択などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断にてお願いいたします。

EV事業の発展と国の政策

EVよりガソリン自動車の方が道路で走っているイメージが強いですが、以下図のように世界のEV販売台数は2012年から2018年の5年間で約13倍に増加しています。
さらにIEA発行「世界の電気自動車の見通し(2017)レポートの概要」では、世界の電気自動車の累計台数は2025年までに4,000万台~7,000万台に達すると掲載され、将来はガソリン自動車を見かける方が珍しいと感じるかもしれません。
急成長するEV市場ですが、要因は何でしょうか?その1つに環境対策が挙げられます。ガソリン車が排出するCO2も原因の1つと挙げられる空気汚染。良くニュースで取り上げられる国が中国です。実際に、WHO(世界保健機関)が発表した2016年の世界PM2.5大気濃度で、中国は16位と空気汚染は深刻です。そこで中国政府は、生産する自動車の一定比率をEV(電気自動車)やPHV(ハイブリッド車)などのCO2排出ゼロの新エネルギー車にすることを義務付けるNEV規制(New Energy Vehicle)を2019年に導入する予定です。さらに、中国だけではなくアメリカでもNEV規制と類似内容のZEV規制(Zero Emission Vehicle)がカリフォルニア州で1994年から実施され、2018年にはZEV生産割合16%を義務付けしています。

このように、2017年自動車生産台数ランキング1位の中国、そして2位のアメリカがEVを推奨する政策を打ち出すため、必然的にEV市場の需要は高くなると考えられます。

世界EV販売台数(千台)

(出所)Bloomberg New Energy Financeを基にマネックス証券作成

EV市場参入障壁の低さの理由

自動車業界と聞いて思い浮かぶ企業は「トヨタ自動車(7203)」、「日産自動車(7201)」、「本田技研工業(7267)」などがありますが、EV市場には従来の大手自動車企業以外も参入しています。
例えば、家電大手の英ダイソンは創始者ジェームズ・ダイソン氏が環境汚染の対策のために2020年までにEV市場への参入することを表明しました。家電メーカーがなぜ自動車業界に参入できるのか、その理由は2つあります。

① EVはガソリン車に比べ、部品点数が少なく、生産が比較的に容易。

② EV市場は新技術が必要不可欠な発展途上状態。

EVの発展・普及に必要な技術を持っている企業なら従来の自動車メーカー以外の他業種でも参入しやすいと言えるでしょう。実際に英ダイソンは90年代にディーゼル車の排ガス処理技術の開発など実績があります。

そして現在EV普及の課題の1つを解決するために、自動車関連企業や他業種企業が注力しています。その課題と解決策について簡単にご説明します。

EV普及のための取組み

EV普及の課題の1つとして「航続距離の延長」があります。
航続距離とは、1回の充電で走れる距離を示します。日産自動車(7201)が2017年に発売した「リーフ」の航続距離は約400km(東京から神戸までの1直線の距離にあたる)です。日本だけなら航続距離が約400kmあれば十分と思われますが、海外で需要のあるEVを提供するためには航続距離を延長する必要があります。その解決策として注目を浴びているのが「電池」と「外装素材」です。

次世代電池、全固体電池の登場

全固体電池はEVに使われる次世代電池と知られていましたが、電子部品大手のTDK(6762)が全固体電池の小型化と家電製品への実用化の目途をたてるなどEV以外の使い道にも関心を向けられている電池です。
現在EVに利用されているリチウムイオン電池と、全固体電池はどのように違うのでしょうか?以下の表をご覧ください。リチウムイオン電池と全固体電池の大きな違いは電解質です。電解質とは、水に溶けると電気を通す物質のことです。リチウムイオン電池は有機溶媒、つまり液体で全固体電池は名前のとおり固体です。そのため、リチウムイオン電池は漏出リスクがあり、また可燃性もあるため安全性が低いという点が懸念されています。しかし、全固体電池は電解質が固体のため漏出リスクも低く、可燃性も低いためリチウムイオン電池に比べて安全性が高いというメリットがあります。さらに、全固体電池の方が稼働可燃温度も広いため運転環境に左右されないというメリットもあります。
高スペックの全固体電池の開発のためトヨタ自動車(7203)などの日本の大手企業だけではなく、韓国のサムスンSDIも20分で600kmの航続距離分の充電可能な次世代電池の開発に奮闘するなど、世界で車載用電池の競争が激化しています。

リチウムイオン電池 全固体電池
特徴 電解質が有機溶媒 電解質が個体
安全性 可燃性がある
電解質が液体のため漏出リスクがある
可燃性が低い
電解質が固体なので漏出リスクが低い
稼働可能温度 70℃~-30℃ 100℃~-30℃

(出所)マネックス証券作成

外装を軽量化!素材業界に注目

自動車の外装素材として思い浮かぶのはアルミニウムです。若年層の缶ビール離れや、ペットボトルへの需要増加を背景に、アルミニウム産業では、自動車外装へより注力しています。しかし、そのアルミニウム以外に注目され、かつ航続距離延長に最適とされている軽量化素材があります。それが「CFRP(炭素繊維強化樹脂)」です。鉄鋼ではなく合成樹脂を利用することで、車体の重さが全体の4割ほど軽くなることが判明しました。また鉄鋼を使わないことのデメリットに耐久性が弱くなることが挙げられますが、CFRP(炭素繊維強化樹脂)は自動車の車体に使用できるだけの強度をもつため、軽量かつ耐久性が高いEV生産の実現が可能です。生産コストの高さからCFRP(炭素繊維強化樹脂)はあまり利用されませんでしたが、ZEV規制やNEV規制など各国政策の後押しもあり、量産化により生産とコストが釣り合うと考えた帝人(3401)や三井化学(4183)などの樹脂メーカーも自動車参入を狙っています。

