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ジャック・ボーグル氏逝去 その偉大な功績を称える

インデックス・ファンドの父ジャック・ボーグル氏逝去 その偉大な功績を称える

米国の投資信託運用会社「バンガード・グループ」の創業者であるジャック・ボーグル氏(ジョン・ボーグル氏)が1月16日に89歳で逝去されました。マネックス証券はボーグル氏とバンガード社の偉大な功績を心から敬愛し、深く哀悼の意を表します。本コンテンツではボーグル氏の功績や個人投資家に薦めた投資法などをご紹介します。

代表取締役社長 松本大よりボーグル氏追悼のご挨拶

バンガードの創業者、ジャック・ボーグル氏がなくなられた。1999年、マネックスが創業した直後に、バンガードは日本でのパートナーを探し、なんと創業後間もない、本当にひよっこのようなマネックスを、当時でも世界第二位の投信会社であったバンガードは、そのパートナーとして選んでくれた。そして2000年7月、バンガードは歴史上初めて、アメリカ以外の国でその投信を販売することを、それを日本に於いてマネックスを通して行うことを発表した。

偉大な会社バンガードは、何故赤ん坊のようなマネックスをパートナーとして選んでくれたのだろう?私の理解はこうだ。投資の基本は、低コストで運用された分散投資アセットを長期に保有すること。そして投資の判断は、プッシュされて決めるのではなく、投資家が自らの意思で決めること。そういった理念を、私たちは共有していたのではないか。裏を返せば、少なくとも当時、そのような考え方をする証券会社は、日本ではとても珍しかったのだ。

インデックス・ファンド、インデックス投資は、いやバンガードという存在は、投資の世界に巨大な革命を起こしてきた。低コストのインデックス投資という考え方、受益者の利益を何よりも重要に据える考え方。その揺るがない信念は、マーケットという或る時は冷徹で、また或る時は感情的過ぎる場に於いて、強く、孤高で、しかし温かく、そして燦然たる輝きを常に照らしてきた。その偉大な存在バンガードの基盤を創った偉大な創業者が、ジャック・ボーグル氏だ。

私は何度か Valley Forge にあるバンガードの本社を訪れたことがある。当時の経営者であるジャック・ブレナン氏と経営陣の皆さんは、いつも温かく迎えてくれた。そんな訪問のうちの或る時、私は本社の玄関近くの静かなステアケースで、まるで玄関の壁に組み込まれた肖像画のように、静かで、威厳を持ちつつも、周囲に完全に溶け込んだ、かくしゃくとした、老紳士を見掛けた。するとバンガードの役員が、優しい顔で、あれがジャック・ボーグル氏であると教えてくれた。ジャック・ボーグル氏に直接お会いすることが出来たことは、私の人生の宝である。

投資の世界に革命を起こし、永遠に生き続ける普遍的な投資哲学と、投資理論と、何よりも受益者のための仕組みを考え出し、それを実現した偉大なる人物、ジャック・ボーグル氏。巨星墜つ、とはまさにこのことか。ジャック・ボーグル氏の投資に対する考え方と、受益者に対する思いを今ひとたび良く咀嚼し、マネックスのお客さまのために真剣に商品とサービスを考え、そして提供していくことで、ジャック・ボーグル氏に対する追悼の意を表し、実現していきたい。

マネックス証券代表取締役社長  松本大

ボーグル氏とバンガード社の偉大な功績とは?

世界初のインデックスファンドを組成

ボーグル氏は1975年にバンガードを創業すると翌年に世界初となるS&P500に連動するインデックスファンドを組成しました。今ではインデックス投資の有効性は世界中で知られるようになり、インデックスファンドの残高は一貫して拡大しています。

投資家の利益を追求し極限まで運用コストを引き下げ

バンガードは投資家の利益を追求し、投資家にとってのコスト引き下げを追求してきました。同社が運用する「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」の経費率(信託報酬に相当)は年率0.04%と非常に低い水準です。

世界中の投資家に国際分散投資を手軽に実践できるファンドを提供

バンガードは米国だけでなくその他の先進国や新興国に投資できる様々なファンド(ETF)を運用しています。また、対象となるインデックスは株式に加えて債券も含まれており、世界中の投資家はバンガードのファンドを活用することで手軽に国際分散投資を実践できます。

ボーグル氏が個人投資家に薦める投資法とは?

