世界で初めて法定通貨にビットコインを採用した国、エルサルバドル。当社チーフ・アナリスト大槻 奈那と当社暗号資産アナリスト松嶋 真倫による、ディエゴ・アレハンドロ・ダルトン・ロサレス駐日エルサルバドル大使への特別インタビューを公開いたします。ダルトン大使には、ご講演のほか、皆様からお寄せいただいたご質問にお答えいただきました。盛りだくさんの内容となっておりますので、ぜひご視聴ください。
セミナー名 | ビットコインが法定通貨 エルサルバドル大使特別インタビュー |
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公開日 | 2022年7月25日(月) |
公開場所 | 本ページ、当社YouToubeチャンネル「マネックスオンデマンド」 |
参加条件 | どなたでもご視聴いただけます |
スペシャルゲスト ディエゴ・アレハンドロ・ダルトン・ロサレス駐日エルサルバドル大使のご紹介
Diego Alejandro Dalton Rosales
ディエゴ・アレハンドロ・ダルトン・ロサレス
駐日エルサルバドル大使
エルサルバドル共和国の外交官。英語とスペイン語のネイティブバイリンガル。アメリカ人の父親、サンサルバドル生まれのエルサルバドル人の母親を持ち、幼い頃より世界に魅了され、旅行や異文化や他国の習慣、何よりも人々に興味を抱いていた。サンサルバドルのインターナショナルスクールでは、クラスメートの多くはエルサルバドルに駐在する外交官の子供たちで、そこで初めて外国の友人や教師と接することとなった。
2003年からエルサルバドルの外務省での職務を開始し、彼の確固たるリーダーシップで、将来のトップレベルのエルサルバドル代表として頭角を表しはじめた。首都サンサルバドルの外務省では、様々な総局やユニットで働き、豊富な外交経験と職種を経て、中米地域および国際的なイベントの調整チームのメンバーとして多国間経済担当のテクニカルアドバイザーの任務を全うした。また、国際機関が参加するフォーラムにおける経済、商業、投資、観光業務の監督業務を担った。2008年には、「水と持続可能な開発」をテーマとした2008年サラゴサ国際博覧会においてエルサルバドルの副委員長に就任、初めて国際的にも主要な役割を任じられた。
学歴としてはエルサルバドルのサンサルバドルにあるプレストン大学の経営学の学士号を修めたのち、2007年に、世界貿易機関と国連(国際貿易センター)の合同多国籍機関で国際貿易の学位を修了、2010年には台湾政府から奨学金を受け台湾の新竹国際経済問題アカデミー国際経済問題の講座を受講。
2011年に、駐日エルサルバドル大使館の公使参事官に就任し、両国間の関係を促進。第3回防災世界会議、国際通貨基金および世界銀行グループの年次総会など、トップレベルが集う様々な会議や国際会議へのエルサルバドルの参加を調整・受入れを行った。
2014年には、太平洋、マーシャル諸島共和国マジュロ環礁で難破したエルサルバドルの漁師ホセ・サルバドール・アルバレンガ氏の救助の調整と実施を担当した。438日経過後の救出は、史上最長として記録されている。
2016年6月、イスラエルのエルサルバドル大使館で公使参事官に任命され、両国間の二国間関係、特に政治的・商業的関係を振興した。また、領事部のトップ、臨時代理大使としてイスラエル、パレスチナ、ヨルダンに居住するエルサルバドル人への業務を遂行した。さらに、南アフリカ政府との二国間関係の調整を行なった。
その後、2018年8月、カタールのエルサルバドル大使館で公使参事官に任命された。2019年9月からは臨時代理大使を務め、両国の外交関係強化に努めるとともに、カタール、ヨルダン、オマーン、クウェート在住のエルサルバドル国民への領事業務を兼務した。
東京に拠点を置き、シンガポールやフィリピンをともに管轄する駐日エルサルバドル大使館の特命全権大使として2020年12月、日本に着任した。
エルサルバドルってどんな国?
世界初ビットコインが法定通貨に
東京から首都サンサルバドルまで約12,500km、中央アメリカに位置するエルサルバドルでは、2021年6月、ブケレ大統領が議会に提出したビットコインを国の法定通貨として採用するための法案が大多数で可決され、世界で初めてビットコインが法定通貨と認められる事例となりました。
同法律には、以下のような内容が盛り込まれています。
- 商品は、ビットコイン単位で価格表示が可能
- ビットコインで納税可能
- ビットコイン取引は譲渡所得課税の対象外
- ビットコインの参考価格は米ドル建てに留まる
- 全ての経済主体(サービス業など)は、消費者からビットコインの支払いを提示された場合、支払い手段としてそれを受け入れなければならない
エルサルバドルの概況
一般事情 | |
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面積 | 21,040平方キロメートル(九州の約半分) |
人口 | 約649万人(2020年、世界銀行) |
首都 | サンサルバドル |
民族 | スペイン系白人と先住民の混血約84%、先住民約5.6%、ヨーロッパ系約10% |
言語 | スペイン語 |
宗教 | カトリック教 |
経済 | |
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主要産業 | 軽工業(輸出向け繊維縫製産業)、農業(コーヒー、砂糖等) |
GDP | 27,022百万ドル(2019年、中銀) |
経済成長率 | 2.38%(2019年、中銀) |
物価上昇率 | -0.09%(2020年、経済省) |
失業率 | 6.3%(2019年、統計局) |
通貨 | 米ドル、ビットコイン |
外貨準備 | 約29.15億ドル(2020年、中銀) |
国家予算 | 約64.26億ドル(2020年、財務省) |
対外債務残高 | 約111.52億ドル(2020年、中銀) |
(出所:外務省ホームページ、画像:エルサルバドル大使館)
講師紹介
マネックス証券株式会社
チーフ・アナリスト 兼 マネックス・ユニバーシティ長
マネックスクリプトバンク マネックス仮想通貨研究所所長
大槻 奈那(おおつき なな)
東京大学卒、ロンドン・ビジネス・スクールでMBA取得。スタンダード&プアーズ、UBS、メリルリンチ等の金融機関でリサーチ業務に従事、各種メディアのアナリスト・ランキングで高い評価を得てきた。2016年1月より、マネックス証券のチーフ・アナリストとして国内外の金融市場やマクロ環境等を分析する。現在、名古屋商科大学ビジネススクール教授、二松学舎大学国際政治経済学部の客員教授を兼務。東京都公金管理運用アドバイザリーボード委員、貯金保険機構運営委員、財政制度等審議会委員、ロンドン証券取引所アドバイザリーグループのメンバー、内閣府規制改革推進会議委員も務める。
テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」等、メディアへの出演も多数。
マネックス証券オウンドメディア「マネクリ」にて、最新レポートが閲覧可能。
<主な著書>
本当にわかる債券と金利(日本実業出版社)
1000円からできるお金のふやし方(ワニブックス)
マネックス証券株式会社
マネックス・ユニバーシティ 暗号資産アナリスト
松嶋 真倫(まつしま まさみち)
大阪大学経済学部卒業。都市銀行退職後に調査会社BaroqueStreetのメンバーとして暗号資産・ブロックチェーン業界の業界調査や相場分析に従事。マネックスクリプトバンク株式会社では業界調査レポート「中国におけるブロックチェーン動向(2020)」、「国内外のサプライチェーン領域におけるブロックチェーン活用事例と課題」「Blockchain Data Book 2020」などを執筆。国内メディアへの寄稿も行なう。2021年3月より現職。