億り人投資家に聞く。個人投資家が、勝つためには。

億り人投資家に聞く。個人投資家が、勝つためには。

「億り人(おくりびと)」という言葉をご存じですか?一般的に「億り人」とは投資によって1億円を超える資産を築いた人々を指しています。今回、株式投資で20万円からスタートして「億り人」になった株主優待銘柄や昇格銘柄投資の達人v-com2さんに株式投資に成功するためのヒントや投資手法などをマーケット・アナリストの益嶋裕がインタビューしました。最終回となるインタビュー第4弾のテーマは「個人投資家が、勝つためには。」です。

インタビュー第1弾「私はこうして億り人になりました」

インタビュー第2弾「株主優待銘柄をすすめる多くの理由」

インタビュー第3弾「あの120倍銘柄を買い、持ち続けた理由」

本コンテンツは情報提供が目的であり、投資その他の行動を勧誘する、あるいは、コンテンツ中の個別銘柄を勧誘、推奨するものではございません。また、過去の実績は将来の投資成果を保証するものではありません。銘柄の選択などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断にてお願いいたします。

銘柄の探し方や売買タイミングの考え方は?

-v-com2さんは、どのように銘柄を探すのですか?

まず、今は「スクリーニング」は一切しません。私の銘柄探しの特徴は昇格などのカタリスト(きっかけ)が見込める銘柄かという観点から入ることだと思います。スクリーニングは初心者の頃はしていましたが、「万年割安株」をつかんでしまうことが多かったのでやらなくなりました。企業が昇格に向けて行う施策(昇格サイン)には色々ありますが、特に株主優待の新設、立会外分売の実施、地方市場から東証2部に昇格というのが好きなパターンです。これらが発表されたときに興味をもって、「優待面」「資産面」「収益面」から総合的に判断して魅力的と考えれば買いを検討することになります。少ししか上がっていないならすぐに買うこともあるし、市場全体の暴落を待つようなこともあります。

-具体期には買う判断はどのように行うのですか?テクニカル指標は参考にしますか?

テクニカルは完全無視と決めていますので何も見ていません。タイミングは安いと感じるときなら誤差なのでいつでもいいというのが基本スタンスですが、市場全体の大暴落時につられて安くなった時が最も良いということになります。でも暴落はなかなかくるものではないので、買うことが多いのは、

  • 立会外分売で短期の需給が悪化するが将来の昇格につながるようなタイミング
  • 低PBRの地方市場銘柄が東証2部に昇格してきた時

などですね。答えは1つではないですし、短期で見るといつが最もいい買い時かはわかりませんが、中長期で見ればいつ買ってもいいんじゃないかなと思える期間に買えればいいというイメージでしょうか。そして、もともと全部が当たるとは思っていないので、分散投資したポートフォリオ全体としてプラスになればいいと思っています。だからあまり悩まずに買えるのかもしれません。

-「株は買いより売りが難しい」と言う言葉もありますが、売り時についてはどのようにお考えですか?

前提として、売りについてうまくタイミングをとるのは、買いの100倍難しいことだと考えています。なので全部うまく行くことはないし、どこかで自分を納得させなければなりません。ただ、自分の中で大きな考え方はもっています。

基本的な考え方は、「買った時点である程度の目標株価を定めてそれを達成したらいつ売ってもいい」というものです。ただし、けっこうな割合で当初の目標株価になっても売りません。それは、主に2つの理由からです。第1に、企業は成長するものだから、長期投資をしていれば企業の価値は徐々に上がっていき当初の目標株価でも割安と感じることが起こりうるためです。その場合は目標株価を引き上げるか、あるいは逆指値をして徐々に売却価格を引き上げていくかなどの対応を取ります。第2に、株価は投資家の期待を反映するものだから、期待が大きくなってくるとかなり割高な所までいくことがしょっちゅうあると感じているためです。さらに、「株価が上がっているから買う」という投資家の存在により、お祭りのような値動き(乱高下)をすることがあります。業績と無関係なレベルで異常に上げる場面が最大の売り場であり、「お祭りは売り」というようなことをよく言っています。

