業界最低水準のサービス利用料で、簡単に本格的な低コスト国際分散投資ができる新サービス「マネックスアドバイザー(以下「マネアド」)」。このマネアドと貸株サービスを組み合わせて使うことで、資産運用をしながら一般的な銀行預金を大きく上回る利息が貰えてしまう裏ワザ的な活用法があるのをご存知でしょうか?
マネアドのサービス運営を担当するマネックス・ラボ長の斎藤翔太に貸株サービスの利用方法と注意点を聞きました。
※本コンテンツにおける金利や各社ロボアドバイザーの情報は、2018年7月25日時点の当社調査に基づいております。
ポイント
- マネアドで運用する国内ETFを貸株サービスで貸し出すことで、年率0.10%(税引前)以上の貸株金利という利息がもらえる。
- 貸株サービス利用中でも、国内ETFの分配金にあたる配当金相当額を受け取れる。
利息も貰えるロボアドバイザーは国内ETFで運用する「マネアド」だけ
-マネアドを使って国際分散投資をしながら利息を受け取る方法があるという噂を聞いたのですが、これって本当ですか?
マネックス・ラボ長 斎藤翔太
斎藤:はい、本当です。貸株サービスをご利用いただいて、マネアドで運用する国内ETFをマネックス証券に貸し出していただければ、お借りしている国内ETFの評価額に対して年率0.10%(税引前)以上に相当する金額を利息(貸株金利)として受け取ることができます。国内で貸株サービスによる利息を得られるロボアドバイザーは、今のところマネアドだけです。
-年率0.10%って、銀行預金と比べてお得なんですか?
斎藤:2018年7月現在のメガバンクの普通預金金利は0.001%ですから、預金とは異なりますが単純に受け取る金利を比較すると100倍お得になります。キャンペーンであったり、預入期間・金額に条件を設けることで年利0.20~0.30%の特別な定期預金を提供している銀行もありますが、無条件で年利0.10%の銀行預金を提供している銀行は殆どないはずです。
-100倍は確かに凄い!でも他のロボアドバイザーでは、どうして資産を貸し出して利息を貰うことはできないんですか?
斎藤:良い質問ですね。一般的なロボアドバイザーは投資一任契約を締結して、資産管理をサービス運営会社に委ねてしまうため、投資家の意志で資産を貸し出したりすることはできません。一方、マネアドは投資家の方が直接ご自身の資産を管理できるため、貸株サービスを利用することが可能なのです。
貸株サービスの利用申込方法
利息は毎日発生し、貸出はいつでも解除できる
-国際分散投資をしながら、さらに普通預金の100倍の金利が得られるのは魅力的ですが、貸し出した国内ETFはいつ返却してもらえるのですか?それから貸出中も配当金を受け取れるのか気になります。
斎藤:貸した国内ETFはいつでも返してもらうことができますし、貸出中でもマネアドから一部売却やリバランスを行うことが可能です。また貸出中に支払われた国内ETFの分配金はマネックス証券が一旦受け取りますが、配当金相当額をお客様にお支払いしますので、貸し出していることを意識せずにマネアドで資産運用を続けていただけます。
-短期間の貸し出しでも、利息は貰えるのでしょうか?
斎藤:大丈夫です。貸株サービスは定期預金のように期間を決めて貸し出すものではありませんので、貸出期間が数日であっても、その分の利息を受け取ることができます。利息は毎日発生し、翌月10日に1ヶ月分の利息がまとめて証券総合取引口座に入金されます。
貸株サービスの注意点とは
-マネアドと貸株サービスの組み合わせは、良いこと尽くめのように思えますが、保有する国内ETFを貸し出してしまうことに、何かデメリットはないのでしょうか?
斎藤:そこは、しっかりとお伝えしなくてはいけないですね。ご注意いただきたいデメリットは2つあります。1つ目は、確定申告が必要な方は配当に関して税制上不利になること。2つ目として、マネックス証券が倒産した場合に貸し出した資産を失う可能性があります。
-どちらも気になりますね。詳しく説明してもらえますか?
斎藤:まずは、配当に関する税制上のデメリットからお話ししましょう。貸出中の国内ETFの分配金は、一旦マネックス証券がお受け取りして、マネックス証券からお客様に源泉徴収後の配当金相当額をお支払いします。一見すると何の問題もなさそうなのですが、分配金は確定申告時に税制上は「配当所得」を扱われ、一定の税額控除を受けることができます。これに対して、配当金相当額は「雑所得」として扱われるため、確定申告が必要になった場合、さらに税金が引かれてしまうのです。また、雑所得は他の取引との損益通算ができないことにも注意が必要です。
-なるほど。ちなみに貸株サービスを利用すると、必ず確定申告が必要になるのですか?