ジョン・C・ボーグル(著)
出版社:パンローリング

数々の偉大な功績を残したボーグル氏ははっきりと個人投資家が選ぶべき投資法を提言しています。ボーグル氏の著書である「インデックス投資は勝者のゲーム」(パンローリング)から彼が薦める投資法の一部をご紹介します。

低コストのインデックスファンドを活用した長期投資

歴史がそれを証明してもいるが、株式投資で成功する戦略とは、アメリカの上場株式すべてを、極めて低いコストで保有すること、である。これらの企業が配当や利益成長というかたちでもたらすリターンのほぼすべてを獲得することができるのだ。
この戦略を実行する最良の方法も極めてシンプルだ。市場全体のポートフォリオを有するファンドを取得し、永遠に持ち続けることである。そのようなファンドはインデックスファンドと呼ばれている。

(出所)「インデックス投資は勝者のゲーム」(パンローリング)

ボーグル氏は「低コストのインデックスファンドを活用して米国企業や世界中の企業の株式に長期投資すること」こそが投資家にとって最も良い投資法であると説いています。例えばS&P500に連動するインデックスファンドを購入すれば米国のほとんどの企業に投資していることになります。S&P500は以下のチャートの通り長期的に高いリターンを達成してきました。

資産形成についてのシンプルだが容易ではないアドバイス

優れた投資とファイナンシャルプランニングに関するシンプルだが容易ではないアドバイスには、概して次のことが含まれる。広く分散しなさい。コストを抑えなさい。規律ある方法でリバランスしなさい。消費を抑えなさい。貯蓄を増やしなさい。将来のリターンについて大胆な仮定をするのを控えなさい。フリーランチに思えるようなものがあるなら、よほど説得力ある説明がない限りはフリーではないと思いなさい。

(出所)「インデックス投資は勝者のゲーム」(パンローリング)

ボーグル氏は著書の中で「投資の成否を決めるのはすべて常識的なことである」と記しています。常識的なこととは、引用したようにコストを抑えて分散投資を実践することや投資にうまい話はないと肝に銘じることなのでしょう。「言うは易し行うは難し」ですが、一人でも多くの投資家が実践し幸せな資産形成に成功されることをボーグル氏も願っていると思います。

バンガード社の運用する米国ETFのご紹介

銘柄名 銘柄概要 経費率
バンガード・S&P500ETF(VOO) 米国の主要業種を代表する大企業500銘柄で構成される、S&P500指数に連動したパフォーマンスを目指します。 0.04%
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) 米国を含む先進国および新興国約47ヵ国の大型・中型・小型株約8,000銘柄で構成される、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動したパフォーマンスを目指します。 0.10%
バンガード・米国トータル債券市場ETF(BND) 米国の投資適格債券市場を網羅する、バークレイズ米国総合浮動調整インデックスに連動したパフォーマンスを目指します。 0.05%

経費率は12月末時点におけるデータです。

米国株取引の流れ

米国上場有価証券等のお取引に関する重要事項

<リスク>

米国株式および米国ETF、REIT、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等(以下「米国株式等」)の売買では、株価等の価格の変動、外国為替相場の変動等、または発行者等の信用状況の悪化等により、元本損失が生じることがあります。米国ETF等の売買では、裏付けとなっている資産の株式相場、債券相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等(これらの指数を含む。)や評価額の変動により、元本損失が生じることがあります。国外株式等の場合には、その国の政治的・経済的・社会的な環境の変化のために、元本損失が生じることがあります。なお、外国為替相場の変動により、外貨お預り金の円換算価値が下がり、円ベースでの元本損失が生じることがあります。

<手数料等>

米国株式等の委託取引では、約定金額に対し0.45%(税込:0.495%)(上限20米ドル(税込:22米ドル))の国内取引手数料がかかります。IFAを媒介した取引の取引手数料は、1注文の約定金額により異なり、最大14,000米ドル(税込:15,400米ドル)かかります。取引手数料のほか売却時のみ現地取引費用がかかります。現地取引費用は、市場状況、現地情勢等に応じて決定されますので、その金額等および手数料等の合計額等をあらかじめ表示することはできません。店頭取引では取引手数料はかかりませんが、取引価格は当社が直近の米国金融商品取引所の終値等をベースとして合理的に算出した基準となる価格に、概ね1.5%(最大5.0%)のスプレッドを加減して決定し、IFAを媒介した取引の場合は、概ね2.2%(最大5.7%)のスプレッドを加減して決定いたします。米国ETF等の売買では、保有期間に応じて信託報酬その他手数料がかかることがあります。円貨お預り金と外貨お預り金の交換時に所定の為替手数料がかかります。

<その他>

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