世界市場見通し:株式に関しては引き続きシクリカル/バリュー株への選好を維持
毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式に関しては、企業業績が堅調であることに加え、経済再開の動きも加速しており、金利も安定して推移していることが支援材料と考えています。引き続きシクリカル/バリュー株への選好を維持しています。
国債に関しては、バリュエーションは僅かに改善しましたが、期待インフレ率の上昇が見込まれるほか、経済成長のモメンタムは国債にとってはマイナス要因となることからやや弱気の見通しを維持しています。
資産クラスの見通し
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
---|---|---|---|
企業業績が堅調であることに加え、経済再開の動きも加速しており、金利も安定して推移していることが支援材料と考えています。引き続きシクリカル/バリュー株への選好を維持しています。 |
バリュエーションは僅かに改善しましたが、期待インフレ率の上昇が見込まれるほか、経済成長のモメンタムは国債にとってはマイナス要因となることからやや弱気の見通しを維持しています。 |
新型コロナウイルスのワクチン普及に伴う2021年後半の景気回復は、社債にもプラスの影響をもたらすと考えますが、足元、バリュエーションの魅力度は低下しています。 |
新型コロナウイルスのワクチン普及に伴い見込まれる経済活動の正常化や財政刺激策が、引き続き支援材料と判断しています。 |
見通しの表示:++強気、+やや強気、0中立、-やや弱気、--弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス、分類(地域、通貨)毎の見通し
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
株式 | 米国 | 企業業績が堅調である中、金融政策についても引き続き支援材料となっています。シクリカル/バリュー株を選好しています。 |
||
欧州 | 引き続き、欧州中央銀行(ECB)による支援策が下支えであるほか、新型コロナウイルスワクチン配布のペースが加速しており、夏に向けて経済再開が期待され、恩恵を受けることが見込まれます。 |
|||
日本 | 輸出の拡大が進んでおり、景気回復の継続が見込まれます。ただし、新型コロナウイルスワクチン普及の遅れは懸念材料といえます。 |
|||
アジア太平洋 (除く日本) |
韓国/台湾の製造業見通しが堅調であり、高い半導体の世界需要に伴い在庫も低水準であることから、韓国/台湾への選好を維持しています。 |
|||
新興国 | バリュエーションは魅力的と判断しますが、新型コロナウイルス感染拡大や中国の景気刺激策縮小へ向けた動きが重しとなると考えます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
国債 | 米国 | 今後さらに利回りが上昇する可能性があるほか、インフレ懸念も残ることから、やや弱気の見通しを維持しています。 |
||
欧州 (ドイツ国債) |
利回りが低水準であることに加え、経済成長の加速がドイツ国債にはマイナス要因となることから、弱気の見通しに引き下げました。 |
|||
新興国 (米ドル建て) |
高格付け債を中心に、引き続きやや強気の見通しを維持しています。 |
|||
新興国 (現地通貨建て) |
ラテンアメリカを中心に調整が進み、バリュエーションの魅力度が上昇したことから、中立の見通しに引き上げました。 |
|||
インフレ連動債 | 景気回復や中央銀行の緩和姿勢を背景に、さらなる上昇が見込まれると考えます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
投資適格 社債 |
米国 | バリュエーションの魅力度は低い一方で、ファンダメンタルズは改善しています。金利上昇リスクには注視する必要があると考えます。 |
||
欧州 | 米国投資適格社債市場と比較して、バリュエーションおよびテクニカル面の双方での魅力度が高いことから、やや強気の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
ハイイールド 社債 |
米国 | 需要/供給は堅調でありますが、バリュエーションが過度に割高な水準にあると判断することから、やや弱気の見通しを維持しています。 |
||
欧州 | 新型コロナウイルスワクチン接種に加速がみられますが、経済復興策を巡る各国の協調姿勢の欠如は、デフォルト率を高める可能性があることが懸念材料といえます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
コモディティ (商品先物) |
エネルギー | OPECプラスは段階的減産縮小で合意していますが、需要の回復に伴い、原油在庫は減少しています。 |
||
金 | 経済成長率の上昇などを背景に、実質金利がさらに低下する可能性は低いと考えることから、見通しを中立に引き下げました。 |
|||