CFRP需要量(t)

(出所)矢野経済研究所の車載用CFRPの世界需要予測調査(2016年)を基にマネックス証券作成

EV関連銘柄のご紹介

電池メーカー、樹脂メーカー、鉄鋼メーカーなど、EV業界には様々な企業が関わっていることをご理解いただけたでしょうか。最後にご参考までにEV関連銘柄をご紹介します。

「テーマ別投資情報」サービスの「電気自動車」関連銘柄のうち、2018年1月1日から2018年11月27日までのマネックス証券の取引者数が上位10銘柄からマネックス証券が無作為に選びました。

本田技研工業(7267)

ホンダは2030年までに生産台数のうち3分の2をEVなどの電気自動車にすることを目標に掲げ、電動化に向けた生産技術の向上を図っています。コスト削減を行い次世代技術に注力する米ゼネラル・モーターズ(GM)と小型・高エネルギー密度の次世代バッテリーを共同開発し、EV市場へ本格的に取り込む姿勢を示しています。

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パナソニック(6752)

総合家電大手で知られているパナソニックは、リチウムイオン電池量産など家電事業から自動車事業へシフトしています。電池競争が激化する中、パナソニックの強みは、リチウムイオン2次電池を米自動車メーカーのテスラ(TSLA)に供給していることです。さらに米ネバダ州にある大規模電池工場「ギガファクトリー」を共同で建設しており、テスラが生産を試みる次世代EV「モデル3」が量産されれば、パナソニックも莫大な電池を供給できると考えられ、2017年4月末には中国にも新電池工場を完成させ、2019年3月期に車載ビジネス売上高2兆円を目指すために量産準備に取り掛かっています。

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トヨタ自動車(7203)

日本最大の巨大企業、自動車販売台数は独VW・日産ルノー連合と並び世界トップです。 2020年以降に中国へのEV導入を加速させ、日本、インド、米国、欧州にもEV導入を推進すると発表しています。EV事業への取組みは熱く、2017年8月にマツダと資本・業務提携を発表し、同年9月下旬にはマツダ、デンソーとEv開発の新会社「EV C.A. Spirit 株式会社」を共同で立ちあげ、技術開発を加速させる姿勢です。

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ヤマダ電機(9831)

国内最大の家電量販店であるヤマダ電機は、2020年にEV生産を目標にEV業界参入を発表しました。
EV開発ベンチャー企業である「FOMM」に出資し、中国自動車大手から部品を調達後、船井電機に委託生産する段取りです。1台100万円以下に価格を抑え、全国のヤマダ電機の店舗にて販売する予定です。

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三井物産(8031)

大手総合商社で、2018年総資産2位の日本を代表とする商社です。環境規制強化のため今後EV普及した後は、電力需要が多くなり送配電系統の負荷が増加します。そのため、蓄電システムなどによる電力供給バランスが重要になります。
三井物産はダイムラーと共に、欧州においてEV充電システムを提供、さらにEV用電池を利用した電力事業を展開するThe Mobility House(TMH社)に出資し、再生エネルギーやEV導入のビジネスモデルの事業化が進んでいる欧州でEV関連事業化に取組みます。

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国内上場有価証券取引に関する重要事項

<リスク>

国内株式および国内ETF、REIT、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等(以下「国内株式等」)の売買では、株価等の価格の変動や発行者等の信用状況の悪化等により元本損失が生じることがあります。また、国内ETF等の売買では、裏付けとなっている資産の株式相場、債券相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等(これらの指数を含む。)や評価額の変動により、元本損失が生じることがあります。信用取引では、元本(保証金)に比べ、取引額が最大3.3倍程度となる可能性があるため、価格、上記各指数等の変動、または発行者の信用状況の悪化等により元本を上回る損失(元本超過損)が生じることがあります。

<保証金の額または計算方法>

信用取引では、売買金額の30%以上かつ30万円以上の保証金が必要です。

<手数料等(税抜)>

国内株式等のインターネット売買手数料は、「取引毎手数料」の場合、約定金額100万円以下のときは、成行で最大1,000円、指値で最大1,500円が、約定金額100万円超のときは、成行で約定金額の最大0.1%、指値で約定金額の最大0.15%を乗じた額がかかります。ただし、信用取引では、「取引毎手数料」の場合、約定金額が200万円以下のときは、成行・指値の区分なく最大800円が、約定金額200万円超のときは、成行・指値の区分なく最大1,000円がかかります。また、「一日定額手数料」の場合、一日の約定金額300万円ごとに最大2,500円かかります。約定金額は現物取引と信用取引を合算します。(非課税口座では「取引毎手数料」のみ選択可能ですのでご注意ください。)単元未満株のインターネット売買手数料は、約定金額に対し0.5%(最低手数料48円)を乗じた額がかかります。国内ETF等の売買では、保有期間に応じて信託報酬その他手数料がかかることがあります。国内株式等の新規公開、公募・売出し、立会外分売では、購入対価をお支払いただきますが、取引手数料はかかりません。

<その他>

お取引の際は、当社ウェブサイトに掲載の「契約締結前交付書面」「上場有価証券等書面」「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」を必ずお読みください。
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