含み損を抱えたまま、身動きが取れない。
「いつか損切りしなければならないんだろうな......」そう思っていても、なかなか損切りができない。
そんなご経験はありませんでしょうか?
今回は、元株式ディーラーで現在、こころトレード研究所を運営するBコミ氏こと坂本慎太郎氏が、含み損のタイプ別対処法を紹介いたします。
みなさまの投資のご参考になれば幸いです。
本コンテンツは情報提供が目的であり、投資その他の行動を勧誘する、あるいは、コンテンツ中の個別銘柄を勧誘、推奨するものではございません。また、過去の実績は将来の投資成果を保証するものではありません。銘柄の選択などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断にてお願いいたします。
坂本 慎太郎 氏
日系証券会社のディーラーとして株式と先物の売買を経験。2008年から社債・地方債・財投機関債のファンドマネージャーを経験した後、運用計画の策定・株式のストラテジスト、株式のファンドマネージャーとして運用に携わる。
現在はこころトレード研究所を運営し、株・為替・商品先物・不動産等の投資を行う。
実は含み損とうまく付き合える投資家は少ない!?
株式投資を行っている参加者は「儲けたい」という思いから株式投資を行っている方が多いと思います。儲けるためにリスクを取ってリターンを上げようとしますが、そこには必ず損失の可能性が付いてきます。あたり前の話ではありますが、実はこの損失とうまく付き合えている投資家が少ないのではないでしょうか。今回は含み損を抱えてしまった原因・付き合い方についてお話しいたします。
仕事柄、含み損で身動きが取れない投資家と接する機会は多くあります。彼らはなぜこのような状況になってしまったのでしょうか?抱えてしまった含み損を取り戻すことは難しいですが、また同じ結果にならないように、なぜ含み損を抱えてしまったのかを理解することは前を向いて投資をしていくために必要な通過儀礼のように思います。
含み損の原因は購入前に損切りラインの存在を軽く考えていたからではないでしょうか。損切りラインの存在を知らずに抱えてしまった含み損は仕方のないもののように思います。
含み損の原因は三つに大別できる?
含み損の原因はこの三つに大別されます。
1.は仕方がないでしょう。「習うより慣れろ」の精神で株式市場に飛び込んでしまったのだから損切りの考え方や損切りラインの設定方法を学んで次に活かすことができます。
新たな手法にチャレンジしたいと考えるのであれば、今の含み損は勉強代として損切りを選択するのも一つの選択肢でしょう。
2.は比較的改善がしやすい。次回のエントリーから損切りラインを設定して相場に臨むよう改善できます。損切りラインは「いくら儲けたい」の金額で設定するのではなく、投資スタイルや資金需要を踏まえて保有期間と銘柄のボラティリティを頭に入れて定めるといいでしょう。その際、大事なことは「利食いライン>損切りライン
(ティック数)」にすること。30円の利益を得たいならば損切りは20円程度に留めることが望ましいでしょう。利益のティック数より損切りのティック数が大きいと資金は増えていきません。
新たに損切りラインを設定した投資をしたい人も、やはり今の含み損を損切りすることが選択肢の一つになるだでしょう。願うなら、一歩進んだ投資にチャレンジしてほしいと思います。
3.が一番改善に時間がかかるかもしれません。個人投資家の売買はプロの売買と違ってルールを自分で決めることができます。あらかじめ損切りラインを定めていても「まあいいや」、「損失を出したくない」、「損切りラインをいきなり通過したので思考停止した」、「急激な下落に腹が立った」など自分でルールを捻じ曲げてしまった経験はないでしょうか? この、あらかじめ決めたルールを自分で破っていることが大きな問題のように思います。
投資家として生き残る際の注意点は?
私も偉そうに話してはいますが、トレードの一番の敵は大口投資家でも空売り勢でもなく、自分の心の弱さだと思っています。含み損をどうしても損切りをしたくない場合や明らかにダメなパターンで意地を張ってしまう場合もあります。しかし、損切りを行ってきたからこそ退場せずに今の自分があります。
投資家として生き残る決意がある方は損切りして新たな第一歩を踏み出してほしい。その際の注意点は「利食いラインと損切りラインを定めてからエントリーすること」この一つのルールを守ることを心に誓い、投資家の仲間入りをしてほしいと思います。
そして、どうしても自分で損切りできない人は逆指値を利用するのも一つの方法でしょう。兼業投資家には特におすすめしたい注文方法です。
簡単に設定できる逆指値
いかがでしたでしょうか。含み損を抱えたとき、あなたはどのタイプにあてはまりますか?
元株式ディーラーである坂本氏もおすすめする、逆指値。
まだご利用になっていない方は、この機会にぜひご検討ください。
逆指値のここがポイント!
- 損切りラインを事前に設定できる
- 最大30日先まで発注し続けることが可能(※)
- 売買手数料は、通常の指値・成行注文と同じ
※信用取引では、最大1週間となります。また、NISA口座での取引は逆指値に対応しておりません。また、権利落ち日を跨いだ場合、売買単位が変更になった場合、部分約定した場合など、途中で失効する場合がございます。あらかじめご注意ください。
指値・逆指値のイメージ
指値注文(売り注文)
例えば「株価が120円以上になったら売る」というように、指定した値段以上になったら売る注文方法です。

逆指値注文(売り注文)
例えば「株価が80円以下になったら売る」というように、指定した値段以下になったら売る注文方法です。
逆指値と通常の指値を組み合わせた「ツイン指値」もオススメです。
主に「指値を利食注文」、「逆指値を損切り注文」として、一度に設定することが可能です。