産業用金属 | 中国による需要は減速していますが、新型コロナウイルスの配布が進むにつれ見込まれる経済活動の正常化に伴い、中国以外の国々による需要の回復が見込まれます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
通貨 | 米ドル | 引き続き、米国経済は力強い回復が見込まれますが、足元での米ドルの下落を考慮して、見通しを中立に引き下げました。 |
||
ユーロ | 新型コロナウイルスのワクチンの普及に伴い、今後経済回復を見込んでいますが、足元では中立の見通しを維持しています。 |
|||
日本円 | 米国における新型コロナウイルスのワクチン配布を巡る状況、期待される米国の高い経済成長、インフレ上昇を考慮し、やや弱気の見通しを維持しています。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2021年5月上旬に英語で作成されたものを5月下旬に日本語に翻訳しています。
マネックス証券で取り扱うシュローダーが運用している投資信託
シュローダーはロンドンを本拠地とし、200年以上の歴史を誇る、英国の老舗資産運用グループです。個別企業の調査・分析などのリサーチ力に強みを持つアクティブ運用を中心に、日本株式をはじめ、海外株式・債券、ESG投資、マルチアセット、オルタナティブ投資などのファンドを取り揃えて、日本の投資家の皆さまにグローバルな投資機会を提供しています。
シュローダー日本株ESGフォーカス・ファンド
ファンドの特長
- 国内の株式を実質的な主要投資対象としたアクティブファンドです。
- ESG観点から持続可能な成長が見込める企業に投資します。
詳細・お申込みはこちらから
シュローダー・アジアパシフィックESGフォーカス・ファンド(資産成長型)
ファンドの特長
- 日本を含むアジアパシフィック諸国の株式を実質的な主要投資対象とします。
- 株式の銘柄選択にあたっては、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点を加味します。
- ESGの観点を組み入れた運用アプローチを有するシュローダー・グループが運用を担当します。
- 実質的外貨建て資産については、原則として為替ヘッジを行いません。
詳細・お申込みはこちらから
シュローダーYENターゲット(年2回決算型・年1回決算型)
ファンドの特長
- 世界各国の株式、債券、通貨など様々な資産に分散投資しつつ、日本円をベースとした収益の獲得を目指します。
- 市場環境などの変化に合わせた、機動的な資産配分の変更とポートフォリオのリスク管理を通じ、収益機会の追求と基準価額の下落リスクの抑制を目指します。
- 為替変動リスクの低減を図るため、外貨建資産は、機動的に為替ヘッジを行います。
- 「シュローダーYENターゲット(年2回決算型)」と「シュローダーYENターゲット(年1回決算型)」との間でスイッチングが可能です。(NISA口座についてはスイッチングのお取扱いはありません。)
シュローダー・インカムアセット・アロケーション(1年決算型) Aコース(為替ヘッジなし)・Bコース(為替ヘッジあり)
ファンドの特長
マザーファンド受益証券への投資を通じて、実質的に、複数のインカムアセット(世界の高配当株式、債券等)に投資し、市場環境に合わせて機動的に資産配分の調整を行う投資信託証券、および海外の債券等に投資する投資信託証券への投資を行います。
Aコース(為替ヘッジなし)の実質外貨建て資産については、為替ヘッジは行いません。
Bコース(為替ヘッジあり)の実質外貨建て資産については、原則として、為替ヘッジにより米ドルと円との間の為替変動リスクの低減を図ることを基本とします。
運用はファミリーファンド方式で行います。マザーファンドの運用にあたっては、ファンド・オブ・ファンズ形式で行います。
詳細・お申込みはこちらから
シュローダー厳選グロース・ジャパン
ファンドの特長
- 中長期で高い利益成長を実現できると期待される日本企業の株式に投資します。
- 競争優位性と長期成長ドライバーに着目した独自の銘柄選択基準により、特徴あるグロース企業を30~40銘柄程度厳選し、集中的に投資します。
- 経験豊富なシュローダー・グループの日本株式チームが運用します。
詳細・お申込みはこちらから
シュローダーグローバル市場見通しバックナンバー
- 2021年4月号
- 2021年3月号
- 2021年2月号
- 2021年1月号
- 2020年12月号
- 2020年11月号
- 2020年10月号
- 2020年9月号
- 2020年8月号
- 2020年7月号
- 2020年6月号
- 2020年5月号
- 2020年4月号
- 2020年3月号
- 2020年2月号
- 2020年1月号
- 2019年12月号
- 2019年11月号
- 2019年10月号
- 2019年9月号
- 2019年8月号
- 2019年7月号
- 2019年6月号
- 2019年5月号
- 2019年4月号
- 2019年3月号
- 2019年2月号
- 2019年1月号
- 2018年12月号
- 2018年11月号
- 2018年10月号
- 2018年9月号
- 2018年8月号