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全米が注目!テレビ討論会3回目の内容をピックアップ!

米大統領選挙 候補者は何を語る?テレビ討論会

いよいよ2016年11月8日(火)、4年に一度の米大統領選挙が行われます。マネックス証券では大統領決定まで、情報を更新し、みなさまに最新の情報をわかりやすくお届けいたします。本ページでは3回に分けて、大統領候補のテレビ討論会にて候補者が発言したポイントをお届けいたします。

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本レポートの執筆者

私が執筆を担当します!

よそうかい・グローバル・インベスターズ・インク代表

松本 英毅 氏(ニューヨーク在住)

1963年生まれ。1989年にNYに移住。音楽家としての活動のあと、1997年にはブローカーとして商品市場でのキャリアをスタート。
2004年ごろから情報配信も行うようになり、業界新聞等への執筆やTV東京モーニングサテライトへの出演など、コメンテーターとしての活動を開始。NYを拠点に米国の金融、商品市場を幅広くウォッチ、特に原油を中心とした商品市場全般に対する造詣が深く、商社や金融機関のコモディティー担当者に読者が多い。

よそうかい.com のウェブサイト

有料メルマガ 「コモディティートレーダーから見た米株・FX」

テレビ討論会3回目(10月19日開催)のまとめ

ポイント① 最高裁
ポイント② 妊娠中絶
ポイント③ 移民問題
ポイント④ 経済
ポイント⑤ 大統領としての資質
ポイント⑥ 中東情勢
ポイント⑦ 財政赤字

ポイント① 最高裁

クリントン氏

女性や同性愛者の権利を守るべき

トランプ氏

国民の銃保持の権利を尊重すべき

クリントン候補は、最高裁は米国民の立場に立つべきで、大企業や富裕層のためにあってはならないと主張、女性や同性愛者の権利を守ることだとした。これに対しトランプ候補は国民の銃保持の権利を謳った合衆国憲法修正第2条は守られるべきと主張した。クリントン候補は銃保持の権利について、修正第2条はもちろん尊重するが、合理的な規制が行われるべきとした。トランプ候補は、シカゴは全米でも特に銃規制の厳しいところではあるが、銃犯罪は他の都市よりも多いと批判した。

ポイント② 妊娠中絶

クリントン氏

最も個人的な判断を下す場面に政府が介入すべきではない

トランプ氏

妊娠後期の中絶の残虐性は受け入れられない

トランプ候補は、自分は中絶反対派であり、最高裁判事にも反対派を選ぶとした上で、こうした流れがそれぞれの州にも浸透していくことを望むと主張。これに対しクリントン候補は、妊娠後期に入って母子の健康に関する問題が生じる可能性があるような場合について、最も個人的な判断を下す場面に政府が介入するべきではないとした。トランプ候補は妊娠後期の中絶の残虐性を指摘、自分には受け入れられないとした。

ポイント③ 移民問題

クリントン氏

1,100万人もの不法移民を本国に送還するのは現実的でない

トランプ氏

不法移民による麻薬取引や凶悪犯罪の問題を指摘

トランプ候補は、クリントン候補が不法移民に対して恩赦を与えることに賛成しているが、これは長年永住権の獲得を待っている人々に対して極めて不公平だと指摘、不法移民による麻薬取引や凶悪犯罪の問題などを例に挙げ、メキシコとの国境警備を強化すべきだと主張した。クリントン候補は、1,100万人とされる不法移民は、400万人の米国民である子供を持っており、これらの人々を全て本国に送り返すのは、家族を引き裂くことになる主張した。またトランプ候補はトランプタワーを建設する際、多くの不法移民を不当に安く使ったとも批判した。

司会者はクリントン候補に対し、ウィキリークスに掲載された漏洩メールで、国境をオープンにするのが夢だと語っている点を指摘、その真意を尋ねる。クリントン候補は、それは電力の自由化についての中の話だとかわすが、ここでトランプ候補が語気を強め、彼女はシリアからの難民を何でも受け入れるつもりだと批判した。ここからトランプ候補はシリア問題からロシアのプーチン大統領まで話題を飛躍させ、クリントン候補も感情的になり、批判の応酬で収拾がつかなくなる。クリントン候補は核兵器のボタンをトランプ候補のような人物に任せるべきではないと言い切るが、これに対しトランプ候補は、私は軍の支持を得ていると反論した上で、クリントン候補は自分が劣勢になると核のボタンの話を持ち出し、話を誤魔化すと批判した。