失敗する時の典型としては、買った時点で描いていたストーリーが実現困難になるとか業績が想定と大きく外れてしまった場合です。そんな時は「含み益だろうが含み損だろうが売る」ことを考えます。自分の買値は関係ありません。何%下がったら売るという、株価に左右される典型的な損切りの考え方は一切していません。だから失敗する時は半値になったりすることもありますし、そこは次回の反省点として色々考えます。私の場合のリスク管理は損切りすることではなく

  • 分散投資を行い1銘柄に10%以上投資しない
  • 信用取引を絶対にしない
  • 人気株には手を出さない
  • 無名の有望株を発掘することを重視する
  • 〇〇ショックで売らず買うことを狙う
  • 他人が悲観的になっている時に買い、楽観的になっている時に売りを心がける

などの方法です。これがいいことなのか悪いことなのかは人によることでしょう。私にはこういうスタイルが合っているというだけです。

個人投資家が、勝つために。前半

-私は個人投資家の皆様にもっと儲けていただきたいと思っています。そのためのアドバイスをぜひv-com2さんからいただければと思います。

私なりの「こういう考え方もあります」というのをお伝えできればと思います。端的に言うと「機関投資家やトレーダー的な人と真逆の行動をして、個人投資家は中長期投資家を目指してははいかがでしょうか?」という提案です。

-まずはどんなところがポイントでしょうか?

  • 中小型株を中心に考える

個人投資家の皆さんは投資対象として中小型株を中心に考えてはいかがでしょうか?成功している個人投資家のほとんどが中小型株を中心に取引しているように思います。中小型株への投資は個人投資家に有利な点がたくさんあるからではないでしょうか。機関投資家はそもそも中小型株を投資対象としていない場合も多く、少し調べるだけで個人も対等以上になりえます。
内需関連銘柄が多いため為替などにも左右されにくく、なぜ株価がこう動いたのかがわかりやすい。そうすると、どうすれば株価が上がるか、どうすれば同じようなパターンに出会えるか、色々なことを考えることができるので投資家としての成長につながります。成長余地も大きいため、株価が何倍になる場合もよくあります。もちろんリスクも大きくなりますが、例えば分散投資をするなどしてリスク管理することもできます。

-投資の本では「流動性の大きい大型株に投資した方が良い」と言われることがありますが、それとは異なる発想ですね。

  • 中長期投資を心がける

個人的な感想ではありますが、うまくいっていない人を見ると、たいてい短期(短気)投資の発想をしています。手っ取り早く儲けたいし、相場環境がちょっと不穏な空気になるだけで逃げだしたくなるようです。覚悟のないそういった発想では中長期投資はうまくいきません。
短期メインで稼ぐトレーダーを目指したい方もいると思いますが、私にはわからない世界なのでアドバイスできません。自分に合った投資はそれぞれ違うものですし。ただ、中長期投資の発想を取り入れると、新しい世界が見えてくるかもしれません。

  • 不人気株を買う、機械的な損切りをしない

急騰している人気株を買ってしまうと、暴落リスクも背負ってしまうので損切りは必須になりますが、目立たない不人気株で何らかのバリューをもっている場合には下値が堅くなります。きちんと選べた株の場合、損切りはむしろ有害になる場合さえあると考えています。もちろん自分が間違うこともあるので、過信してはいけませんが。私の場合は分散投資を必須にすることによって、できるだけ株価に左右されて損切りする発想にいかないようにしています。

個人投資家が、勝つために。後半

-よく投資書籍では損切りの大切さが強調されますが、機械的な損切りは必ずしも良いことばかりではないとお考えなのですね。他にはどんなことがありますか?

  • やるべきことをやったうえであいまいさ(損失)は許容する。

株式市場は不確実なものです。絶対の勝利の方程式みたいなものはないと思っています。ですが、そういう投資手法を求めてしまう個人投資家はたくさんいます。そして、ちょっとうまくいかないとその投資手法の追求をやめて、また新しい方程式を探してしまう。そういう発想をしている限り、余計にうまくいかないと思うのです。私の場合、ある程度の自分の投資手法というのはあるわけですが、完璧なものではないことはわかっているし、完璧なタイミングなど見分けられないから、損する確率も一定割合で出てくると最初から前提を置いています。損してもいいと前提を置いておくと気持ちが楽になり、やるべきことに集中できます。

