ETFプロバイダの大手であるブラックロックの米国本社を突撃訪問し、担当者にインタビューして参りました。ブラックロックといえば、世界最大の資産運用会社として有名ですが、彼らの強み・特徴を現場の担当者から直接伺いましたので、ぜひご参考ください。
本コンテンツは情報提供が目的であり、投資その他の行動を勧誘する、あるいは、コンテンツ中の個別銘柄を勧誘、推奨するものではございません。また、過去の実績は将来の投資成果を保証するものではありません。銘柄の選択などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断にてお願いいたします。
取材に応じていただいた方々
今回、取材に応じていただけたのは、iシェアーズ®(運用会社:ブラックロック)の株式マーケットチームの方々になります。
彼ら曰く、2018年3月末時点でiシェアーズを含めた世界全体のETFマーケットは4.83兆ドルですが、そのうち36.6%(1.77兆ドル)の取引がiシェアーズにより行われており、同業他社と比較してもマーケットシェアが大きいことも大きな特徴です。
世界最大の資産運用会社
Q1.ブラックロック社の特徴を教えてください。
二つ大きな特徴があります。一つ目は「ビジネス規模」であり、二つ目は「商品群の幅の広さ」です。
まず、一つ目の「ビジネス規模」についてですが、ブラックロックは総運用資産額が6.32兆ドル(2018年3月末時点)となっており、運用資産額は世界最大級です。お客様の大切な資産をお預かりしている中で、規模が大きいからこそ見えるものがあります。そのひとつとして、資金の流れがあります。投資家の皆様がマーケットをどのように見て、どのように行動しているかを把握ができることは、我々運用会社にとって大変貴重なものです。
続いて、二つ目の「商品群の幅の広さ」についてですが、我々は多数のアセットクラスをお客様にご提供しています。それにより、お客様は様々な分野に投資をすることが可能になります。また、世の中の動きを見ながら、お客様は機動的にご自身の資産配分を変えることも可能にもなるのです。
Q2.ETF運用会社はいくつもありますが、その中でもブラックロックの役割とは何だと思われていますか?
お客様を常に意識し、新しい商品を提供することだと考えています。我々は、お客様に商品特性について理解を深めていただくとともに、お客様のニーズを確認しながら新商品を作り上げています。
新商品を提供する一方で、残念ながらお客様のニーズがなくなってきている商品があれば、それを整理することも我々の役割だと考えています。
Q3.アメリカの個人投資家におけるETFとはどういった存在でしょうか?
アメリカの投資家にとっては、ETFは資産形成において身近な存在ではないでしょうか。
たとえば、ブラックロックにおける売買の7割は個人投資家によるものです。
投資信託と比較して、上場している投資信託であることで、機動的な売買ができるということで投資しやすいのではないでしょうか。
経費率の低下について
Q4.S&P500連動型ETFの中でも「IVV」は経費率を0.04%まで引き下げていますが、その成果は出ているのでしょうか?
引き下げ当時は大変でしたが、取引高は増えている状況です。
我々がコアと位置づけている中長期投資向けの商品では、経費率の引き下げをしており、引き続きお客様の利便性を向上させたいと考えています。コア商品から生まれる派生型の商品についても、経費率は少し高めになるものの、商品性に工夫を施したかたちで提供していきたいと考えています。
Q5.ETF運用会社の経費率引き下げ競争は限界まできていないでしょうか?
断定はできませんが、新しくマーケットに参入する企業にとってはだいぶ厳しくなってきているのではないかという印象です。
Q6.「PFF」がマネックス証券では人気商品ですが、アメリカではどうでしょうか?
アメリカでも人気のある商品です。
PFFは優先株式と呼ばれる株式へ投資を行うものですが、一般のお客様は、優先株式に投資をすることができません。そのため、ETFを通じて投資できることのメリットを感じていただき、日本でもアメリカでも人気があるのだと思います。
取扱商品について
今回取材で登場したETF
シンボル | 銘柄名 | ベンチマーク(指数) |
---|---|---|
PFF | iシェアーズ 米国優先株式 ETF | S&P 米国優先株式インデックス |
(出所)マネックス証券米国株取引サイト トレードステーション
シンボル | 銘柄名 | ベンチマーク(指数) |
---|---|---|
IVV | iシェアーズ・コア S&P500 ETF | S&P 500指数 |
(出所)マネックス証券米国株取引サイト トレードステーション
日本人投資家へのメッセージ
Q7.最後に、日本の投資家のみなさんにメッセージをお願いします。
iシェアーズに限らず、私たちブラックロックにはノウハウがあり、そのノウハウをお客様に提供できるリソースも持っています。繰り返しになりますが、ブラックロックのビジネスはスケーラビリティがあり、商品の幅、商品の管理体制ともに整っています。
この事実にお客様も安心感も持っていただけるのではないでしょうか。
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