ポイント④ 経済

クリントン氏

雇用プログラムや小規模ビジネスへの支援、教育への投資

トランプ氏

大規模減税で米経済の成長を促す

クリントン候補は、中産階級が栄えれば国が栄えるとした上で、第二次世界大戦以降最大の雇用プログラムや、小規模ビジネスへの支援、教育への投資などを進めると力説。サンダース候補が主張していた大学の学費を無償化する意向を示した。ある試算では、我々の計画では1,000万の雇用を創出する一方、トランプ候補の計画では300~500万の雇用が失われるとも述べた。これに対しトランプ候補は、クリントン候補の増税計画は悲惨な結果になると批判、大学の授業料無償化も、大幅な増税によるものだと指摘した。トランプ候補はここで、日本やサウジアラビアなどの同盟国に軍事費を負担させるかねてからの主張を展開、更にはNAFTA(北米自由貿易協定)への批判に発展、協定によって多くの雇用がメキシコなどに流出しているとした。大規模減税によって財政赤字が膨らむとの指摘には、米経済の回復によってカバーできるとした。

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)については、クリントン候補は最初の案を見た時には反対だったとした上で、雇用の創出や収入の増加、安全保障の点で問題が多いと指摘、大統領になったら、改めて反対するとした。ここで中国による鉄鋼やアルミのダンピングの問題を持ち出し、トランプ候補が自前のビル建設でその恩恵を受けたと改めて非難した。これに対しトランプ候補は、クリントン候補が30年に及ぶキャリアの中で一体何をしてきたのかと、中国の問題も含めてこれまで失政を批判した。クリントン候補は自らのキャリアと、その時にトランプ氏が何をしていたかを時系列的に対比して反論、泥仕合の様相を呈してきた。

ポイント⑤ 大統領としての資質

クリントン氏

トランプ候補は自身への批判を、全て陰謀論にすり替える

トランプ氏

自身の女性問題については、全てがでっち上げだ

トランプ候補は数々の女性問題について、彼女たちのことを知らないし、どのようにしてやってきたのかも分からない、クリントン陣営のキャンペーンの一環だと思うと主張。全てはでっち上げだとした。これに対してクリントン候補は、これまでトランプ候補が情勢に対してしてきた行動が、全て彼を物語っていると痛烈に批判した。この後トランプ候補は、クリントン候補の個人メール問題に言及、3万3千通ものメールを違法に破棄したと、これまで同様の主張を繰り返した。

司会者は次に、クリントン財団の問題に言及、国務長官との利益の相反は避けると上院で宣誓しているが、資金を寄付したものが便宜を求めて接触したと疑惑が生じているとした上で、利益供与はなかったのかと質問。クリントン候補は、そのような事実はないとした。トランプ候補はこれを犯罪組織だとした上で、女性弾圧をしているサウジアラビアやカタールといったアラブ諸国からも資金供与を受けていると批判。一方クリントン候補は、財団は慈善事業で、90%が寄付でまかなわれていると反論した。

司会者は次に、トランプ候補に対して選挙結果が出ればこれを受け入れるのかと質問。トランプ氏は、メディアは不誠実で、選挙登録に関しても不正の可能性があると反論し、質問には答えず、一方でクリントン候補はメール問題などで、そもそも立候補できない人物だと批判した。クリントン候補はこれに対し、トランプ候補は彼自身への批判を、ことごとく陰謀論などにすり替えているとした。彼の言動は240年続いてきた民主主義を否定するもので、我々は公正な選挙を行ってきたとした。

ポイント⑥ 中東情勢

クリントン氏

シリア上空に飛行禁止空域の設定を引き続き主張

トランプ氏

オバマ政権は、シリアの反政府勢力の実態を把握しないままに支援を続けている

司会者は、イラク政府がISIS(イスラム国)の支配するイラク北部の主要都市モスルの奪回作戦に着手したことに言及、クリントン候補はこれを支持、更にはシリアへの圧力を強め、ISISの拠点に到達することに期待するとした。また、シリア上空に飛行禁止空域を設けることも、引き続き主張していくとも述べた。トランプ候補はこれに対し、モスルの現状は悲惨なものだが、攻撃を今始めたのはクリントン候補を有利にするために米政府が後押ししているからだとした。

