カンタン・カシコイ自動発注「オートレール」は、2017年1月のサービスインからもさらに研究を進め、2018年1月に大幅な改良をいたしました。
研究開発に要した約2年の間に、膨大な数のバックテスト・実際の取引履歴(トラックレコード)の研究を行い、弱点を徹底的に洗い出しました。
今回のオートレールラボでは、この研究の過程で行ったバックテスト結果を公開し、どのような設定やトレードアイデアが最適と言えるのかを、皆様と一緒に考えていければと思います。
<目次>
オートレールの弱点とは...?
皆様の取引状況や、バックテスト結果を受けて、以下のような設定ガイダンスを公開しています。
【オートレール オススメの設定内容】
黄色ハイライト部分のように、どのタイプのお客様にも「トレール幅は思い切って大きく取ってください」と、共通して申し上げております。
さらに、毎月開催しているオートレールセミナー(2018年4月時点)では、以下の図のような相場にはオートレールが「弱い」から「対策としてトレード幅を大きくしてほしい」というご説明を、繰り返し行っています。
マネックス証券作成 2018年3月実施セミナー資料より抜粋
オートレールにおいて、トレール幅を細かく設定してしまうと、相場のトレンドとは異なる微細な上下動を拾い続け、損切りだけでなく利益確定もチョコチョコ行ってしまうため、結果として効率的ではなくなってしまいます。
- トレール幅少...損切りが細分化・利益確定も細分化
- トレール幅大...損切りは大掴み化・利益確定はよりジックリ伸ばす様に
上図Aであっても上図Bであっても、この弱点を克服するには、トレール幅を大きく持つことが重要です。と、そう言い切れるのは、きちんと検証をしているからです。その検証を次項で見ていきましょう。
最も大事なファクターは売/買ではない...!?
では、実際のバックテスト結果を見てみましょう。
(なお、今回公開するバックテストは、正確性・中立性を確保するため、開発時に外部委託をして実施したものです。この他、開発検討時には数多のバックテストをマネックス証券社内でも実施しましたが、外部に公開しておりませんので、ご了承ください。)
以下は、2014年11月1日~2017年10月31日までの各種バックテストの条件と結果です。
【バックテスト期間中の米ドル/円 日足チャート】
【バックテスト結果】単位:pips
売買/方向 | 基準価格の設置方法 | 設置本数 | 設置値幅 | トレール幅 | 獲得損益 | 勝率 | 勝ち数/総取引数 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A | 買/上方向 | 月初に、始値の直上に設置 | 10本 | 50 | 50 | 465.9 | 38.4% | 248/646 |
B | 買/上方向 | 月初に、始値の直上に設置 | 10本 | 50 | 200 | 2,159.0 | 41.3% | 85/206 |
C | 売/下方向 | 月初に、始値の直下に設置 | 10本 | 50 | 50 | -2,056.4 | 36.9% | 320/867 |
D | 売/下方向 | 月初に、始値の直下に設置 | 10本 | 50 | 200 | 2,038.5 | 40.6% | 104/256 |
※上記バックテストは、トレードサイエンス株式会社が2017年11月に実施
※1ヶ月に1回、「基準価格の設置方法」に沿ってオートレール自体の設置し直しを自動実施
チャートから分かる通り、買/上方向にも売/下方向にも取引機会がありましたが、このバックテストで検証したかったのはトレール幅です。
設定AとBのロジックは、トレール幅を除いて、
- この3年間の相場を、
- 買いで上方向への設定で、
- 毎月初に始値の直上から設置し続ける。
と共通していました。双方とも、トランプ相場の急騰トレンドをうまく捉え利益を出すことができたのですが、確定益が格段に多かったのは、トレール幅を200pips(=2円)と大きく取った設定Bでした。
「買/上方向」という設定は、急騰があったこの相場に合致しているので、単純な勝敗で言えば双方とも勝ちです。しかし利益幅は、トレール幅50pips(0.5円)の設定Aでは、わずか465.9pips(4円65.9銭)に対して、トレール幅200pips(2円)の設定Bでは、2,159.0pips(21円59銭)と、大きな利益を得ることに成功しています。
さらに、同期間において、
- この3年間の相場を、
- 売りで下方向への設定で、
- 毎月初に始値の直下から設置し続ける。
という設定C・Dも試しています。CとDの違いもトレール幅のみです。トランプ相場の上昇幅より、その前の下落幅の方が大きいので、見方によってはこちらも相応の利益が出そうなものですが、トレール幅50pips(0.5円)の設定Cでは、損失2,056.4pips(20円56.4銭)となってしまいました。
やはり選択肢として「売/下方向」が誤りだったと考えてしまいがちですが、結果は全く異なるものでした。同じ「売/下方向」でトレール幅200pips(2円)の設定Dは、2,038.5pips(20円38.5銭)と大きな利益を出すことができました。
このように、上下方向ではなくトレール幅が結果を左右することがあります。如何にトレール幅の設定が大事なのか、ご理解いただけたのではないでしょうか。
なお、トレール幅が「広いかどうか」を比較するには、トリガーの「設置値幅」を参考にしてください。設置値幅に対して、トレール幅がそれ以上になっているか、何倍になっているか、という見方が適切です。設置値幅で、デイトレードなのかスウィングトレードなのかといった、時間軸での取引スタイルを調整できるからです。
同じ相場で、さらに成績の良い設定も...
