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「オートレール ディール全記録」オートレール・ラボ

オートレール・ラボ vol7

前回の「オートレール・ラボ」で「オートレール真剣勝負・上巻」をご執筆いただいた、かつてバンク・オブ・アメリカでディーラーとして活躍され、現在もプロ・トレーダーを続ける阪谷直人氏による、「オートレール真剣勝負・中巻 オートレールによるディール全記録」を公開いたします。
前回号で「退場しないFX」を実現するために最善の策がオートレールなのでは?と語っていた阪谷氏の、実際のオートレール利用記録を、その戦略立案の過程から余すことなく公開しています。力作であり少々長めですが、10分程で読了できます。ぜひ皆様のオートレール利用時の、大きな参考としていただければ幸いです。

オートレール真剣勝負・上巻「FX取引から退場しないための極意」

オートレールでの取引をする事の意味1:最重要!順張り/逆張り

エントリーに際して、「順張り」と「逆張り」と2タイプがありますが、自分はプロ・ディーラー時代から信条として、トレンドに乗った取引をする「順張り」でエントリーをしたいと思っています。
その点で、オートレールは基本「順張り」なのがいいですね。
オートレールでは、上昇トレンドが出た際に、順張りの買いでエントリーしたいのならば、事前の設定の際に、その時の実勢相場の上のレートでしか買い注文を入力できないのです。

逆に、これから下げてゆくという相場観を持っていて、下降トレンドが出た際に、順張りの売りでエントリーをしたい場合には、事前に発注をする際に、その時の実勢相場の下のレートでしか売り注文を入力できません。つまり、いわゆる「逆指値注文」しか受け付けないのです。通常の「指値注文」は今のレートより有利なレート、米ドル/円を買いたい場合には、現状よりも安い値段での注文であるのに対して、「逆指値注文」とは、今のレートより不利なレート、米ドル/円を買いたい場合、現状のレートよりも高い値段での指値注文をする事を言います。
この「順張り」でのエントリーは、自分のスタイルと同じです。でも「順張り」でのエントリーは、オートレールでなくても「逆指値注文」として発注すれば可能です。

オートレールでの取引をする事の意味2:トレンドの発生を先回り?

マニュアルで取引する際の大きな問題点は、その「買いトレンド」や「売りトレンド」はいつ発生するのかわからないという事です。
おおよその予測はできるものの、正確にその発生を確認して、トレンドの発生時にマニュアルでエントリーする為には24時間ずっと市場に張り付いて見ていなければエントリーできないのです。

ところが、これがオートレールならば事前に発注をする事で、予測した水準に市場が動いてきた際に事前に注文した通りに売買を執行してくれます。

つまり24時間ずっと市場に張り付いている必要から解放されます。ただこの自動エントリーは、オートレールでなくても発注可能です。

オートレールでの取引をする事の意味3:トレーリングという手法

ではオートレールならではの特性とは何か。それは何と言っても「オート」での「トレール」です。これが、オートレールの真骨頂です。
ディール時の自分の信条は、損小利大であるからして、その為には必ず「トレーリング・ストップ」という技法を使います。トレールというのは「追跡」という意味で、相場の動きを追跡して、決済注文を変動させるものです。

それも、利益が増加する方向にのみ適用し、損失が拡大する方向には適用しません。トレンドを追って、相場が伸びるだけ決済注文を先延ばしにできるので、トレンドに乗って「利益の最大化」が図れるのです。

プロ・ディーラーの間では一般的な取引技法であるトレーリング・ストップでは、トレンドが伸びる方向に、決済注文もスライドさせて行くので、強いトレンドが出れば大きく利益を伸ばす事ができるのです。
ただ、「言うは易く行うは難し」で、マニュアルでそのプライス変更の操作を、相場が走り出した際に同じスピード感を以て、かつ間違えることなく敢行してゆくのは非常に大変なのです。そもそもが、24時間ずっと市場に張り付いて、見張っている必要があるのです。

それが、オートレールなら全自動にやってくれるのですから、大助かりです。この機能は、オートレールだけの強みです。

売り新規注文時のトレーリングストップ(トレールストップ)模式図

売り新規注文時のトレーリングストップ(トレールストップ)模式図

オートレールでのディール、その全記録

そのオートレールを、私が実際にやってみました。
以下は実際に一日ごとに書き続けた、米ドル/円による、そのトレード記録のまとめです。
(ディール数は、売って買って利食い、これを2ディールとしました)

Day1  8月1日 ディール数:0  PL:0

(注文)111.35から買い、0.30ずつ5本のピラミッド(注文の積上げ)、0.30のトレール、GTC(無期限)

(所感)7月28日の高値が111.33、日足転換線と先行スパンの上限が111.35であるので足元はドル売りが先行していても、111.35を上抜く場合は強気サイクル入りと判断して、仕掛けを入れました。