司会者は話題をアレッポ(シリア北部の主要都市)に向ける。トランプ候補はアレッポの悲惨さを何度も強調、オバマ政権は反政府勢力の実態がよく分からないままに支援を続けていると批判した。司会者はクリントン候補に対し、ロシア機が飛行禁止空域を無視した場合、撃ち落すのかと質問。クリントン候補はこれに対し、これは一日で成立するものではなく、多くの交渉を必要とするとしたが、質問には直接答えなかった。

ポイント⑦ 財政赤字

クリントン氏

トランプ候補の減税を行えば、社会保障を削減するしかない

トランプ氏

オバマケアの作り直しを主張

司会者は、現在、国の借金はGDPの77%となっているが、クリントン候補の経済政策では向こう10年で86%に、トランプ候補の政策では105%に膨れ上がるとの試算が出ていると質問。トランプ候補は米国の経済成長率を現在の5から14%に引き上げることで、赤字の問題は解消されるとした。これに対しクリントン候補は、財政赤字は1セントたりとも膨らませないと約束。その財源は富裕層と企業に求めるとした。

次はソーシャルセキュリティやメディケアなど、社会保障費の財源枯渇の問題。ここでトランプ候補は今のオバマケアを、コストの高さなどの点で猛烈に批判、制度の作り直しを強く主張した。クリントン氏はこれに対し、社会保障のベネフィットは減らさないことを約束、一方でトランプ候補の減税案を行えば、社会保障を削減するしかなくなるとも批判した。

総括

テレビ討論会3回目は期待値が低かった分、トランプ候補がやや優勢

最後にクリントン候補は、権力や企業に対して家庭の立場から立ち向かうとし、雇用や収入の増加、教育の充実などを主張し国民の支持を訴えた。一方トランプ候補は強いアメリカを取り戻すとの主張を繰り返した上で、軍や退役軍人の利益を守り、警官や女性の尊厳を取り戻すとした。

全体としては、3回目の討論にして、初めてある程度の議論になったという印象が強かった。個人攻撃は相変わらずだったが、トランプ候補も過激な発言は控え、なんとか最後まで討論の形を維持できたという感じ。期待値が低かった分、トランプ候補を見直したという視聴者も結構いたのではないか。一方クリントン候補は、相変わらず質問にはそつなく答えるし、特に悪い部分も見当たらなかったが、トランプ候補の人間性やアクの強さにはやや押され気味。最後まで彼を理論で打ち負かすには至らなかったというのが正直なところだろう。

テレビ討論会2回目(10月9日開催)のまとめ

第2回目となる今回の討論会は、日本ではあまり馴染みのないタウンホール・ミーティング方式。候補者2人が聴衆に取り囲まれる形でフロア中央に立ち、会場からの質問に互いに答える形で進められた。今回はソーシャルメディアで関心の話題について、司会者が質問するという形も採用された。

討論会2日前の7日、2005年に録音されたトランプ候補の女性蔑視発言が公開され、多くの非難が集まった一方、トランプ側は討論会直前に緊急会見を開き、過去にビル・クリントン元大統領に侮辱を受けたとされる女性4名を紹介し、討論会にも招待するという、異様な雰囲気の中で両候補が登場。事前に握手することもなく討論が始まった。

質問:自分自身が今の若者に対して適切でよい見本であると考えるか

クリントン氏

若者に米国が素晴らしいと伝えるのは重要、同時に多様性を受け入れ、他人を尊重すべき

トランプ氏

米国を再び偉大な国にするとし、質問には具体的に回答せず

クリントン候補は多くの教師や親から不安の声が上がっていることを採り上げ、トランプ候補の言動やスキャンダルを批判。一方で多様性を受け入れ他人を尊重することの重要性にも触れ、トランプ候補が女性蔑視や移民差別発言を繰り返していることも攻撃した。

これに対しトランプ候補は米国を再び偉大な国にするとしたものの、質問の内容には具体的に回答せず、その後オバマケアやイランの核開発に関する合意に対する批判に矛先を向けた。