ただ、大まかでいいので、大きな方向性は間違えないことを心がけています。その結果として、利益が出る銘柄も損失が出る銘柄もありますが、リスクを抑えながら、全体としてそれなりの利益が出ればいいと考えています。そのためには株式投資の本質は何なのか考えることが必要だし、人より優位に立つためには多数派の人たちがやらないであろう少数派にならなければならないと考えています。そう心がけていたとしても、運悪く損失が出ることも必ずあると思っていますので、一定の損が出ることは仕方ありません。けれど、最初からそう考えておくと、損失から学べることが多くなるはず。損が出ている時ほど、次回の投資への学びにつながるはずなのです。

-「損失や失敗から学ぶ」というのは、「言うは易し行うは難し」だと思いますが非常に大切ですよね。

  • 再投資する

長年に渡って成功している人を見ていると、株を買うことが趣味とか生きがいレベルになっているような人が多いように思います。そういう方の多くは配当やボーナスが入ればどんどん投資に投入します。それだけの情熱をもっているということは、株式投資に役立つ勉強は苦でなく楽しくなりますし、成功しやすくなるのかもしれません。もちろんリスクの取り過ぎには注意が必要だし、たまには消費に回すのも良いことだと思います。

  • 企業や投資法の良い所を見つける

企業は完璧なものではないし、あら捜しをすれば色々と言いたいことは出てくるでしょう。でも、株主になるということは不完全な企業を応援することです。その企業にどんな良い所があるのか見つけようと心がけていると投資対象が見つかるかもしれません。同様に、世の中にある投資法というのも完璧なものはありません。良い所もあれば弱点もあります。できるだけ良い所にフォーカスして、少しずつ自分のものにしていくことが必要です。弱点があるなら自分でアレンジすればいい。この記事を読んで頂いている方も、あら捜しをするのではなく、何か吸収できる点はないか見つけてみていただければと思います。

しない方が、良いことは?

-逆にv-com2さんが思う個人投資家が「しない方が良いと思うこと」を教えていただけますか?

多くは私がした方が良いと思うことの反対ですね。

  • 知名度の高い大型株中心に考えること

特にまだ初心者の頃は、どうしても誰でも知っているような大企業を買ってしまいがちです。ですが、大企業への投資は個人投資家に有利な点があまりないと思います。情報量は機関投資家の方が上でしょうし、為替などにも左右されやすく、そもそもなぜ株価がこのように動いたのかがよくわからない。わからないまま何となく取引していても投資家としての成長にはつながりません。大企業だからなんとなく安心という発想は、見えない所で不利になっているのかもしれません。

  • 〇〇関連などといわれるテーマ株に手を出すこと

流行りのテーマ株は乱高下するので儲けられるように思うのかもしれませんが、短期トレーダー向きだと思います。過大評価されてしまっている株に手を出すと中長期では分が悪いので、最初から手を出さないと決めてしまうのも良いでしょう。

  • 高騰している人気株に手を出すこと

株価がどんどん上がっているような銘柄を見ると、今買わなきゃ乗り遅れてしまうという発想になるのかもしれません。ですが、暴騰した後は暴落と長期低迷のリスクが非常に高まります。むしろ人気化した場合には売るという方針でいったほうが利益は残ると経験上感じています。

  • できるだけ楽して儲けたいという発想

自分だけは楽していい思いをしたいという考えが人間誰しもどこかにあるものです。ですがそういう発想でいると落とし穴にはまると思います。私自身もそういう方向に行かないように自分を戒めています。

  • 儲かった自分へのご褒美

「株で儲かったから〇〇を買う」という発想をよく目にしますが、危険な要素を含んでいると思います。株式投資は儲かる時もあれば損する時も必ずあるからです。ざっくり言えば儲かった分を消費に回してしまったとすると、資産は元に戻ってしまいます。そのため、消費は適度に抑えて、投資の複利効果を享受することが必要と考えます。要は自分の金銭感覚を、投資の結果に左右されないようにコントロールできるようになるのが理想です。それは各々の価値観ですし、もちろん消費することが悪いということではありませんが。

-たくさんの貴重なお話ありがとうございました!

ありがとうございました。

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