世界市場見通し:株式に関しては、短期的リスクには注視する必要あり
毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式に関しては、流動性や経済回復への期待が引き続き支援材料と判断しています。ただし、コロナウィルスの感染拡大など短期的リスクには注視する必要があると考えます。
社債に関しては、スプレッドの縮小を受け、バリュエーションは割高と判断することから、やや強気の見通しを中立に引き下げました。
資産クラスの見通し
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
---|---|---|---|
流動性や経済回復への期待が引き続き支援材料と判断しています。ただし、死亡者数の上昇等の短期的リスクには注視する必要あると考えます。 |
引き続き、今後の利回り低下余地は限定的と考えており、割高であると判断しています。 |
スプレッドの縮小を受け、バリュエーションは割高と判断することから、やや強気の見通しを中立に引き下げました。 |
経済回復が見込まれることから、エネルギーや産業用金属を中心に見通しをやや強気に引き上げました。 |
見通しの表示:++強気、+やや強気、0中立、-やや弱気、--弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス、分類(地域、通貨)毎の見通し
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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株式 | 米国 | 足元までの上昇を考慮するほか、よりシクリカルな地域に対する選好度を引き上げることから、米国株式の見通しを強気からやや強気に引き下げました。 |
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欧州 | 世界経済活動の正常化により恩恵を受けることが見込まれ、長期に亘るアンダーパフォームからの回復が期待されると考えます。 |
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日本 | 新型コロナウイルス感染拡大の程度は相対的に軽度となっており、国内経済への影響も相対的に抑えられていると判断しています。また、経済回復により輸出セクターが恩恵を受けると考えます。 |
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アジア太平洋 (除く日本) |
新型コロナウイルスのワクチン開発の進展に加え、金融・財政政策が下支えとなり、経済の回復基調が継続すると考えます。 |
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新興国 | 北アジアを中心に新興国市場への選好を維持しています。ただし、ラテンアメリカやインドなど、よりシクリカルな地域の上昇余地もあると考えています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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国債 | 米国 | 新型コロナウイルスを巡る状況は引き続き不透明感が強く残ることから、米国債は経済減速時のヘッジ手段として有効であると考えます。 |
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欧州 (ドイツ国債) |
バリュエーションの魅力度は引き続き低く、今後のさらなる利回り低下余地は依然限定的と考えることから、ヘッジ手段としての有効性も低いと判断しています。 |
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新興国 (米ドル建て) |
一部のハイイールド新興国国債への選好を引き続き維持しています。 |
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新興国 (現地通貨建て) |
新興国の一部地域について、中期的に投資機会が存在すると考えます。 |
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インフレ連動債 | 一部地域でのワクチン接種開始を背景に、インフレ連動債は上昇が続いており、さらなる上昇余地があると見込んでいます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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投資適格 社債 |
米国 | ワクチンの配布に伴い経済回復が見込まれる他、国債市場が割高であることを背景に投資家は代替となる市場を模索すると考えられることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
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欧州 | 欧州連合首脳会議で、2.2兆ドル規模の中期予算・新型コロナウイルス復興基金が合意されたこと等が支援材料と考えます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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ハイイールド 社債 |
米国 | スプレッドが大幅に縮小したことに加え、ファンダメンタルズは引き続き低迷が続くことから、見通しをやや弱気に引き下げました。 |
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欧州 | 金融・財政政策は支援材料であるものの、スプレッド縮小によりバリュエーションが割高と判断することから、見通しを中立に引き下げました。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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コモディティ (商品先物) |
エネルギー | 今後見込まれるワクチン普及に伴う旅行関連需要の拡大の可能性などが支援材料と考えます。 |
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金 | ワクチンに対する市場の楽観的な見方や、経済回復の兆候、経済活動の正常化を背景に、中立の見方を維持しています。 |
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産業用金属 | 経済回復に伴い、需要の拡大が見込まれることから、見通しをやや強気に引き上げました。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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通貨 | 米ドル | これまで米ドルが持つヘッジ機能を選好してきましたが、同選好度を引き下げることから、見通しを中立に引き下げました。 |
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ユーロ | 世界経済回復による恩恵が見込まれる他、同地域への株式の買いに伴うテクニカルな資金フローが支援材料と考えます。 |
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日本円 | リスク後退が見込まれる環境下、ヘッジ手段としての需要が減少すると判断しています。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2020年12月上旬に英語で作成されたものを12月下旬に日本語に翻訳しています。
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