ここで司会者が7日に発覚した11年前の会話のテープに言及。実際に女性に対し性的暴行に近いことをやったことがあるのかとたずねるが、トランプ候補はこれを否定。会話はあくまでも私的なもの(ロッカールーム・トーク)であると突っぱねた。クリントン候補は終始にこやかな表情だった第1回討論会から一転して険しい表情で反論、過去の言動と照らし合わせても、あれこそがトランプ候補だと強く批判、女性のみならず、移民やマイノリティー、障害者やイスラム教徒などにも同じような態度を取っているとした。

司会者はソーシャルメディアを通じた質問として、トランプ候補は今も女性蔑視発言を行った11年前と同じなのか、それとも変わったのかと畳み掛ける。

トランプ候補はこれに対し、発言はあくまでもロッカールーム・トークだと繰り返し、それ以上は言及せず、ビル・クリントン元大統領に性的虐待を受けた女性を紹介、攻撃の矛先を元大統領に向けて反論を続ける。

クリントン候補は、ミッシェル・オバマ大統領夫人の言葉を引用、彼らが下劣な手法に出るなら、我々はもっと高みを目指そうと呼びかけ、この問題を一蹴した。

トランプ候補はここでクリントン候補の電子メール問題に言及、大統領選に勝利した場合は特別検察官を任命して調査に当たらせるとし、自分の政権下なら彼女は牢屋に入っているとした。

質問:国民健康保険(オバマケア)の問題をどのように改善するのか

クリントン氏

問題点については改革を進めるが、一から作り直すのは問題が多すぎる

トランプ氏

オバマケアは大惨事だと批判、もっと負担の少ない制度に作り直すべきと主張

クリントン候補は保険料の上昇や保険のサービス内容の低下といった問題点を認めこれを改善するとした一方、保険会社は加入拒否が出来ないことや、保険の適用額に制限がないこと、26歳以下は親の保険に加入することができる点など、良い点もあるとした上で、一から保険制度を作り直すのはもっと悪いことになるとした。これに対しトランプ候補は、オバマケアは大惨事のようなもので、保険料が信じられないほどに高いと批判、絶対に機能することはないとした上で、もっと割安な制度に置き換えるべきだとした。

質問:今後のイスラム教への対応は

クリントン氏

イスラム教徒は米国社会の一部 ISISと戦うためにもイスラム諸国と協力

トランプ氏

反イスラム感情高まりは恥ずべきことだが、イスラム過激主義のテロには断固対抗する

トランプ候補は、米国人の中にある「反イスラム感情(islamophobia)」の高まりは恥ずべきことだが、一方では世界各地でイスラム過激派によるテロが起こっていることも無視するべきでない。こうしたイスラム過激派のテロははっきりと名指しし、これに対抗するべきだと主張。一方クリントン候補は、イスラム教は既に米国で深く根付いているとした上で、ISISなどと戦う上でもイスラム諸国との協力関係を強めるべきとの見方を示した。

司会者はトランプ候補に対し、昨年12月に主張したイスラム教信者の入国を制限すべきとの考えを今でも持っているのかと問いただしたが、トランプ候補は論点をずらし、まともには回答せず。

一方クリントン候補に対しては、シリアからの難民の受け入れを増やすべきと主張していることに対して、そうしたリスクを取る必要性について質問。クリントン候補は、リスクを高める可能性のある人物を入国させるわけではないとした上で、多くの子供達が悲劇的な戦争の犠牲になっており、これは自分たちの問題として捉えるべきとした。

質問:より公平な税制を実現すべきために改善する点は

クリントン氏

トランプ候補の減税案は富裕層を助けるだけ、彼は税金を払っていない

トランプ氏

私の税金対策を非難するなら、クリントン候補が上院議員だった時に改正するべきだった

トランプ候補は、クリントン候補が自分の税金対策を非難するのなら、上院議員だったときに改正を働きかけるべきだったとし、何もしなかったのは自身も恩恵を受けていたからだと暗に批判。更にはクリントン候補が増税を考えているのに対し、私は税率を35%から15%に引き下げ、中間層に対しても減税を行うとした。

これに対しクリントン候補は、トランプ候補は恐らくここ20年間税金を払っていないと指摘、彼の減税案も、彼のような富裕層を助けるだけであり、中間層にも最終的には増税になると批判した。一方自身の案では、年収25万ドル以下の所帯は税金が増えないとした。