さらに、上記と同じ3年間の相場で、当時開発中だった「予約オートレール」についてもバックテストを実施していました。予約オートレールとは、例えば下げ相場において「ここで下げ止まる」と予想しているときに、反転上昇するレートを事前に設定することで、そのレートから上にオートレールを設定することができる(上げ相場で下落局面も、同様)機能です。(詳細はコチラをご確認ください)
この機能のバックテストにおいては、担当者の裁量で毎月「ここで下げ止まる」と設定していては検証にならないため、市況からくるお客様の行動形態を仮定して「2円下(上)」と定めてテストを実施しました。
つまり、予約オートレールを予約する時の幅、上図の「ア.」の部分を、常に「2円下(上)」として、1ヶ月に1回オートレールを仕掛け直したという事です。
【バックテスト結果】単位:pips
売買/方向 | 基準価格の設置方法 | 設置本数 | 設置値幅 | トレール幅 | 獲得損益 | 勝率 | 勝ち数/総取引数 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
E | 買/上方向 | 月初に、始値の2円下に設置 | 10本 | 50 | 200 | 7,150.4 | 48.5% | 63/130 |
F | 売/下方向 | 月初に、始値の2円上に設置 | 10本 | 50 | 200 | -370.3 | 47.4% | 37/78 |
※上記バックテストは、トレードサイエンス株式会社が2017年11月に実施
※1ヶ月に1回、「基準価格の設置方法」に沿ってオートレール自体の設置し直しを自動実施
前項設定Cの結果と同じく、売/下方向の設定Fは370.3pips(3円70.3銭)の損失と、振るいませんでした。これは、この3年間の相場が、設定Dという例外はあるものの、オートレールの売/下方向という設定と相性が良くなかったことを表しています。それもそのはずで、「初回の上昇幅+トランプ相場の上昇幅」と「トランプ相場前の下落幅」を比べると、前者の上昇幅の方が時間的にも、チャートの単純な長さとしても、持続していたからです。
しかし、注目していただきたい点は別のところにあります。設定Eでは、7,150.4pips(71円50.4銭)という大きな利益を生んでいる点です。前項の設定Bと比べてみると、同じ買/上方向の戦略でも、予約オートレールを利用するかしないかで、ここまで利益に違いが出てくるのです。
この理由は、通常のオートレールでは、現在値「から」上/下にしかトリガーを仕掛けられませんが、予約オートレールでは、現在値の「周辺」にトリガーを仕掛けられる、つまり現在値からご自身が考える相場の振り幅全てに対して、仕掛けることができるからだと考えられます。
オートレール設定時の極意はコレだ!
簡潔にまとめます。開発時のバックテストを紐解くと、オートレール設定時の極意が自ずと判明してきました。
1. 実は、重要な設定項目は「トレール幅」だった。とにかく「設置値幅」に対して「トレール幅」を「同等かそれの何倍か」取ることが重要。
2. 予約オートレールを利用することで、取引の可能性をより大きくすることが可能。相場によっては、大きな利益を期待できる。
特に「1.」の極意は、非常に重要だと考えます。同じ相場でも、この設定だけで大きく明暗を分けてしまう場合もありました。オートレール設定時には、是非参考にしてみてください。
初心者にも、忙しい方にもおすすめ!オートレール(複合注文)とは!?
オートレールは1回のカンタンな設定で持続的・自動的に、FX取引が行われる自動の注文方式です。
想定通りの上昇相場、レンジ相場であった時は利益を最大限追求し、思惑と反対だった場合も、トレールの仕組みが損切りを徹底。リスクを最低限に抑えることができます。
※下記シミュレーションはオートレール設定を「買い」にした場合のものです。
オートレールの仕組みはカンタンで、トレール注文が、所定のリピートロジックに従って連続・複合していきます。そのため操作も簡単。通貨ペアや取引数量といった基本的な設定項目以外でも、わずか5項目さえ入力すれば、発注が可能です。
FX PLUS(外国為替証拠金取引)をはじめるには
FX PLUSは、マネックス証券の「証券総合取引口座」と「FX PLUS口座」の2つの口座を開設すると、ご利用いただけます。もちろんどちらも口座開設・維持費は無料です。
外国為替証拠金取引は、全てのお客様の投資運用に適合するものではございません。お客様によっては、投資商品として適合しない場合がございますのでご注意をお願いいたします。お客様の本商品・取引の性格・リスク・費用に対する正確なご理解を前提とし、現在の収入金額や金融資産額の状況、ご投資資金の運用期間や目的を十分にご考慮のうえ、お取引の決定のご判断をお願い申し上げます。
また、FX PLUS口座の開設には一定の審査がございます。審査の結果によっては開設できない場合もございますので、あらかじめご了承ください。
FX PLUS(外国為替証拠金取引)をはじめるには
FX PLUSは、「FX PLUS口座」を開設すると、ご利用いただけます。もちろん口座開設・維持費は無料です。
外国為替証拠金取引は、全てのお客様の投資運用に適合するものではございません。お客様によっては、投資商品として適合しない場合がございますのでご注意をお願いいたします。お客様の本商品・取引の性格・リスク・費用に対する正確なご理解を前提とし、現在の収入金額や金融資産額の状況、ご投資資金の運用期間や目的を十分にご考慮のうえ、お取引の決定のご判断をお願い申し上げます。
また、FX PLUS口座の開設には一定の審査がございます。審査の結果によっては開設できない場合もございますので、あらかじめご了承ください。