Day2  8月2日 ディール数:0  PL:0

(注文)継続

Day3  8月3日 ディール数:0  PL:0

(注文)継続

Day4  8月4日 ディール数:0  PL:0

(注文)継続

(所感)相場観を外すと、そもそも何も起こりません。取引材料を見直す必要があります。オートレールの特性も勉強しながら、仕掛け直しを模索します。

Day5  8月7日 ディール数:0  PL:0

(注文)変更
111.05から買い方向、0.30ずつ5本の買いピラミッド、0.30のトレール、GTCと110.40から売り方向、0.30ずつ5本の売りピラミッド、0.30のトレール、GTCで継続

(所感)取引材料に乏しかった数日間を経て、前営業日8月4日、7月米雇用統計で110.76、その後コーン米NEC委員長のレパトリ減税発言で111.03まで上伸。横ばいになった日足・転換線が111.02に対し、高値111.03が上ヒゲで一時超えるも引けは110.67と、NY終値での上抜けには至らず。東京時間午後に相場が膠着しているので、上下双方向に対応した内容に、注文内容を変更。

Day6  8月8日 ディール数:0  PL:0

(注文)継続

(所感)テクニカルには、方向感のハッキリ出ない、中間波動(もみ合い相場)が続く...。

Day7  8月9日 ディール数:16 PL:△25bp(△15bp、+34bp、+4bp、△26bp △8bp、△11bp、△29bp、+26bp)

(注文)110.55から買い方向、0.30ずつ5本の買いピラミッド、0.30のトレール、GTCと110.40から売り方向、0.30ずつ5本の売りピラミッド、0.30のトレール、GTCで継続

(所感)値動きにヒットし、8つの注文がエグジット(決済)。上手くトレーリングされた持ち玉も出たが、損切り主体でした。上記注文に一旦変更後、3本のショートが損切りし、これで一旦持ち玉は無くなりました。

Day8  8月10日 ディール数:14 PL:+124bp(+68bp、+38p、+8bp +7bp、+22bp、△8bp、△11bp)

(注文)110.30から買い方向、0.30ずつ5本の買いピラミッド、0.20のトレール、GTCと、109.80から売り方向、0.30ずつ5本の売りピラミッド、0.20のトレール、GTCへ変更

(所感)高値110.36、安値109.56、この上下のレンジの間を4回行って来いを繰り返しました。今までの結果としては合計15取引して、スクエア(持ち玉無し)で終えています。
レートの動きに即してSL(ストップロス)が自動的に修正されるので、トレーリングが効果的に行われ、損失額は最低限に縮小されました。マニュアルの場合にはこれだけの数のトレーリングを間違いなく素早く行う事は難しいです。
反省点は、SL幅、トレール幅を0.30にしたのですが、もう少し小さく、例えば0.20で設定した方がこまめに益を確定できたと推定します。ただ、これは結果論ではあります。が、反省を受けて注文を変更しました。

Day9  8月11日 ディール数:2  PL:+6bp

(注文)継続

(所感)109.80、109.50、109.20の3本のドル売りが約定済。このまま変更なく継続します。

Day10 8月14日 ディール数:6 PL:△14bp(+18bp、△12bp、△20bp)

(注文)109.40から買い方向、0.30ずつ5本の買いピラミッド、0.20のトレール、GTCと、108.80から売り方向、0.30ずつ5本の売りピラミッド、0.20のトレール、GTCへ変更

(所感)上値方向は、前日11日の高値が109.40であったので、そこを上抜けるとその場合は、日足転換線の109.90への上昇を想定します。下値方向は、前回安値の6月14日安値の108.80、前日11日の安値の108.72であったので、これらの水準を下抜ける場合、下値目途とされる108.00を試す展開と想定します。

Day11 8月15日 ディール数:8 PL:+192bp(+93bp、+63p、+33bp、+3bp)

(注文)継続

(所感)よく注意してみるとわかるのですが、SLがしっかりとトレーリングされています。東京時間23時頃に、110.85から110.61まで下押しが入り、その過程で、4本のドルロングのSLがかかり、4本とも利食いで終了、損益は+283bpまで積上げてきました。

結果:損益+283bp  勝率60.0%

ここまでの結果だけでも、オートレールが「チョコチョコ損切り」「シッカリ利食い」という宣伝文句そのものの取引を自動で行ってくれる事がわかると思います。またリスク管理がシッカリしているので、相場観を外した時には、そもそもディールがゼロですので、これほど心強いものはありません。
次回の下巻では、今回のディールとオートレールそのものを総括します。

(2017年9月下旬公開予定の下巻に続く...)

筆者ご紹介

阪谷 直人(さかたに なおと)氏

阪谷 直人(さかたに なおと)氏

1983年アメリカ銀行入行、ディーラーとして資金、スポット、フォワード、先物取引、通貨オプションの各商品を担当後、1990年デリバティブデスクの立ち上げに参画。1999年よりバンクオブアメリカ証券会社、2008年よりバンクオブアメリカメリルリンチ、ソシエテジェネラルにてデリバティブと為替の営業を担当。
2011年退職後、個人としてトレーディングを開始。現在メルマガにて相場分析、市場関連情報を発信中。

2018年2月現在、阪谷氏は個人によるFXトレーディング、メルマガ等の情報発信を休止しております。

初心者にも、忙しい方にもおすすめ!オートレール(複合注文)とは!?

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