司会者はここで、トランプ候補に対し、過去何年間個人の所得税を払っていないのかと質問、これに対してトランプ候補は、税金は払っているとだけ答えた。

質問:シリア問題にはどのように対応するのか

クリントン氏

シリア国内に米軍を展開するべきではない

トランプ氏

アサド政権の軍事拠点に対して攻撃を加えるべきとの副大統領候補の主張には同意しない

司会者はシリア情勢やアレッポの人道支援に対する方針を何度も問いただすが、トランプ候補は論点をずらしてこれに答えず。一方、アサド政権の軍事拠点に対して攻撃を加えるべきとするペンス副大統領候補の主張に対しては、彼と一度もこの問題について話していないことを明らかにした上で、同意はしないとした。

クリントン候補は、米国の地上軍をシリア国内に展開するのは、大きな間違いだとこれを否定、代わりに軍事訓練などでサポートするべきとした。

質問:最高裁判事の任命に関して重要な点は

クリントン氏

非常に重要で、女性の権利や婚姻の平等性といった価値観は尊重されるべき

トランプ氏

尊敬される人格を持ち、憲法を尊重する人物を選ぶべき

トランプ候補はここで再び論点を変え、クリントン候補の政治資金に対する嫌疑を持ち出して批判するが、特に発展は見られず。

質問:今後のエネルギー政策について

クリントン氏

中東諸国がコントロールする中でエネルギー価格が下落している

トランプ氏

米環境保護庁(EPA)の規制がエネルギー会社を弱体化させている、クリーンコール(石炭)を利用すべき

トランプ候補は米環境保護庁(EPA)の規制の強さを非難、エネルギー会社を窮地に陥れているとする一方、エネルギー源としては風力や太陽光などに加え、クリーン・コール(石炭)の利用を拡大すべきとした。クリントン候補は、米国はエネルギーの中東依存を減らしているとしながらも、依然として彼らがコントロールする中でエネルギー価格が下落していると指摘。クリーンエネルギーの利用拡大が新たな雇用を創出するとした。

質問:相手候補を尊敬できるのはどのようなところか

クリントン氏

彼の子供たちを尊敬している

トランプ氏

彼女は「ファイター」、決して諦めない

今回の討論会での一番の質問という評判も。クリントン候補は彼の子供たちは尊敬できるとした上で、母や祖母としてこれは重要とも述べた。トランプ候補は、彼女は決して諦めず、撤退することもなくやり遂げる人物とし、「ファイター」だと評した。

総括

テレビ討論会2回目もクリントン氏の勝利!

前半はトランプ候補の女性蔑視発言問題が中心となり、険悪な雰囲気も漂ったが、内容が政策に移っていくうちにそうした雰囲気は薄れてきた感じがあった。討論の内容自体は、やはりクリントン候補の方が一枚上、トランプ候補は質問に対してまともに答えようとしない場面も多く見られ、問題を理解しているのかさえも疑わしい部分もあった。

ただ、もともとトランプ候補に対する期待が低かったこともあり、善戦したとの声があるのも事実。また、自分が大統領になったら特別検察官を任命し、メール問題で牢屋に送ると発言したことはメディアも大きく取り上げており、注目を集めた部分ではトランプ候補が優勢だったとも受け止めることができよう。一方、クリントン候補はトランプ候補に対する攻撃が、第1回の討論に比べて控えめだったという印象を受けた。

テレビ討論会1回目(9月26日開催)のまとめ

ポイント① 雇用問題
ポイント② 税金問題
ポイント③ 人種問題、国内治安
ポイント④ 安全保障
ポイント⑤ 核問題

ポイント① 雇用問題

クリントン氏

最低賃金引き上げ、男女平等賃金、Profit sharing、Paid Family leave(育休など)

トランプ氏

アウトソーシング問題(具体的対策に言及なし)、企業減税、貿易協定の交渉見直し

トランプ候補は相変わらずの仏頂面でクリントン候補の話を聞くスタイル。クリントン候補が改善点を次々と挙げていくのに対し、トランプ候補は多くの雇用が国外に流出している点を強調。企業の国外流出を阻止するためにも大幅な企業減税を行う必要があるとの一点に絞って主張。