斎藤:いえいえ、そうではありません。会社員で勤務先からの給与以外に収入が無い方は、配当金相当額の受取額が20万円以下であれば確定申告は不要です。マネアドで配分比率が高い日本株や先進国債券に関する国内ETFの配当性向は1%後半ですので、1000万円程度の貸出であれば、確定申告が必要になる可能性は低いでしょう。
【ご参考】1年間で受け取る配当金相当額の試算
配当金相当額とは、国内ETFの分配金から所得税等(20.315%)を差し引いたものです。
1年間で受け取る配当金相当額は、以下の方法で試算することができます。
1年間で受け取る配当金相当額 = 貸出資産の総額 × 配当性向 ×(1-20.315%)
この方法でマネアドの配当金相当額を試算すると下表のようになり、金額が赤く表示されている場合には、確定申告が必要になります。なお、この結果はあくまでも試算ですので、実際の貸出にあたりましては、貸株ページの「貸株通帳」で毎月の配当金受取額をご確認ください。
マネアド全体での配当性向 | |||||
---|---|---|---|---|---|
3.0% | 2.5% | 2.0% | 1.5% | ||
貸出国内ETFの総額 | 1300万円 | 310,772 |
258,976 |
207,181 |
155,386 |
1200万円 | 286,866 |
239,055 |
191,244 | 143,433 | |
1100万円 | 262,961 |
219,134 |
175,307 | 131,480 | |
1000万円 | 239,055 |
199,213 | 159,370 | 119,528 | |
900万円 | 215,150 |
179,291 | 143,433 | 107,575 | |
800万円 | 191,244 | 159,370 | 127,496 | 95,622 |
マネックス証券作成(単位:円)
-分かりました。マネックス証券が倒産した場合のリスクについても説明してください。
斎藤:証券会社では、自社の資産とお客様からお預かりしている資産を分けて管理しているため、証券会社が倒産した場合にも、お客様の資産が無くなったり減ってしまったりすることはありません。ですが、貸株サービスを利用されると貸し出された株式の名義が、お客様からマネックス証券へと移りますので、上記の分別管理をすることができなくなり、また投資者保護基金の保護対象からも除外されます。
-ちなみに貸株サービスは、誰でも申し込めるのでしょうか?
斎藤:残念ながら、信用取引口座を開設している方はご利用いただけません。その代わりに、マネアドの国内ETFは代用有価証券(掛目80%)として、ご活用いただくことが可能です。
貸株サービスの注意点
- 信用取引口座を開設されている方は、貸株サービスをご利用になれません。
- 貸株金利と配当金相当額は、雑所得となるため他の取引との損益通算を行えません。
- 確定申告をされる方は、貸株サービスで配当金相当額を受け取ると税制上不利になる場合もあります。
- 貸株サービス開始時に保有している株式(国内ETFを含む)やサービス利用中にあらたに買付または入庫した株式は、一部の貸株非対象銘柄を除き、全て自動的に貸出されますが、貸出さない銘柄や株数を後から自由に設定することもできます。
マネアドは口座に寝かせているお金の運用に最適
-貸株のリスクをしっかりと理解して活用すれば、年率0.10%以上の貸株金利は資産形成の大きな味方になりそうですね。
斎藤:はい。マネアド本来の機能である国際分散投資で、世界経済の成長による国内ETFの値上がりというキャピタルゲインを狙いつつ、運用する資産を貸し出すことによって、経済動向に左右されない安定的なインカムゲインも享受できるのは、マネアドの大きな魅力だと考えています。
-最後にマネアドの利用をご検討中の方にメッセージをお願いします。
斎藤:マネアドは、運用する資産に対して年率0.30%(税抜)という納得感のある利用料で、思いどおりの国際分散投資が非常に簡単にできるという便利なサービスです。運用コストが安く、手間も掛からず、また東京証券取引所市場の取引時間中であれば、すぐに売却して、他の商品の買付資金に充てることができますので、長期の資産運用/資産形成だけではなく、口座に寝かせてしまっている資金のとりあえずの投資先としても最適な商品ではないでしょうか。