これに対しクリントン候補は貿易の重要さを前面に押し出し、公正な貿易を行う必要があるとした。トランプ候補の減税策については、トリクル・ダウン・エコノミクス(富裕層が潤えば、その恩恵が一般層にもおりていくという理論)のもっとも過激なものと批判。上位10%の富裕層に対する減税は過去に例を見ないほどの額になるとした。

また、減税によって5兆ドル以上の財政赤字が発生、富裕層に比べて中間層に対して極端に不利な政策となり、300-500万人の雇用を失った上に、新たなリセッションに陥る可能性があると批判した。

また住宅バブルとその崩壊を、トランプ候補が強く望んでいると発言していたことを批判、トランプ候補は、「それがビジネスだ」と切り返す場面も見られた。一方トランプ候補はオバマ政権でクリントン候補がNAFTA(北米自由貿易協定)を推進したことを批判したが、クリントン候補はその功績を主張するにとどまり、話は平行線に終わった。

ポイント② 税金問題

クリントン氏

富裕層への増税を主張する一方、法人税は変更しないことも協調

トランプ氏

雇用創出のための大規模な企業減税案を改めて主張

ここではそれぞれの増税、減税案の中身よりも、トランプ候補の税金申告書の公開問題が前面に押し出される展開。クリントン候補はトランプ候補が所得税をここ数年払っていないと批判、トランプ候補が思っているほどに高額所得者ではないか、自身が言うほど慈善事業などに高額の寄付をしていないのであろうと皮肉った。これに対しトランプ候補は、監査が終わればいつでも公開すると述べた。

一方トランプ候補は、クリントン候補の私用メール問題を取り上げ、クリントン候補は個人のメールを使用したのは間違いで不適切だったと述べ、多くは弁解しないと述べた。これに対しトランプ候補は、メール使用は間違いなどではなく、何らかの意図があってのことだったと批判したが、それ以上追及することはなく、その後は再び自身の税金申告問題の弁明に戻った。

ここまでのところは、トランプ候補が意外にまともで無難な受け答えを行っているという印象、議論の内容もそれほど突拍子なものでもなく、クリントン候補がやや優勢かという程度の展開。ただ、市場に安心感が広がったのか、ダウ平均などの米株価指数先物やドルは、徐々に騰勢を強める格好となった。

ポイント③ 人種問題、国内治安

クリントン氏

警察官の再教育、地域住民と警察との関係改善が必要

トランプ氏

法と秩序の確立、Stop and Frisk(警察官に職務質問の権限を与える法律)への支持を表明

人種に絡む問題だけに、クリントン候補は慎重な言い回しに終始。黒人に対する偏った見方は、警察官だけではなく、一般市民の誰もが持ち得るものだとし、そのためにも警察官への教育のほか、銃規制も進めていく必要があるとした。

一方、トランプ候補は一貫して法と秩序(Law and Order)の確立を強く主張したほか、ジュリアーニ市長時代にNYで適用され、今は違法と判断されている Stop and Frisk を改めて進めるべきだとした。この件に関しては黒人の司会者も何度も意図を確認するなど、トランプ候補らしいといえば彼らしい過激な発言として受け止められた。

また、そこからの話の流れで、トランプ候補が黒人初の大統領となったオバマ大統領の出生に疑問を投げかけ、最後は大統領が出生証明書を公開するに至ったことも話題に上ったが、トランプ候補は、自身が強く求めたから大統領が証明書を公開したと、自分の実績であることを強調した。

クリントン候補はまた、トランプ候補が1973年に人種差別によって司法省から訴えられたことを指摘、自身の開発する住居に黒人を入居させなかったと批判した。

このあたりから、過去の言動などを色々取り上げられては批判されるようになったトランプ候補が劣勢に、クリントン候補の発言を途中で遮ったり、司会者の要請を無視して話し続けたりと、言動に余裕がなくなってきた。

ポイント④ 安全保障

クリントン氏

NATOや中東諸国との関係強化、核兵器の削減に向けた取り組み

トランプ氏

ISISはオバマ政権が作ったと主張、同盟国に軍事費を負担させる案も主張

はじめに民主党大会において、何者かのサイバー攻撃によってメールの内容が流出した事件がテーマとなり、クリントン候補は問題の深刻さを指摘、サイバーテロへの対策を強化する姿勢を示した。またロシアの関与を示唆する一方で、トランプ候補がプーチン大統領を招待したことが信じられないと批判した。

これに対してトランプ候補は、話題をISISなどのテロ組織の問題に振り向け、オバマ大統領とクリントン国務長官がイラクから軍を引き揚げる際に治安の空白を作り出したためにISISが生まれたと、強く批判した。

またクリントン候補がNATOなど、同盟国との関係強化を主張する一方で、トランプ候補は日本やドイツ、韓国やサウジアラビアを守るのはやぶさかではないが、これらの国に軍事費を出させることを主張、払えなければ守ることは出来ないとも述べた。

ポイント⑤ 核問題

クリントン氏

イランとの核開発停止に関する合意は、それに直面し続けるよりも良い選択

トランプ氏

核問題がある以上、テーブルの上から何一つ引くことはできない

トランプ候補は、核兵器に変わるものが開発されれば核の問題もなくなるが、それまでは何一つテーブルの上から引くことは出来ないと主張。また北朝鮮に関しては、中国に攻撃させるべきだとも主張した。またイランの核開発に関する合意は、これまでに見たこともないほど大きな譲歩だと批判した。クリントン候補は日本や韓国との関係強化を改めて強調、イランには他にも問題があるのは明らかだが、それでもイランが核開発を停止する方向で合意したことは、それに直面し続けるよりもマシな選択だとした。

総括

テレビ討論会1回目はクリントン氏の勝利!

最後にはトランプ候補がクリントン候補の大統領の資質に関して、彼女には職務を全うするだけのスタミナがないと、健康問題に言及して批判したが、今回の討論に関して言えば、特に見た目も具合も悪そうな感じでもなく、クリントン候補の健康問題はひとまず後退したと見て良いだろう。

クリントン候補に関しては、特に大きな失点もなく無難にこなしたという感じだが、トランプ候補は大統領選前半のようなハチャメチャは姿を消し、大統領候補にふさわしい姿を前面に押し出す作戦に出たと思われるが、かえってそれが彼の威力や良さを消してしまう結果となったのは否めない。また一方では、そうした前半戦での無謀な言動や主張を批判の対象にされた部分も多く、特に後半は不規則発言も多くなり、イライラしているという感が強く前面に出るようになった。彼が普通の大統領候補になってしまえば、経験などの面からも討論ではやはりクリントン候補に一日の長がある。今回の討論会は、クリントン候補の勝利、討論の間にダウ平均先物が100ドル以上上昇、ドル高が進んだのを見てもそれは明らかだったのではないか。

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FX PLUSでは、取引手数料はかかりません。当社は、通貨ペアごとにオファー価格(ASK)とビッド価格(BID)を同時に提示します。オファー価格とビッド価格には差額(スプレッド)があり、オファー価格はビッド価格よりも高くなっています。流動性の低下、相場の急激な変動により、スプレッドの幅は拡大することがあります。

<証拠金>

FX PLUSでは、取引通貨の為替レートに応じた取引額に対して一定の証拠金率以上で当社が定める金額の証拠金(必要証拠金)が必要となります。一定の証拠金率とは以下のとおりです。ただし、相場の急激な変動等の事由が発生した場合には当社判断により変更することがあります。
(個人口座)
原則4%(一部の通貨ペアでは8%、詳細は当社ウェブサイトをご確認ください)
(法人口座)
金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号の定める定量的計算モデルにより金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率です。ただし、金融先物取引業協会の算出した為替リスク想定比率が、当社が通貨ペアごとに定める最低証拠金率(原則1%、一部の通貨ペアでは8%、詳細は当社ウェブサイトをご確認ください)を下回る場合には、当社が通貨ペアごとに定める最低証拠金率を優先させることとします。

<その他>

お取引の際は、当社ウェブサイトに掲載の「契約締結前交付書面」「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」を必ずお読みください。

情報提供に関するご留意事項

本情報は、マネックス証券株式会社(以下「当社」といいます)が信頼できると考える情報源から提供されたものですが、当社はその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。本情報は有価証券やデリバティブ取引等の価値についての判断の基準を示す目的で提供したものではなく、有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。本情報に含まれる過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
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